http://www.asyura2.com/16/senkyo204/msg/836.html
Tweet |
失政隠し 安倍自民に「いいタイミング」だった大地震
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/180056
2016年4月22日 日刊ゲンダイ 文字お越し
人でなし政権(C)日刊ゲンダイ
「大変タイミングのいい地震」と非常識な発言をして謝罪・撤回に追い込まれたのは、おおさか維新の会の片山虎之助共同代表だが、熊本県や大分県を襲っている連続地震が、安倍自民の命運に影響を与えたことは確かだろう。
「片山氏の発言は非常に不謹慎で、批判されるのは当然ですが、一般論として、有事の際は政権与党に追い風が吹くといわれています。米国の大統領選でも、ハリケーンが来ると現職や与党に有利に働く。ただちに補助金を出したり、軍隊を派遣したりして、政権党の強みをこれでもかとアピールできるからです。これだけの大きな地震があれば、真っ先に選挙や政局への影響を考えるのが政治家の常識なのかもしれません。長く政治の世界に身を置いてきた片山氏ですから、両院議員総会という身内の会合で気が緩んだこともあって、つい心の中で思っていることを口に出してしまったのでしょう。さすがに人前でそんなことは言いませんが、自民党内で片山氏と同じように思っている人は少なくないと思います」(政治評論家・有馬晴海氏)
そもそも、おおさか維新は限りなく自民党と一体化した補完勢力である。片山発言は、安倍政権の本音を代弁したようなものだ。20日に民進党とおおさか維新がそれぞれ地震対策の申し入れをした際の安倍首相の対応が、それを裏付けている。
民進党の岡田代表との会談場所が、ふだん副長官が役人を集めて会議をする殺風景な官邸3階南会議室だったのに対し、片山氏と会ったのは4階特別応接室。生花が飾られ、表敬訪問の際に使われる部屋だ。安倍首相は前日の片山発言をとがめるでもなく、「提言をまとめていただきました」と、にこやかに応じた。岡田と会った時の硬い表情が嘘のような歓待ぶりで、片山氏には強いシンパシーを感じているようだ。
■災害に強い与党アピールが奏功
「不倫や暴力事件などを週刊誌に書かれる議員が続出し、不適切な発言も相次いで、巨大与党の緩みが指摘されていた最中に大地震が起きた。待機児童の問題もあって、国民の批判にさらされ下り調子だったムードが一変したのは事実です。劣勢だった衆院北海道5区補選も、地震をきっかけに一気に巻き返しました。災害に強い自民党をアピールする戦法が奏功し、勝利が見えてきた。増税延期にしても、アベノミクスの失敗ではなく、被災地のためだと言い張れる。こういう言い方は不謹慎かもしれませんが、地震で潮目が変わったんです」(自民党関係者)
政府が答弁不能で立ち往生していたTPP承認案と関連法案も、今国会での承認・成立を見送ることが決まった。
交渉の全容を知るとされる甘利前大臣が口利きワイロ疑惑で辞任し、後任の石原TPP担当相は、何を聞かれてもマトモに答えられない。国会にはすべて黒塗りのノリ弁みたいな資料を出してくるのに、特別委の西川委員長は官僚の協力を得てTPP交渉の内幕本を出版しようと画策。19日の委員会では、森山農相が関税の「聖域」なんて一切なくて、すべての分野で譲歩しまくりだったことを認め、農業関係者からの猛反発が予想された矢先だった。
国民に嘘をついて合意にこぎつけたから、詳細を説明もできない。数の力で強行採決に踏み切れば、国民の怒りが爆発するのは必至。そんな条約が承認されないのは当然なのだが、そういう中身の問題ではなく、災害対策が理由で先送りになった。安倍政権にとっては渡りに船だ。
地元の豪雨ではすぐに激甚災害指定を表明したのに…
片山議員(左)発言も山本副大臣も…/(C)日刊ゲンダイ
大地震で命拾いしたといえば、民主党政権の菅元首相も同じだった。3月11日にあの大地震が起きなければ、菅元首相は確実に総理のイスから引きずり降ろされていた。外国人からの違法献金を追及され、予算関連法案も否決確実の状況だったのだ。
