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激戦!北海道5区補選ルポ〜参院選の行方を占う最重要選挙の舞台ウラ 「DV被害告白」の真相、「町村姓」を巡るドタバタ…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48506
2016年04月22日(金) 岩崎大輔 現代ビジネス
■フタを開けたら大接戦
4月24日投開票、北海道5区の補欠選挙が、追いつ追われつの大接戦となっており、目を離せない。「参院選の前哨戦」とも言われる選挙とあって、全国から注目が集まっている。
この補選は自民党の町村信孝・前衆議院議長が亡くなったことを受けて行われるもので、町村氏の次女、直子氏の夫・和田義明氏(44)と、民進党・共産党など野党4党が推薦する無所属新人の池田真紀氏(43)の一騎打ちとなった。
池田氏は前回の衆院選では北海道2区から出馬し、落選。選挙区での知名度は低かった。一方の和田氏は町村氏の義理の息子で、地元事務所の副所長としても活動していた。町村氏の死去による「弔い選挙」であるため、当初は自民が圧勝するとみられていた。
ところが、いざフタを開けてみると大接戦。自民党の選対関係者がこう嘆息する。
「年明けに行った世論調査では10ポイント以上の大差で、普通にやれば勝てると見られていた。ところが徐々に差をつめられ、4月9、10日に行った党の調査では、僅差ではあるが逆転されてしまった。これはまずいことになったと、党幹部の応援はもちろんのこと、小泉進次郎議員を二度現地入りさせ、参院選の候補で歌手の今井絵理子氏の応援を組み、挽回を図りました」
楽勝ムードが一転、なぜこんなことになったのか。和田氏の後援者たちも首をかしげているという。
和田氏は父親が転勤した都合でフランスのインターナショナルスクールに通い、早大卒業後に三菱商事に入社。ペルーやインドへの海外赴任の経験もあるなど、煌びやかなキャリアの持ち主だ。
「北海道には魅力がいっぱいある。それを世界に売り込み、経済を活性化させる」と商社マンの経験を活かした演説を展開。集会ではヘッドマイクとモニターを駆使し、プレゼンテーションのテクニックを駆使して政策を訴えるなど、従来とは異なる選挙戦術を展開している。
ところが、その訴えは届かないのか。前出の選対関係者は陣営の焦りを次のように明かす。
■「格差社会のシンデレラ」
「選挙前、自民党幹部から和田氏に、町村姓に改名するよう申し出があった。けれども『生前義父は、継いでもらいたいのは名前ではなく政治理念だと言っていた』とこれを断った。町村の名前を出さずとも勝てると思っていたのだろう。
しかし、世論調査の結果を知ると、今度は町村先生の遺影を掲げ『勝つこと。それが義父を弔うこととなる』と後継者であることを強調し出した。当初は力をいれてなかったローラー作戦(まんべんなく地域の有権者をあたること)を急遽やりはじめるなど、戦術がブレているところもある」
一方の池田氏は福祉事務所で働き、板橋区役所職員として10数年間、高齢者や障害者の生活支援に携わった。有権者の興味をひいているのが、その「経験」だ。演説では幼少期に、父からDVを受けたこと、高校を中退し、十代で結婚するも夫が借金を作り蒸発したこと、トラック運転手などをして二人の息子を育てたことなど、その壮絶な半生を告白している。
たとえば4月12日、イオン江別店前の第一声では「幼少期から家庭内暴力を受けてきた。ひっそりと妹と声をあげずに生きてきたが、そんな中で、社会や近所、学校は誰も助けてくれず、世間は遠かった。中学生の頃、母は救急車に運ばれて、そのまま家には戻ってこなかった」と、改めてその半生を語り、弱者に寄り添う姿勢を強調した。仮に当選となれば「格差社会のシンデレラ」として脚光を浴びそうだ。
世界各国を渡り歩いて働いた和田氏とのコントラストを浮き彫りにすることで、支持が集まっていることもあるのだろう。そのうえ、自民党議員の「ゲス不倫」発覚や、「保育園落ちた」で火がついた保育所問題など、与党に不信感を持った有権者が、池田氏支持に回っていると思われる。演説で池田氏が『誰一人置いてきぼりにしない』と決め台詞を語ると、涙を浮かべる女性もいるという。
