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舛添叩きの裏で進む 逮捕されたら「ハイそれまでよ」
http://tanakaryusaku.jp/2016/05/00013673
2016年5月20日 15:40 田中龍作ジャーナル
市民たちは国会議員に向かって刑訴法、通信傍受法の改悪に反対する声を2週間連続で上げ続けた。=17日、衆院会館前 撮影:筆者=
マスコミが舛添叩きに血道をあげる裏で、ファシズムに向けた動きがまたひとつあった。
通信傍受(盗聴)法と刑事訴訟法(取り調べ可視化)の改悪法案が参院を通過したのである。衆院に送られて来週にも成立する見通し。
通信傍受法の改悪により捜査機関による「合法的盗聴」が拡大する。これまでも警察は盗聴し放題だった。
だが法廷に証拠として提出できる犯罪は4種類(薬物、銃器、組織的殺人、集団密航)に限られていた。
法改悪により新たに9種類の盗聴が可能になり証拠となる。9種類とは窃盗、詐欺、殺人、傷害、放火、誘拐、監禁、爆発物、児童ポルノ。
日弁連に抗議の声があがった。「人権の砦」であるはずの日本弁護士会館の前で抗議集会が開かれること自体珍しい。=16日、霞が関 撮影:集会参加者=
刑訴法改悪は捜査当局のキモイリだ。「マスコミは全過程の可視化」と表記しているが、現実は違う。
法廷に出てくるのは警察、検察にとって都合のよい部分だけ。その映像と音声を視聴した裁判員は「やっぱり被告はクロだったのか」と思うようになるだろう。
冤罪の温床となるのは火を見るより明らかである。誰もが逮捕され確実に有罪となる社会が訪れようとしている。
怖いのは弁護士会が権力に取り込まれたことである。17日、日本弁護士会館で開かれた集会では司会役の弁護士が「刑訴法改悪を日弁連の執行部が推進しようとしている。執行部への糾弾集会としたい」。
前日には同会館前で市民団体が、日弁連への抗議集会を開いた。
法律を駆使して権力から市民を守ってくれる― 人権の砦だった弁護士が、そうではなくなろうとしているようだ。
刑事訴訟が戦前戦中の暗黒時代に戻ろうとしている。
〜終わり〜
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