http://www.asyura2.com/16/senkyo205/msg/854.html
Tweet |
参院選を戦うと決起宣言した小林節氏(C)日刊ゲンダイ
安倍政治を止めようという覚悟には頭が下がるが… 永田町の裏を読む
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/181089
2016年5月12日 日刊ゲンダイ
小林節慶応大学名誉教授が、政治団体「国民怒りの声」を結成して自身を含め比例区候補を立てて参院選を戦うと決起宣言を発した。本来は保守派であり、改憲論者でもある同教授が、安倍流の解釈改憲による安保法制に反対する運動の先頭に立ち、ついには自身が政界に打って出てでも安倍政治を止めようと思い詰めるその覚悟には心底、頭が下がるけれども、実際に参院選に向かう野党の政治戦略にとっては、この動きはマイナスにしかならない。
小林教授はこれまで、イタリアの「オリーブの木」方式に倣った「さくらの木」のような新しい政治団体を立てて、共産党を除く野党の比例区候補がそれに参加して統一名簿を作り上げることを、民進党などに提案してきた。が、これは2つの理由でまとまらなかった。民進党関係者が言う。
「ひとつには小林教授の掲げる政策は過激で、ほとんど共産党に近い。消費税、辺野古、TPP、原発、安保法のどれをとっても民進党は『条件付き反対』とか『一部賛成』とかの煮え切らない態度なので、付いていけない。もうひとつには、すでに現実に32の1人区のうち23で、安保法制廃止を軸に共産を含む野党プラス市民による統一候補擁立が進んでいて、そのうちいくつ勝てるかが参院選の趨勢を決する情勢だが、それと、共産を外した比例名簿をという小林教授の案は整合しない」
1番目のほうは、民進党自体の問題で、すべてについてそのように腑抜けたことを言っているから支持率が低迷し、安倍政治を止める中心勢力になりきれないのである。
そこでますます重要になるのが2番目のほうで、1人区での共産を含む野党協力で勝ちにいくしか、政治の流れを変える現実的な方策はない。
だからこそ、自民党と官邸は「自公対民共の対決」だとか「共産党は革命勢力」だとか言ってこれを攪乱しようとしてきたが、4月の北海道5区補選では無党派層の7割が統一候補を支持し、民進党支持者の95.5%が統一候補に投票した。時代遅れの反共攻撃は無党派層に通用しなかったし、「民進支持の保守層が逃げていく」という現象も起きなかった。逆に、無党派層がもう少し多く投票所に足を運んでいれば、野党が勝つところだったのである。
したがって「民進にも共産にも飽き足らない無党派層に別の受け皿を用意する」という小林教授の案は、政治論として間違いで、「まず1人区で勝ちにいく」という野党協力の流れをかき乱す恐れがあると見なければならない。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK205掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。