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総勢486人を一挙公開 パナマ文書「日本人全氏名」<上>
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/181166
2016年5月12日 日刊ゲンダイ 文字お越し
パナマ文書を公開した国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のホームページ
ついに全貌が公表された「パナマ文書」。中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した約40年分の内部資料には英領バージン諸島やパナマ、バハマ、米ネバダ州、香港など21地域のタックスヘイブン(租税回避地)に設立された約21万社の法人と、それに関係する延べ36万人分の氏名が登場する。
全体のデータ量は2.6テラバイト。実に新聞2600年分に相当するという膨大な容量の「機密」は、ベールに包まれてきたタックスヘイブンの一端を照らし出す。
本紙は「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が公表に踏み切った日本時間の10日午前3時以降、パナマ文書を徹底分析した。
住所が海外などを除くと486人
「ア〜カ」行のリスト(C)日刊ゲンダイ
「カ〜サ」行のリスト(C)日刊ゲンダイ
ICIJのサイトで「日本」関連として分類されているのは899件。そのうち住所が海外、あるいは判読不明、明らかに日本に存在しない地名などを除くと、日本人とみられる「個人」(重複を除く)は486人に上る。多くは、タックスヘイブン設立法人の株主や役員として記載されている。
朝日新聞と共同通信によって分析された「約230人」と合致しないのは、現在は届け出た住所に暮らしていない人や物故者も含まれていると推察されるためだ。
もちろん、タックスヘイブンに法人を設立すること自体は違法ではない。パナマ文書に名前があるからといって、ただちに租税回避、さらには違法な脱税を示唆するわけでもない。特に海外でのビジネスや資産運用では、提携企業や金融機関などから、タックスヘイブンの利用を求められるケースも珍しくない。
すでに実名が報じられたセコム創業者の飯田亮氏やUCC上島珈琲グループCEOの上島豪太氏らは、いずれも「租税回避が目的ではない」とコメント。なかには勝手に名前を使われている人もいるに違いない。
政権は実態解明に動くべき
しかし、著しく低い税率と匿名性の高さを利用して、節税や犯罪収益の資金洗浄を図る人々が後を絶たないのも、また事実だ。たとえ合法であっても富裕層を利する抜け穴があれば、税の公平性は揺らぐ。ペーパーカンパニーの口座に資金を移し、意図的に所得を隠していたら即、脱税に問われる。
今月末の伊勢志摩サミットでも課税対策が重要な議題になるのに、安倍政権はヤル気なし。パナマ文書を徹底調査する気など、さらさらない。腰の重い政権に解明を促すためにも、本紙はあえて氏名公開に踏み切った。
(あすは「タ〜ワ」行を掲載する)
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