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13日の定例会見。100人以上集まった報道陣から2時間近く質問が相次いだ (c)朝日新聞社
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160517-00000094-sasahi-pol
AERA 2016年5月23日号より抜粋
「高額すぎる海外出張費」などに続いて、政治資金に絡む疑惑まで浮上した舛添要一都知事。世論の不信と怒りは収まらない。
苦しい弁明に終始した会見だった。大勢のマスコミ関係者らが詰めかけた13日の都庁。舛添都知事は神妙な顔で「心からお詫びします」と頭を下げたが、「信頼回復に努めたい」と辞意を否定した。
新たに浮上した疑惑のうち、最も注目されるのは家族旅行の宿泊費を政治資金として処理したとされる問題だ。収支報告書によると、参院議員時代の2013年1月3日、千葉県内のホテルに会議費用として約24万円を支出。翌14年1月2日にも会議費用として約13万円を支出している。この2件の支出計約37万円が会議ではなく、正月の家族旅行に使われた、との疑惑が持たれている。
舛添都知事は会見で家族と宿泊した事実を認め、「プールで泳いだ記憶もある」と述べた。一方で、選挙に向けて話し合う必要があったとし、「家族と宿泊していた部屋で事務所関係者らと会議をした」と説明。「政治活動(の一環)だったと認識している」としながらも、政治資金収支報告書を訂正、削除した上で返金する考えを示した。
この2件に関して、元検事で弁護士の郷原信郎氏は、政治資金規正法(虚偽記載)に抵触する可能性があると指摘している。
「家族旅行に使ったお金を政治資金の支出として計上したのであれば、政治資金収支報告書の虚偽記入罪に該当し、処罰も可能な事案です。罰金でも公民権停止で都知事失職になります。告発が行われた場合、不起訴にすると検察審査会の起訴議決の可能性もあるので、起訴猶予か罰金か微妙なところです」
郷原氏はさらに、一都民としての感慨をこう漏らした。
「もっとも、もし事実であれば政治資金の使い方としては論外。都知事への都民の信頼を著しく損なう行為なので、即刻、辞任すべきではないでしょうか」
「刑事事件以前のレベルの話」というわけだ。
都庁職員の舛添知事評も下降線をたどっているという。
「上品な猪瀬」。これが都庁職員に共通する舛添知事評だった。前知事の猪瀬直樹氏より物腰は柔らかく、頭の回転も速い──。14年2月の知事就任当初は職員の評判も上々だったが、「就任1年目を過ぎたころからボロが出始めた」(音喜多都議)。都議会では情報隠蔽や答弁拒否が繰り返され、「開かれた都政」をアピールしてきた知事への失望が広がった。職員に対しても、基本的には猪瀬前知事と同様に「常に上から目線」。失敗を指摘されると、饒舌になってまくしたてる姿も目撃されていた。自分の懐を痛めたがらない「ケチ」ぶりも有名だった。(アエラ編集部)
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