ところが、これに違和感を抱いている人物がいるという。誰であろう、「DVを振るった」と有権者の前で公表された、池田氏の父その人だ。
■父のもとを訪ねてみた
実は、補選の取材を行うなかで、筆者はこんな話を耳にしていた。「池田候補の父は、地元(板橋)ではそこそこ顔が知れた人物なんだが、そんなに粗暴な人ではないはずだ」――。
選挙期間中であるため、情報は慎重に判断する必要がある。筆者はその真偽を探るために、板橋に住む池田候補の父のもとを訪ねた。
「選挙対策か何か知らないが、イメージを作り過ぎではないかな、と…」
筆者の取材に対して、70歳となった父親は戸惑いながらこう語るのだ。
池田氏の父は昔、板橋区内の商店街で『イケダスポーツ』というスポーツ店を開いていた。とんねるずの石橋貴明が野球の道具を買いに来ていたことで、地元では知られているようだ。現在は規模を縮小したものの、スポーツ店は続けている。独身者向けのマンションも保有する、いわば「成功者」だ。
「昔はよく働いた。従業員も3名ほどいて、夜の8時までお店を開いていたから、確かに娘と夕飯を一緒に食べることはほとんどなかった。でも人なみには目をかけてきたつもりだよ。小さい頃、真紀には絵画教室や水泳教室にも通わせた。小6の夏休み、真紀が通っていた語学教室の勧めでハワイに一緒に行ったこともある。真紀が望むから、中3の夏休みにはイギリスに短期留学もさせた」
――池田候補はどのようなお子さんでしたか。
「中学生時代はバレー部で、勉強もでき、おとなしい子だったね。新宿区の私立高校の外国語学科に合格した時は俺も心の底から喜んだものですよ」
――池田候補は演説の中で、家庭内の不和や、お父さんからDVを受けたということを告白しています。それは本当なのでしょうか。
「(表情を曇らせながら)詳しくは言えないが、真紀が高校を中退し、その後結婚してから直接連絡を取り合うことはなくなったのは事実です」
――では、DVについては?
「厳しく育てたことは認めます。でもそれは受け止め方だから…。真紀が4歳か5歳の時に、泣き止まなかったからと押入れに入れたことはあった。でも、ひっぱたいたことはない。…言いたいことはいっぱいあるけど、いまは選挙中だから」
――池田候補は「家族はバラバラ」と語っていますが。
「妻は姫路で暮らしていますが、離婚はしていない。真紀の妹も短大を卒業し、いまは会社に勤めている。たしかに、バラバラといえば嘘ではない(苦笑)。でも、真紀の次男は俺が持つマンションで暮らしている。それで察して下さい」
そう語る父親は、娘が自分を退けることに対する戸惑いを見せた。
一方、池田候補の事務所に「池田候補が父から暴力を受けたというのは本当か」「DVが原因で家族がバラバラになったというのは事実か」と問うと、こう返答があった。
「父親から暴力を受けたのは事実です。その対象は、母であり、まだ幼少期の子供たちでした。救急車で母親が運ばれて行った現実も目撃しています。家族がバラバラになった原因は様々あったにしても、父親のDVがその大きな原因であったことは間違いないことです」
「(選挙演説などでなぜ肉親の暴力について告白するのか、との問いについて)彼女が政治を志すことになった大きな原因は、池田自身の半生にあります。(DVを受けるなどの)自分の経験から政策を訴え、政治を志すようになった経緯を語る。そのことが、有権者に対する彼女の真剣なメッセージとなっております」
■父が語る昔話
「超党派でいろんな人が応援しているし、一生懸命(娘を)偶像化しているからね…」
父はそう嘆息し、池田候補が幼少の時、魚の骨を喉に詰まらせ、慌てて近所の医院に駆け込んだ話、池田候補が板橋区役所職員時代に、二人の息子を遊びに連れてきた話を披露した。最後に、父は記者にこう言い添えた。
「どういうことになろうと娘は娘。今までも、これからも」
確かにDVは、振るった側にはその意識が欠落していることも多いため、できる限り被害を受けた側に寄り添うべきだろう。ただ、70歳になってなお娘から拒絶され、DVの加害者と告発される父の心境もまた、相当に苦しいはずだ。「誰一人置いてきぼりにしない」と力強く語る池田候補だが、父を「置いてきぼり」にしてはいないか。
選挙が終わった後に、親娘の関係に変化が起こることはあるのだろうか。
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