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官邸と大マスコミの狂騒 オバマ頼みの空っぽサミット
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/181443
2016年5月16日 日刊ゲンダイ 文字お越し
独・メルケル首相に袖にされ…(C)AP
G7サミット(先進7カ国首脳会議)が10日後に迫り、関連報道が急に増えてきた。
26、27日に開かれる伊勢志摩サミットの現地では、ものものしい警備態勢が敷かれている。全国各地から派遣された警官の数は、8年前の北海道洞爺湖サミット時を上回る2万数千人。警備費用も340億円と過去最大級。並行して、オバマ大統領が27日に訪問することになった広島でも、相当な規模の態勢を整えることになる。
サミットの主会場となる賢島は、21日から一般の立ち入りが制限され、近辺の私鉄や路線バスも運休する。外務省は14日から、賢島への立ち入りに必要なIDカードや車両証の交付を始めたが、宿泊施設も警備関係者に占拠され、観光客は近寄ることもできない。閑古鳥の地元はたまったもんじゃないだろう。
「サミットの成功のために厳戒な警備が必要ということでしょうが、それだけのコストをかけて得られるものは少ない。もはやG7の枠組みで物事を決められる時代ではないのです。主要議題とされる世界経済にしても、中国やブラジルが参加するG20に比重が移っている。ましてや、外交も内政も八方塞がりの安倍首相がホスト国として仕切ったところで、何の成果も出せないことは明らかです。近年のサミットは形骸化していますが、今回ほど中身のないサミットはないだろうと思う。経済効果だって、たいして期待できないし、バカ騒ぎに興じるメディアは時代錯誤というか、安倍首相を持ち上げて支持率アップに協力しているだけにしか見えません」(元外交官の天木直人氏)
■洞爺湖も沖縄も景気浮揚効果ナシ
三重県が3月下旬に発表した中間試算によると、伊勢志摩サミットの経済効果は県内で約480億円、県外を含む全国では計1071億円に上るとされる。地元地銀の系列である百五経済研究所は、サミット開催後5年累計で地元に1110億円の経済効果との試算を出している。
ずいぶん景気のいいソロバン勘定だが、それが画餅に終わることは過去の歴史が証明している。
08年の洞爺湖サミットでは、その年の温泉街の宿泊者延べ数が激減。前年度から6万人も減ってしまった。その後も観光客は減り続けた。主会場だった「ザ・ウィンザーホテル洞爺」も、08年度こそ開業以来最高の56億円を売り上げたが、その後は団体客が減少。ホテルは2年前に売却され、所有者も交代してしまった。
00年に初めて地方開催サミットが行われた沖縄県でも、外国人観光客の増加を当て込んだが、もくろみ通りにはいかなかった。翌年には20万人の外国人観光客が訪れたものの、3年後には目標の23万人を大きく下回る13万人まで落ち込んだ。当時、「直接の経済効果は4500億円、波及効果を含めれば9600億円」という触れ込みで発行された新紙幣の2000円札も、今ではほとんど流通していない。サミットの経済効果なんて幻想に過ぎないのだ。
今回の伊勢志摩サミットでも、宿泊者の大半が警備関係者では、地元に落ちるお金も少ない。中部圏社会経済研究所は、観光客が約27万人減少し、それに伴って観光消費額も約32億円減少すると試算しているくらいだ。
事前の欧州歴訪で根回しのはずが袖にされて撃沈
サミットを政権浮揚の道具としか考えていない安倍首相にとっては、経済効果など知ったことじゃないのかもしれないが、それにしても、肝心のサミットの議題がヨレヨレだから話にならない。
安倍首相は議長国として、サミットで各国に経済政策での協調を呼びかけ、G7が一致して財政出動に動くことを首脳宣言に盛り込むつもりだった。世界経済対策でリーダーシップを発揮したように見えるし、アベノミクスの失敗も世界経済のせいにして糊塗できる。
そのために、わざわざゴールデンウイークに欧州を歴訪して、各国首脳に協力を要請して回ったのだが、G7協調のカギを握るドイツのメルケル首相に軽くあしらわれて終わった。現地では安倍首相の訪独を報じなかったメディアも多かったというが、経済政策で失敗した安倍首相が、財政出動に消極的なメルケルを説得するなんて、そもそも荒唐無稽というものだ。
すでに難民対策でドイツの財政は拡大傾向にある。その一方、ドイツ経済は堅調で、さらなる財政出動を求める声は国内で上がっていない。
同じく財政出動に動く気のない英国に至っては、デーリー・テレグラフ紙が「なぜ英国が、日本経済で失敗した安倍総理のアドバイスに耳を傾けなければならないのか」と辛辣な批判を展開したほどだ。
「自分が失敗したツケを持ってきて、何をエラソーに言っているのかと思われた。当たり前の話で、他国の財政出動を気にする前に、まずは自分の国の経済をしっかりしろということです。アベノミクスの破綻は誰の目にも明らかなのに、この期に及んで『G7版3本の矢』を打ち出すなどと言っているのは失笑ものなのです。欧州にとっては、G7よりEUの協調が重要だし、経済対策で日本の提案に乗ってくることはない。主要議題とされた経済分野で成果は挙げられず、結果、サミットの目玉はオバマ大統領の広島訪問だけということになります。それだって米国側の都合で決まった棚ボタで、安倍外交の成果ではない。何の成果もない空虚なサミットになりそうです」(経済アナリスト・菊池英博氏)
南シナ海では中国の海洋進出が活発(C)AP
■八方塞がりで議論をリードできない
外交・安保の分野では、安倍首相は南シナ海で活発な中国の海洋進出を牽制するメッセージを出したい。しかし、欧米各国にしてみれば、喫緊の課題は中国よりもイスラム国だ。テロと難民は日本がリーダーシップを発揮できるテーマではない。
パナマ文書の影響もあって、G7は租税回避やマネーロンダリングなどの腐敗対策も付属文書で強調するという。だが、先進国の中で最もパナマ文書の調査に消極的とされる日本が、どうやってイニシアチブを取るというのか。腐敗対策では、スポーツ分野の八百長や賭博、ドーピングなどへの対策も盛り込む考えだというが、折も折、日本の五輪招致にからむ裏金問題が発覚。どのツラ下げて腐敗対策をリードするのか、見ものである。
「どの分野でも、日本は力強い声明を主導できる状況にない。それだけ外交も内政も八方塞がりということです。成果らしいものが何もないから、オバマ大統領の広島訪問に望みを託しているのですが、それも綱渡りです。スイスで開かれていた国連の核軍縮作業部会が13日に会期を終えましたが、核廃絶の合意には至らなかった。米国など核保有国が、核兵器禁止条約に反対して会議をボイコットしたからです。米国の“核の傘”の下にある日本も反対の立場を取っている。広島訪問でオバマ大統領が再び『核なき世界』を訴えれば、その矛盾が浮き彫りになりかねない。日本の立場も微妙ですから、広島訪問を喜んでばかりはいられないはずです」(天木直人氏=前出)
サミットに合わせ、オバマ大統領の広島訪問が決まったことで、自民党内は浮足立っている。この政治イベントで支持率が上がった余勢を駆って、衆参ダブル選になだれ込むシナリオが囁かれているのだが、果たして、こんな中身のないサミットが、本当に選挙のPRになるのか疑問だ。
サミットでバカ騒ぎしているのは官邸と日本のメディアだけ。何の成果も期待できない政治ショーが大喧伝され、数々の悪事がニュースから追いやられてしまうのでは、たまったもんじゃない。
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