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「安倍首相の広告塔」と目された中西輝政氏が従軍慰安婦、歴史問題を契機に「さらば、安倍首相」。これ一体どういう事だ。個人の義憤か潮流を反映か。ー(孫崎享氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1sok2l4
26th Apr 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
歴史通5月号は中西輝政氏が「さらば、安倍首相」を掲げた。
本論文で、中西輝政氏自身、さまざまな場面で自身が安倍首相の「ブレーン」として
扱われてきたと認めている。
一応ウィキペディアの記述を見てみよう。
「2003年衆議院議員総選挙では安倍晋三の選挙運動はがきに推薦人として記載された。
安倍の首相就任前後には、政策に影響力を持つブレーン「五人組」
(他に伊藤哲夫、西岡力、島田洋一、八木秀次)の一人として報道されたこともある。
安倍の政治姿勢を高く評価し、安倍内閣発足後は「美しい国づくり」企画会議のメンバーに選ばれている。
ただし、安倍政権崩壊直後に出版された月刊誌で、
中西本人は政権発足時から安倍のブレーンであることを否定している。
不思議なのは何故今、中西輝政氏が安倍首相批判を行ったかである。
安倍首相は、批判する者に極めて厳しく反応すると言われる。
自分の「ブレーン」と言われ、時には「応援団長」と言われた人物から
「さらば、安倍首相」と言われたのだから、当然反発する。逆上とまでいかなくてもそれに近いだろう。
安倍政権が長期化すれば、中西輝政氏は言論人として厳しい環境の中に入る。
この選択は、安倍政権の周辺にいる人々の選択とは全く逆である。
個人の義憤か。
仮にそうでないとしたら何があるか。
一つは従軍慰安婦の扱いなどで、「保守」の一定層が安倍離れを起こしている。
当然である。歴史の見直しで安倍氏を担いだが全く逆の動きである。
今一つは、米国であろう。これは単なる憶測で確証はない。
すでにワシントンポスト紙は社説で安倍政権の言論弾圧について
「戦後日本の最大の業績は経済の奇跡ではない。民主主義だ。
それを安倍氏は犯そうとしている」と書いた。
中西輝政氏は米国右派の動向は熟知しているとみられる。
安倍氏を米国の右派から見るとどれくらい信用できるか。
1. 辺野古移転はとりあえず中止
2. 集団的自衛権の実施はとりあえず中止
3. TPPはとりあえず中止
4. 消費税アップはとりあえず様子見
5. 米国が厳しく対峙しているロシアと何やらおかしい動きをする。
6.アベノミクスは失敗。
こんな状態で「何で安倍支援を続けなければならないのか」。
中西輝政氏「さらば、安倍首相」の内容を列挙してみたい。
**************************
・「戦後70年という重要な節目の年である2015年は
日本の歴史と日本人の歴史認識に悲劇的な年になった。
安倍首相は村山談話を「ゆるぎなく継承」しただけでなく、未来に向けて決定的な形で確立した、
・安倍晋三と言う政治家を支持してきた私としては、支持を撤回することを明確にしておきたい。
・2015年9月18日、内閣が「侵略戦争確認の答弁書」で「侵略」を認めた。
・この半年間私が最も大きな衝撃を受けたのは、
心ある日本の保守派とりわけオピニオン・リーダーたる人々が
これらの安倍政権の歴史認識をめぐる問題に対して、ひたすら沈黙を守るか、
逆に賞賛までして意味ある批判や反論の挙に出ないことだった。
・安倍晋三と言う政治家の本質は保守かリベラルか、という問いの以前に
「徹底した現実主義者であることを、しっかり踏まえておく必要がある。
・安倍氏の本質は「外務省の、外務省による、外務省のための政権」と言っていい
(孫崎注:この外務省は今日独自の理念を持っているのでなくて、米国に隷属する省となっている。
つまり、「外務省の、外務省による、外務省のための政権」は
「「米国の、米国による、米国のための政権」と言っていい」)
**************************
今日、安倍政権下で、「右派」は本来歴史問題で安倍首相を厳しく批判していいが、批判はない。
その中で中西輝政氏の論文が、個人の義憤からのものか、何かの潮流の英での発言なのか、
今後見てみたい。
尚、中西氏はこの論文を連載の第3回として書いた。「今回の第3回で最終回を迎える」と書いている。
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