http://www.asyura2.com/16/senkyo204/msg/905.html
Tweet |
首相官邸HP「総理の一日」より
安倍首相が被災者より真っ先に「わが軍」自衛隊を激励! 小泉首相の中越地震視察でもなかった露骨行動に唖然
http://lite-ra.com/2016/04/post-2184.html
2016.04.24. 安倍が被災者より先に自衛隊を激励! リテラ
昨日4月23日、安倍首相が熊本大地震後初めて現地を視察訪問し、復旧事業への国の補助率が上がる激甚災害指定について、週明けの閣議決定を表明した。被災地の蒲島郁夫熊本県知事が15日には早期の激甚災害指定を求めていたことを考えると、安倍政権の動きはあまりにも遅すぎる。
この安倍首相の現地視察と激甚災害指定の遅延の背景に、本日24日に行われる衆院北海道5区補欠選の風向きを変えようとの目論見があったことは、昨日の記事で述べた。だが、今回の安倍首相の現地視察のやり方には、また別の、不可解な点があった。
それは、熊本に到着した安倍首相が、被災者のいる避難所へ向かう前に、自衛隊の拠点への訪問を優先し、隊員を「激励」して回ったことだ。
昨日午前8時すぎに熊本県に到着した安倍首相は、ヘリを使って甚大な被害のあった益城町と南阿蘇村を上空から視察後、自衛隊の拠点や警察、消防の指揮本部をそれぞれ訪れた。毎日新聞によれば、安倍首相は〈自衛隊員に「2次災害に細心の注意を払いながら、任務を果たしてほしい」と強調。「避難所で不安な思いをしている人への生活支援には皆さんの力が必要だ」と呼び掛けた〉という。そのあと、村長らとの意見交換、災害対策本部の視察を経て、ようやく村内の避難所に訪問している。
念のため言っておくが、首相が、被災地で救出活動などの任務にあたる自衛隊員のもとへ行き「激励」すること自体を否定するつもりはない。
だが、順番が違うだろう。最初の大きな揺れから9日も経過して、ようやく被災地に足を踏み入れたのならば、まず最初にするべきことは、長期の避難生活を強いられている被災者たちを訪れ、環境改善と国の全面的支援を約束し、すこしでも安心させるように努めることだ。
実際、歴代首相の被災地訪問を確認しても、“避難所訪問を差し置いて自衛隊に激励を見舞った”なんてことは前例がない。
東日本大震災時の菅直人首相や阪神淡路大震災時の村山富一首相と比較するまでもなく、同じ自民党政権下の現地訪問視察、たとえば2004年10月の新潟中越地震での小泉純一郎首相のケースでも、避難所より先に自衛隊を激励するなんてことはなかった。
当時の首相動静や首相官邸ホームページによれば、10月23日の地震発生の3日後の26日午前、小泉首相は羽田空港から出発。正午すぎに新潟空港に到着し、午後1時半頃には長岡市の高校に避難している山古志村の住民を見舞いって励ましの言葉などを送っている。そして2時前には当時の新潟県知事らから状況説明と陳情を受けてから小千谷市内の家屋倒壊現場を視察、続けて同市の避難所で被災者を激励。その後、上空からのヘリでの視察を行っている。自衛隊の拠点に向かって激励したなどという記録は見当たらないのだ。(ちなみに、小泉首相の被災地視察が発生3日後だったことについて、当時は「遅すぎる」との批判もあった)
自衛隊員は国家公務員であり政府の指揮下にある、いわば時の政府の“身内”だ。他方、被災して避難所での生活を余儀なくされているのは、一般の庶民。わが国の行政の長である首相がまっさきに安全や状況を確認すべきなのは、無論、一般市民のほうであるはずだ。そして順序を考えると、避難している一般の被災者のもとを訪問した後は、現地の行政状況を把握するため各自治体の首長と意見交換するのが通常。自衛隊を訪ねるのは、やったとしても最後でいいはずだ。
それを今回、安倍首相は、避難している多くの一般市民たちを差し置いて、身内である自衛隊員を励ましに行くのを優先したのだ。これはやはり、不自然というしかない。
しかし、安倍首相の性格を考慮してみれば、こうした“自衛隊優先”も当然なのかもしれない。というのも、安倍首相といえば、戦後内閣きっての“自衛隊好き”、いや、“最高指揮官マニア”だからだ。
安倍自民党が改憲によって自衛隊を「国防軍」に改めようとしていることは周知の通りだが、実際、安倍首相個人の発言を見てみても、自衛隊及び、自分がその最高指揮官であることに対する入れ込みようは、歴代首相のなかで群を抜いている。
たとえば昨年3月の参院予算員会の答弁で、安倍首相は自衛隊を「わが軍」と呼んだ。言うまでもなく、日本国憲法は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と規定しており、これを「軍」と表現するだけでも戦後70年の立憲主義を無視している。しかも、安倍首相の場合、「日本国の軍」とか「我が国の軍」「われわれの軍」ではなく、「わが軍」である。完全に、自衛隊を私物化したいと思っている独裁者の発想としか思えない。
しかも、この「わが軍」発言が散々問題視されたにもかかわらず、安倍首相は反省の色がなく、今年に入っても同様の発言を行っている。先月3月21日、幹部自衛官を養成する防衛大学校の卒業式に出席した安倍首相は恍惚な面持ちで訓示。わずか十数分の話の間に4回も自らを「最高指揮官」だと胸を張り、こんなことまで述べていた。
「将来、諸君の中から、最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕となって、その重要な意思決定を支える人材が出てきてくれることを、切に願います」
「『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える』。この宣誓の重さを、私は、最高指揮官として、常に、心に刻んでいます。(中略)諸君は、この困難な任務に就く道へと、自らの意志で進んでくれました。諸君は、私の誇りであり、日本の誇りであります」
ようするに、安倍首相にとって、自衛隊は「私の誇り」なるマッチョイズムを満たすにうってつけの“道具”なのだ。
そう考えると、今回の被災地視察で、安倍首相の足が避難所よりも自衛隊に向かったことは当然だったのかもしれない。安倍は、おそらく“なにより軍隊が国家の要”だと思って疑わず、「わが軍」をねぎらうことで「最高指揮官」たる自分に陶酔したかったのだろう。
自衛隊および警察・消防関係各所には被災者の日常生活を一日でも早く取り戻すためにがんばってもらいたいが、しかし決して指揮官の“慰みもの”であってはならない。そんな当たり前のことを反芻せざるをえない安倍首相の被災地訪問であった。
(宮島みつや)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK204掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。