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“死の商人”外交も大失敗 破綻はアベノミクスだけではない
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2016年4月30日 日刊ゲンダイ 文字お越し
被災地を見捨てて外遊へ(C)日刊ゲンダイ
熊本県・大分県を中心とした地震は収まる気配がない。発生から2週間で震度1以上の地震は1000回超。29日も由布院温泉などの観光地を抱える大分県中部で震度5強の地震があった。予断を許さない状況が続いているが、安倍首相は素知らぬ顔で、5月1日から7日間の日程で欧州5カ国とロシアに外遊を決め込んでいる。
岸田外相は29日から中国と東南アジアへの外遊をスタートさせた。30日、北京で王毅外相、李克強首相らと会談。日本の外相が国際会議への出席以外で訪中するのは4年半ぶりだ。
「去年4月以降行われていない安倍首相と習近平国家主席との首脳会談実現に向けて話し合うとされていますが、何の成果も得られないでしょう。なにしろ、安倍首相は来月のサミットで、習主席が最も嫌がる南シナ海における中国の軍事拡張反対の共同声明を出そうとしている。それに対して、中国側は相当な譲歩を要求してくるでしょうが、そこで安倍首相が譲歩できないから、今の冷え切った関係に陥っている。安倍首相がトップでいるかぎり、日中関係の改善は見込めません。さらに言えば、日本がオーストラリアの次期潜水艦の受注を逃したことから、外交面で中国に力負けしていることはハッキリしました」(元外交官の天木直人氏)
■武器輸出を勝手に解禁してこのザマ
日仏独が競うなかで、日本が「大本命」といわれていたオーストラリア(豪州)の次期潜水艦共同開発計画は、結局、仏造船大手DCNSが受注することに決まった。
安倍政権は2014年4月、武器輸出を事実上禁じてきた「武器輸出三原則」に代えて「防衛装備移転三原則」を閣議決定。大型武器の輸出を解禁した。安倍は豪州のアボット前首相との友好関係をテコに、豪州を「準同盟関係」に格上げ。豪州との潜水艦の共同開発を足掛かりにして輸出を拡大する方針だったが、そのもくろみは見事にポシャってしまった。赤っ恥もいいところだが、「日本が受注できなかった最大の要因は安倍首相その人ですよ」と、経済アナリストの菊池英博氏がこう言う。
「私はかつてシドニーに駐在していたことがあるので、今でもオーストラリア大使館とはつきあいがあるのですが、今回の潜水艦の受注先について、大使館関係者は『広い視野でバランスを取った』と言っていました。要するに、安倍政権がシャカリキになっている対中国包囲網に巻き込まれることを嫌ったのです」
安倍が豪州を重視するのは、南シナ海での中国の活動を牽制する目的があるからだ。機密の宝庫である潜水艦の共同開発に海上自衛隊は難色を示していたし、赤字必至のメーカーも消極的だったが、官邸主導で強引に進めた。タカ派のアボット前首相は安倍とウマが合ったようで、アボットの在任当時、官邸関係者は「豪州のアボット首相、ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン首相が総理の世界3大トモダチ」と話していた。
ところが、昨年9月に発足したターンブル政権は豪州歴代で最も親中派とされている。今月、1000人もの企業関係者を引き連れて中国を訪問したばかりだ。ビジネス使節団としては豪州で過去最大規模という。
中国を敵に回したい国などないのにイキリ立つ
「オーストラリアにとって、中国は最大の貿易相手国です。鉱石など資源の主な輸出先も昔は日本でしたが、今は中国に移っている。中国の国土と人口はケタが違いますから、経済的な影響を考えれば、中国とケンカしたい国などありません。昨年、日本がインドネシアの高速鉄道の受注で中国に敗れたのも、同じ理由です。対中国包囲網などといってイキリ立っているのは、安倍首相だけです。このままでは世界の中で日本は孤立してしまいます。破綻しているのはアベノミクスだけではない。原発や武器の輸出拡大で中国を牽制するという“死の商人”外交も完全に破綻しています」(菊池英博氏=前出)
国是として守られてきた武器輸出三原則を閣議決定だけで勝手に変えて輸出を解禁しておいて、世界から異端視されているのでは、どうにもならない。
中国を敵視し、アホみたいにコブシを振り上げるしか能がないのは分かったが、その前に、やるべきことがあるだろう。アベノミクスは掛け声倒れで、国内の景気はメタメタになっている。本気で経済対策を考えたらどうなのか。
28日に公表された3月の経済指標は深刻きわまりない。消費者物価は2年11カ月ぶりの下落幅を記録した。家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は30万889円で、実質で前年同月比で5.3%も減少。2月は若干増加していたが、それはうるう年で1日多かったからで、その影響を除けば7カ月連続のマイナスである。
実質賃金が4年連続で減少している現状では、庶民のサイフの紐が固くなるのは当たり前で、モノは売れず、小売りや外食産業は値下げ競争に走らざるを得ない。それでは収益が上がらないから、賃上げなど到底できない。日本経済は、そういう負のスパイラルに陥っている。
■オトモダチのプーチンもつれない態度
プーチンは安倍首相よりサッカー優先(C)AP
なにが「デフレ脱却」だと言いたくなる惨状で、経済はボロボロ。外交も大敗北。そんな安倍が、いま欧州を歴訪して、果たして相手にされるのか。真っ先に日程が決まったプーチン大統領との会談だって、すげない扱いをされている
「当初は昼から夜まで時間を設けるということで、晩餐会も予定されていたのですが、急に昼間2時間程度の会談のみに変更されてしまった。その理由が、プーチン大統領が当日の夜、モスクワで行われるサッカー大会に出席するから、というのです」(外務省関係者)
安倍との晩餐会よりサッカーの方を優先するなんて、ずいぶん軽く見られたものだ。オトモダチのプーチンがこのありさまでは他の首脳の対応は推して知るべしだろう。
「大メディアはプーチン大統領が大歓迎しているように報じていますが、晩餐会も開かれないようでは、手厚いもてなしとは言い難い。安倍首相がわざわざ来るというなら、米国を揺さぶるのに利用してやるか、くらいのものでしょう。それにしても、欧米諸国が距離を置くロシアとの接近をサミットでどう説明するつもりなのでしょうか。対米従属でありながら、ロシアにもいい顔をする安倍首相の無定見な外交方針は理解不能と思われているはずです。中国との関係も改善は見込めず、安倍外交は行き詰まっている。それでも、サミットに合わせたオバマ大統領の広島訪問をメディアがもてはやし、歴史的偉業のように称えられて、安倍外交の成果として語られるのでしょう。そういう目くらましで、失態の数々が糊塗され、無能政権がズルズル続いてしまう。それが一番の問題です」(天木直人氏=前出)
安倍政権の3年余りで経済も外交もメチャクチャにされてしまった。これ以上、任せていたら、本当に取り返しのつかないことになる。
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