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舛添都知事が恐れる3つの「時限爆弾」〜さらなる追及、刑事告発、自民党離反の可能性を予測する
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48663
2016年05月16日(月) 高橋 洋一「ニュースの深層」 現代ビジネス
■これで終わりではない
舛添都知事が火だるまだ。
これまで、豪華な海外出張、公用車で週末に湯河原の別荘通いが報じられたが、さらに参議院議員時代に家族旅行とおぼしきものの費用まで政治資金収支報告書に計上していたことなどまで明るみになった。
13日に行われた記者会見では、政治資金による家族旅行等疑惑の釈明に追われた。時間をかけて準備して会見したので、当然弁護士らの専門助言を受けていたはずだ。
週末の金曜日という設定はダメージコントロールの鉄則で、土日を挟むことで事態の悪化を防げる。正月のホテルで「会議」したというのは不自然ではあるが、「機微に触れるので誰に会っていたかはいえない」という言い訳は、仮に嘘であってもなかなか崩しにくい。
正月にホテルに事務所関係者を呼んで、2年続けて会議を行ったという説明はかなり不自然であるが、「会議は電話で行えるが実際に会うことも必要だ」とも言い、実際に「会議」があったと主張した。これだと、実際に「会議」があれば、虚偽の記載とは言いにくい。
もっとも、問題は、週刊誌などで指摘されたところしか答えていないことだ。もし、さらに不明瞭な話が出てくると、さらに記者会見→釈明となって、ダメージはいっそうひどくなる。
これらの弁明に対して、深く追及できない都庁の記者たちは何をやっていたのだろうかとは言えるが、総じてうまく逃げ切った感もある。
もっとも、後述する点やさらなる問題点の指摘などがあれば、舛添都知事はドツボにはまっていく。記者会見としては及第点にほどほど遠い。
■筆者が知る「スイートルーム使用暗黙のルール」
過去の問題点をおさらいしておこう。まず、豪華な海外出張だ。
今年3月、都有地を韓国人学校のために貸し出すことが批判された。その当時、保育所問題がさかんに議論されており、「東京都は保育所より韓国を優先するのか」という批判だった。その背景にあったのが、舛添氏は、海外出張が多く、そのための経費が石原都知事時代に比べて多いというものだ。
石原氏は11年間で28回の海外出張、総額経費は4億6000万円、1回平均1600万円だったが、舛添氏は2年間で8回の海外出張、総額経費は2億1000万円、1回平均2600万だという。
その理由の一つとして、滞在先ホテルでのスイートルーム使用、空港での貴賓室使用などであった。筆者は官僚時代に大臣の海外出張に同行した経験もあるが、スイートルーム使用の目的は「要人の急な面会にも礼を失しないため」という舛添氏の理由には首をかしげざるを得ない。
筆者も大臣がスイートルームに宿泊したケースを知っているが、それは警護上の理由か別のルームがとれない場合に限られていた。また、空港での貴賓室使用だが、普通公務の出張というものはぎりぎりの時間日程を組むために、使う必要がないはずだ。はっきり言えば、海外出張といっても、訪問して直ぐ帰国するだけなので、空港でのんびりする余裕はないはずなのだ。
スイートルームや貴賓室を使用せざるを得なかったのは、おそらく都知事の海外出張でうまくスケジュールが組めなかったからだろう。実際、海外要人のアポイントメントを事前にうまくやっておけば、『要人の急な面会』(これは実際にはなかったようだ!)のためのスイートルームなんて不要だし、空港での貴賓室使用もありえない。
実は、うまく事前にスケジュールを組めないという点にこそ、本質的な問題が隠されていると筆者は考える。つまり、舛添氏のいう「都市外交」がどこまで成り立っているのかということだ。
舛添氏は、地方自治体であっても「外交」すべきという持論をもっている。自らの語学力を生かしたいという気持ちもあるだろうし、これまでの学者生活や国政経験で培った舛添氏の売りは「外交」であった。猪瀬氏のあと、急遽舛添氏は都知事になったわけだが、筆者はこの「都市外交」を、場違いだと感じたものだ。
いうまでもなく、外交は国レベルで行うもので、地方自治体はそもそも「外交」を行う主体でない。いくらこちらが叫んだとしても、相手国でも地方自治体に「外交」を認めるわけもなく、せいぜい「友好都市」レベルの話である。
であると、海外訪問するといっても、相手国の都市も最優先事項ではなく(相手の事情でアポイントメントはキャンセルされる)、スケジュールは組みにくい。このため、必要以上の経費がかかっているのだろう。
舛添氏の「都市外交」は、やりたくても、実行するための基盤ができていないのだ。「都市外交」そのものについて意見はいろいろあるだろうが、筆者としては理念が素晴らしくても、それが実行できなければ意味は乏しいと思う。
特に相手の事情を考えると、訪問されるのは悪い気はしないが、「外交」しようといわれると気が引けるだろう(一部には舛添氏は外務大臣をやりたかったがかなわず、それを都知事の立場でやっていると揶揄する向きもある)。
いずれにしても、地方自治体の長がどこまで外交もどきをやるのかということであり、豪華な海外出張を見直すといわざるを得なかったのは当然である。
■橋下氏との大きな違い
次に、4月に発覚した公用車での別荘通いだ。舛添都知事は、2015年度の1年間ほどで、神奈川県湯河原町にある別荘兼事務所に公用車で、ほぼ毎週、48回も都庁との間などを往復していたと報じられた。
これに対して、前東京都知事の猪瀬直樹氏、元宮城県知事の浅野史郎氏、元高知県知事の橋本大二郎氏、元大阪府知事の橋下徹氏が痛烈なコメントを寄せた。テレビ界では、知事経験者が多いために、この手のコメントには困らない。