「菅元首相が、東日本大震災の発生直後にヘリで被災地を視察したのも人気取りのためでしたが、深刻な災害をあからさまに政治利用しようというヨコシマな考えが裏目に出て、批判にさらされた。ただ、決して擁護するわけではありませんが、何か大きな出来事があれば、うまく利用しようと考えるのが政治家の習性なのです。安倍首相も、今回の地震には大型補正予算などで対応するつもりでしょう。低所得の年金受給者に3万円をバラまいたり、若者に商品券を配るといった政策は批判されても、災害対策に反対する人はいない。これも予算を握っている政権党の特権です」(有馬晴海氏=前出)
今回の地震について、安倍首相は口では「迅速な対応」「被災者の目線に立つ」と言うが、いまだに激甚災害指定もしていない。口先だけなのだ。どう利用するのが得策かしか頭にない。3年前に地元の山口県が豪雨に見舞われた時に、すぐさま激甚災害指定を表明して現地に飛んだのとはえらい違いである。
家屋倒壊の危険があるのに全避難者に屋内退避を指示するなど、初期対応の致命的なミスがあったことも明らかだ。地震発生直後の15日から現地に派遣し、現地対策本部長をやらせていた松本文明内閣府副大臣の評判も最悪。「救援物資は足りているんだから文句は言わせない」と居丈高に語ったり、「こんなメシで戦えるか」と食事に文句をつけることもあったと「週刊文春」に報じられた。今の自民党の体質を象徴している。
現地の本部長がこんな態度で、救援活動がスムーズに進むはずがないのだ。上から目線で、被災地の気持ちは無視。自分たちの手柄しか考えていない。そういう政府の稚拙で傲慢な対応を批判すれば、「この非常時に何を言っているのか」と封じられてしまう。ここが問題だ。
■天変地異を政治利用する最低最悪
21日の衆院総務委でも、民進党が松本氏の言動を批判したら、おおさか維新の足立康史衆院議員が口汚くこう罵った。
「被災地で頑張ってきた副大臣を呼びつけて、週刊誌をもとに誹謗する。九州のために全力を尽くしているのが自公政権ですよ。民進党が足を引っ張っているんですよ。ふざけるなよ、おまえらホンマに」
頑張ってきたが笑わせる。さすが、自民の補完勢力だ。松本氏がどんな狼藉を働き、救援活動の邪魔になってきたか。現地に取材すればすぐに分かる話なのだが、こういう筋違いの発言に同調しがちなのが、大災害の盲点だ。
「本来は、政府のやり方がおかしければ、それをハッキリ指摘することが被災者のためになるはずです。しかし、非常時に政権を批判すれば非国民のように言われてしまう。それを恐れて、メディアも政権にとって都合の悪いことは報じない。地震対応に取り組んでいるフリだけで、政治パフォーマンスに明け暮れている悪辣政権にとっては、こんなに都合のいいことはありません。経済もメタメタでジリ貧だったことも国民の関心から追いやられ、ほくそ笑んでいることでしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)
本当に人でなしとしか言いようがないが、政治評論家の浅川博忠氏もこう言う。
「天変地異を政治に利用するなんて最低最悪です。今の政権は目先の選挙や政局しか見ていない。非常に底の浅い政治が行われています。常に、自分たちにとって何が有利かというのが判断基準で、国民の安全や生活はそっちのけ。国の将来を真剣に考えようともしない。こういう政治が続いたら、社会がおかしくなるのも当然です」
熊本では、被災地にある民家や避難所で窃盗や置引が多発しているという。これのどこが「美しい国」なのか。“稼ぐが勝ち”の風潮のせいか。大財閥系の三菱自動車が主力軽自動車などで燃費を良く見せる不正をしていたことも、モラルハザードの典型だろう。
国民生活には目もくれず、富裕層優遇で格差拡大を助長してきた安倍政権が地震を悪用してのさばることになれば、被災地も国民も報われない。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK204掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。