http://www.asyura2.com/16/senkyo206/msg/146.html
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「消費増税、国が詐欺的な虚偽説明…中小企業に甚大な危害とコスト、価格転嫁できない例多数(Business Journal)」
http://www.asyura2.com/16/hasan108/msg/601.html
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上のスレッドは主要メディアではまずお目にかかることがない消費税の本質や内実を説明した記事なので、それをベースに補足説明をさせていただく。
オリジナルスレッドで筈井利人氏が説明されているように、「消費費税は、消費一般に広く公平に課税する間接税です」という財務省の説明は詐欺的な虚偽である。
消費税は、基本的に「事業者が稼いだ付加価値に課される直接税」である。
財務省や財政・経済学者の大半がどうしてそのような詐欺的説明を行っているのかという問いには、二つの主要な目的を提示できる。
一つは、消費税について、買い物をする消費者が支払わなければならないものであるという“強迫観念”を消費者に植え付けること。
そのような洗脳を制度的に支えているのが、「外税方式」の小売価格表示である。
まともに付加価値税(VAT)と称している欧州諸国などではすべて「内税方式」(というより税の性格からそれしかない)の価格表示なので、ある程度のVATが転嫁されているとは当然思っているとしても、付加価値税(消費税)を自分が支払っているという意識は持たない。
日本は、ある期間(04年〜13年)を除き、消費税を負担している(負担しなければならない)と消費者に思わせる小売価格表示の「外税方式」を認めてきたが、「事業者が稼いだ付加価値に課される直接税」である消費税に「外税方式」の価格表示を許すこと自体が詐欺にあたる。
消費税を消費者が負担していると考えるのは、最終利益に課される法人税のある範囲も消費者が負担していると考えることに通じる。
(消費税は、法人税とは課税ベースが違う“法人税”と考えるとわかりやすい)
もう一つの目的は、輸出に対して適用される「輸出免税」(輸出売上に係わる消費税の税率は0%)をもっともらしい公平で正当な制度と思わせることである。
消費税の内実である「事業者は稼いだ付加価値について所定の税率で消費税を納付する」という説明をすると、輸出で稼いだ付加価値に消費税が課されないどころか、国内売上で稼いだ付加価値に対する消費税までが“減額”される「輸出免税」制度に対する理解を得られにくい。
(同じように事業努力しているのに、国内で稼いだ付加価値(荒利)には消費税が課され、輸出で稼いだ付加価値(荒利)には消費税が課されないという不公平がまかりとおるのかと、国内専業事業者から非難の声が上がる)
あまり知られていないようだが、日本在住者が自動車の購入で負担したつもりになっている消費税は、自動車業界や関連業界のトータルの納付と還付の結果、1円たりとも国庫や地方自治体の金庫に入っていない。トヨタなどの自動車メーカーが受け取る還付金のほうが大きい。
それが、「輸出免税」制度という詐欺の結果だと多くの国民が理解するようになれば、消費税制度そのものが廃止の危機に直面するだろう。
多段階の取引過程で消費税が課され最終的には消費者が負担するものと説明することで、輸出では“外国”の消費者から消費税を徴収できないから、輸出事業者について“も”、仕入で“負担”した消費税を控除するという仕組みがもっともらしく見えるようになる。
「輸出免税」がどのようなものか、簡単に説明する。
「輸出免税」があると、輸出事業者は、仕入れ値と同じ価格で輸出したとしても、税制度を通じて利益を上げることができる。
実際の数字を使って説明してみよう。
消費税は8%(付加価値に対する実効税率は7.4%)とする。
3千億円で仕入れたものをそのまま3千億円で輸出する。この場合、輸出取引で利益(荒利:付加価値)はない(ゼロだ)が、消費税の還付として222億円を受け取ることになるのでそれが利益となる。
このロジックを知れば、日本経団連が「消費税の税率を引き上げろ!」と言い続けているワケがわかるだろう。(財政の健全化や社会保障制度の維持といった理由は、自分たちの利益を隠すためのダシである)
消費税が10%(付加価値に対する消費税実効税率は9.1%)に引き上げられると、3千億円で仕入れたものをそのまま3千億円で輸出したケースの消費税還付金=利益は、273億円に増加する。
そして、利益を増大させるこの計算式の怖さは、消費税で仕入と認められる部分の金額が大きくなればなるほど利益が大きくなることである。
だからといって、素材や部品を高く仕入れたら損である。
利益増大につながるかたちで消費税で仕入と認められる金額を大きくする方法は、直接雇用(従業員)であった労働者を派遣の労働者に切り替えることである。
直接雇用の賃金は、仕入ではなく稼いだ付加価値から充当しなければならないものである一方、派遣会社に支払う経費は、消費税制度のなかでは仕入として稼いだ付加価値を減少させる働きをする。
ハケンを利用することで、人件費は派遣会社が転嫁してくる消費税を考慮しても20%ほど少なくなるだけでなく、消費税まで負担が減少(グローバル企業の場合は還付が増大)するのである。
このロジックが、長期不況と相俟って、非正規労働者の増加に拍車をかけたのである。
そして、従業員の賃金は、稼いだ付加価値から充当しなければならないからこそ、消費税の税率を引き上げると賃金レベルが低下するのである。付加価値税である消費税は、国内専業事業者に、「給与支払い税」として重くのしかかっている。
※補足説明
「輸出事業者について“も”仕入で“負担”した消費税を控除する」と説明したのは、国内売上について、仕入で“負担”した消費税を控除するのは付加価値税として当然の考え方である一方、「輸出免税」は詐欺的な考え方だからである。
国内売上についての消費税額は、次の二つの式で計算できる。
A:消費税額=売上×消費税実効税率−仕入×消費税実効税率
B:消費税額=(売上−仕入)×消費税実効税率
国内売上ではAもBも同値だからどちらの式でも同じだが、Bの算定式は、消費税が付加価値に課される税であることを明確に示す簡潔なものである。
簡潔で本質を示すBの算定式を使う前提なら、「輸出免税」で“利益”(消費税還付金)が生まれない。(消費税実効税率をマイナスにしなければならない)
「輸出免税」でAの算定式が適用されることで、「売上×0%−仕入×消費税実効税率」=マイナスの値(還付)と消費税の還付が発生する。
※追記
複数税率(俗に言う「軽減税率」)制度では、Aの算定式が拡張され
C:消費税額=売上×売上に係わる消費税実効税率−仕入×仕入に係わる消費税実効税率
となる。
「輸出免税」は、Cの算定式の「売上に係わる消費税実効税率」がゼロのケースと考えることができる。
そして、「軽減税率」制度は、「輸出免税」のゼロほど利益(還付)を生まないとしても、事業者の利益を増大させる制度であることは同じである。
だからこそ、日本有数の宅配新聞社である創価学会のために公明党が軽減税率の導入を叫び、読売新聞や朝日新聞などの新聞が“民主主義の糧”などといって新聞への軽減税率の導入を求めてきたのである。
「軽減税率」を消費者の消費税負担を軽減するものと考えているひとは、失礼ながら、財務省や主要メディアがしつこく行ってきた(いる)詐欺的な消費税の説明に騙されているのである。
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