猪瀬氏は、別荘にいるときの危機管理はどうなっているのかに疑問を持っている。別荘に緊急無線があるのか、ポリスボックスが別荘にあるのか、近くにヘリコプターが着陸できる場所があるのかという点について、確認が必要としている。舛添氏の別荘に緊急無線はあるが、ポリスボックスはないようだ。さらに、別荘へ公用車で行く必要はないと断言した。
浅野氏は、舛添氏が遊びで湯河原の別荘に行っているわけでないと理解しつつも、知事は在任中我慢すべきとしている。橋本氏は、舛添氏が温泉に行く理由として、自宅風呂では足が伸ばせないと舛添氏が答えたことに対して、そうであれば自宅風呂を改築すべきと皮肉った。
実は東京23区内にも温泉は多いので、どうせなら都内の温泉に行けばいいのにというのが、一般庶民の感情だろう。
橋下氏は、ルールに従っているというのは官僚答弁で、不合理なルールはどんどん変えないと不味いという。それが知事の役割であり、大阪では何度も何度も公用車使用規定を変えたとコメントしている。「東京都知事がそんなに偉いのかね」と舛添氏を痛烈に皮肉ってもいる。
舛添氏の釈明では、別荘には公用車で行くが、帰りは私用車だといっていた。行きが公用車なら、帰りも公用車でいいだろうに、帰りは公用車を使わないのは、後ろめたいところがあるからなのだろう。
要するに、週末東京を離れて湯河原に行くのが不味いというより、その時公用車を使用するのが不味いという意見が多いようだ。
いずれにしても、一応「ルール」の範囲内とはいうものの、そのルールを事実上決めるのが都知事であるので、「ルール通り」というのは官僚答弁でしかない。実際、今後別荘にいく場合、公用車は使わないといわざるを得なかった。
■収支報告書を筆者が分析!
そして、参議院議員時代の「政治資金による家族旅行などの問題」だ。過去の二つの問題は、法令に反するものでなく、政治姿勢などの倫理的な問題であるので、遅ればせながらではあるが、見直しをすれば、批判は沈静化していくはずだった。
しかし、政治資金の問題は、政治資金規正法にふれるかどうかという点で、前2件とは決定的に異なる深刻な問題だ。
政治家の政治資金の公開度はかなり高く、政治資金収支報告書は誰でもインターネット上で見ることができる。政治資金をどのように集めて、どのように使うのかを公表することで、国民が監視し、集め方や使い方がふさわしくなければ選挙で落とせばいいという考え方もある。
舛添都知事の資金管理団体は、参議院議員時代は「グローバルネットワーク研究会」、都知事になってからは「泰山会」である。いずれの政治資金収支報告書もインターネットで見ることができる。
グローバルネットワーク研究会2013年分
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SD20141226/030.pdf
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グローバルネットワーク研究会2014年分
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/141128/1148700020.pdf
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泰山会2014年分
http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/uploads/shikin-ta-20151119-0_ta01.pdf
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読者も、上のアドレスにアクセスして、政治資金収支報告書をじっくり読んだほうがいい。それらをみると、グローバルネットワーク研究会が解散した後、その資金の9割程度(5544万円)が泰山会に流れていることがわかる。
■刑事告発されたら、耐えられないかも…?
問題となっているのは、グローバルネットワーク研究会の「会議費用 287755円 平成25年1月3日 竜宮城スパホテル三日月」と「会議費用 133345円 平成26年1月2日 竜宮城スパホテル三日月」である。(下図参照)
(↓グローバルネットワーク研究会2013年分)
(↓グローバルネットワーク研究会2014年分)
(↓泰山会2014年分)
ちょっと見ただけで、この2つの会議費用は突出している。ちなみに、泰山会ではそのような会議費用はない。なお、飲食代と食事代を区別しているが、どのような区分けなのだろうか。
政治資金の支出について、政治資金規正法違反で刑事責任を問われた例は、おそらく過去にはない。
しかし、昨今ではこの種の話は必ずと言ってよいほど、市民団体によって刑事告発される。捜査当局も、政治家が記者会見までしているので、市民団体の告発を受ければ無視することはできないかもしれない。
記者会見では、誰に会ったかは言えないという方便ができても、捜査当局が事情聴取すれば、「会議」が実際にあったかどうかは、簡単にわかるだろう。
政治的な見方からすれば、ポイントは、政治資金の使い方で今後さらに新たな問題が出てくるのかどうかという点だ。
記者会見を踏まえて、(市民団体などが)刑事告発が行われるかどうか、また、都議会がどのように対処するのか、百条委員会(自治体の事務について疑惑や不祥事があった際、事実関係を調査するために設置される委員会)を設置するのかどうかである。
7月上旬に参院選もあるので、都議会自民党や公明党が、世間からの批判の矛先がこちらに向くのを恐れて、舛添都知事に対する姿勢が一気に変わる可能性もあり、予断を許さない。そうなったら、舛添都知事はかなり危うくなるだろう。
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