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TPP=「命よりカネの条約」を阻止・消滅させようー(植草一秀氏)
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28th Apr 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
私たちの目の前には私たちの未来を左右するような重要問題が山積している。
原発、戦争法、TPP、基地、格差
これらの問題について安倍政権はいま、主権者多数の意思とは逆の方向に日本を強引に誘導している。
この現状に対して、多くの主権者が憤りを感じている。
それが
「安倍政治を許さない!」
という言葉に端的に示されている。
問題は、主権者のこの意思を現実の政治に反映させることである。
安倍政権が暴走している直接的な背景は、この政権が衆参両院の多数議席を占有していることだ。
衆議院では3分の2を上回る議席を占有している。
今年の夏に実施される参院選で、安倍政権与党が参院でも3分の2以上の議席を占有するなら、
この政権は暴走を加速し、憲法改定に突き進むだろう。
緊急事態条項が制定され、安倍政権がナチスドイツのような正真正銘の独裁政権に変質することも
十分に考えられる。
この事態を阻止して、日本政治を変えなければならない。
そのための図式が、4月24日に実施された北海道5区衆院補選で明確に浮かび上がった。
この選挙では、「安倍政治を許さない!」連帯の主権者が惜敗した。
つまり、まだ勝利の方程式は完成していない。
その勝利の方程式を確立しなければならない。
2014年12月の総選挙も、今回の補欠選挙もそうだが、
投票率が50%の場合、
安倍政権与党=自公
と
安倍政権対峙勢力=民・共・社・生
の支持基盤はほぼ互角である。
主権者全体のなかで、それぞれ25%が自公、民共社生に投票している現実がある。
重要なことは、ここから投票率を引き上げることだ。
北海道5区の補欠選挙における出口調査結果を見ると、
無党派層の約7割の主権者が池田真紀氏に投票した。
投票率が上積みされる場合、その7割が
「安倍政治を許さない!」連帯
の投票になる可能性が高いのである。
つまり、投票率が5割なら、
安倍政権与党
対
民共社生=オールジャパン平和と共生
は、
25%対25%
の互角の勝負になるが、
投票率が6割になれば、
28%対32%
で、
民共社生
が勝利すると期待できるのである。
これを式にして表すと、
25+(10X30%)=28<25+(10X30%)=28
ということになる。
北海道5区の場合、恵庭と、千歳が自衛隊の街で、この両地域で自公への投票が多かった。
そのために、投票率が6割に接近したのに池田氏は勝利できなかったのである。
また、自民党が強い地域の一票の価値は重く、自民党が弱い地域の一票の価値が軽いという、
不公正な現実が横たわっているから、きめ細かな対応が必要になるが、
この基本を理解して参院選に取り組むことが必要である。
安倍政権は共産党を含む野党連合=市民連合が構築されることに警戒を強めている。
そのために、共産党を含む野党共闘=野党連合=市民連合構築を妨害する工作活動を
活発化させる可能性が高い。
この工作活動に、民進党議員の一部が加担する可能性が高いことに警戒が必要である。
しかし、野党共闘の有効性は北海道5区の選挙で、改めて立証された。
共産党抜きの連合はまったく意味を持たないし、これは、安倍政権が目指す究極の目標なのである。
共産党を含む野党共闘を強化する一方、
次の衆参両院の選挙における投票率を引き上げるための行動を一気に加速させる必要がある。
安倍政権がこの点に気付くと、衆参ダブル選の可能性は消滅する。
なぜなら、衆参ダブル選は投票率を引き上げる効果を有すると考えられるからである。
7月10日が投開票日であると見込まれる参院選だが、その最重要争点に昨日、4月27日にも
TPP批准阻止国会行動
が実行された。
午後5時から6時まで
衆議院第2議員会館多目的会議室
において、
市民と国会議員の情報共有会議
が開催された。
日本共産党 畑山和也衆院議員、紙智子参院議員
民進党 福島伸享衆院議員、逢坂誠二衆院議員
社会民主党 吉田忠智参院議員
から、国会情勢の報告があった。
山田正彦元農林水産大臣からも現状報告と今後の見通しについての説明があった。
さらに、午後6時半から8時まで、衆議院第2議員会館前において、
TPP批准阻止抗議行動
が実行された。
強風の中でのアクション実施になったが、多くの主権者の参加によって、TPP批准阻止の方針が確認された。
山積する重要問題のなかでも、
TPPの重要性は突出している。
私たちのいのちとくらしに直結する重大問題であり、
しかも、ISDS条項によって、日本が国家主権を失うことを内包している。
さらに、TPPは条約であるため、ひとたびTPPに参加してしまうと、足を洗うことが非常に難しくなる。
ヤクザに足を踏み入れると、足抜けが難しくなるのと同じだ。
議員会館前の抗議行動でも、この点が強調された。
いま直ちに行動しなければ手遅れになる。
いま日本はがけっぷちにある。
この危機感を共有することが重要なのだ。
ところが、
原発、戦争法
の問題と比べて、TPPについては、一般市民の認識が薄い。
その理由は三つある。
一つは、名称がTPPで、この言葉に意味が表わされていないこと
二つめは、メディアがTPPポジティブキャンペーンを展開していること
三つめは、TPPの正体がまだはっきりと見えないこと
である。
原発、戦争法
は、言葉が意味を持つ。
その言葉だけで、人々は判断できる。
しかし、TPPは記号に過ぎない。
記号に意味はない。
TPPと言われても、無味無臭なのだ。
そして、マスメディアの大半がTPP推進である。
議員会館内集会でも、TPP推進派はなぜTPPを推進しているのかとの質問が出た。
理由は単純明快である。
TPPはグローバル強欲巨大資本が、彼らの利益極大化のために推進しているものだ。
この強欲巨大資本が、日本の官・業・政・電をコントロールしてTPPを推進させているのである。
コントロールの方法は言うまでもない。
利益誘導である。
TPP推進者には見返りが用意される。
官・業・政・電の4者は、見返りと引き換えに魂を売り渡しているのである。
このなかでの「電」が電波産業=マスメディアである。
マスメディアが、「安くステーキを食べられる」ポジティブキャンペーンを展開している。
そして、もう一つの理由は、TPPが正体を全貌を現していないからである。
TPPの核心はISDSにある。
ISDSは日本に対する強制力である。
この強制力さえ確保しておけば、慌てる必要はない。
じっくりと時間をかけて料理すればよいのである。
そのために、まだ姿が見えない。
TPP=ステルス・スレット
目に見えない脅威
なのだ。
しかし、TPPによって、私たちのくらしといのちは確実に蝕まれる。
恐ろしいものなのだ。
TPPを意味のある言葉に置き換える必要がある
マスメディアのポジティブキャンペーンに対抗する必要がある。
TPPがもたらすものを明記する必要がある。
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