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安倍首相(左)と岡田民進党代表
衆院補選 自民が負けても衆参ダブル選が消えないワケ〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160420-00000246-sasahi-pol
週刊朝日 2016年4月29日号
「先週自民党が独自の世論調査で初めて(自民候補の)和田氏が、(野党の)池田氏に3ポイントほどリードを許す結果が出た。とたんに安倍総理は機嫌が悪くなり、『どうなっているんだ』と怒鳴っていた」(自民党幹部)
衆参同日選挙の首相判断に影響を与える衆院北海道5区の補選がスタート。投開票日は4月24日だが、与党候補の優勢がここにきて一変し、「野党統一候補」と逆転しかねない接戦なのだ。
町村信孝・前衆院議長の死去に伴う選挙。自民党は、町村氏の次女の夫、和田義明氏(44)=公明党、日本のこころを大切にする党推薦=を擁立。野党側は、無所属の池田真紀氏(43)=民進党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたち推薦=が立候補した。ともに新顔だ。
選挙区内に自衛隊の駐屯地があり、もともと自民党が強い土地柄。旧民主党と連携していた新党大地の鈴木宗男代表も、与党陣営に引き入れた。与党が「弔い戦」で圧勝、という風向きが変わったのはこの1カ月のこと。地元紙記者が言う。
「宮崎謙介・前衆院議員の不倫辞職や、補選の応援に入った大西英男・衆院議員の『巫女さんのくせに』という失言が効いた。甘利(明)さんの問題で強制捜査もあったし、TPPの黒塗り文書など悪いことが続きました」
和田氏は演説で町村氏の遺影を手にしながら、町村姓ではない理由を説明するわかりにくさ。「地元は、池田氏が共産党を含めて勝手連的な統一候補、反安倍で一気に盛り上がってきた。和田氏が元商社勤務で国際感覚と上から目線な演説もこちらにプラス。だが、池田氏は無所属候補なので政党のビラ、選挙カーが使えず、手応えが摑みにくい」(民進党幹部)
政治評論家の浅川博忠氏はこう言う。
「自民が補選で圧勝すれば衆参ダブル選になるが、競って勝つならダブルはないのではないか。解散の最終判断をする5月下旬には景気も怪しくなっているかもしれない。衆院の議席を減らすリスクもあるし、自民党内では衆院選は任期満了(2018年12月)近くになるとの見方が広がっています」
ただ、野党の中には、補選の勝敗にかかわらず、安倍晋三首相が衆参ダブル選に踏み切るのではないかとの警戒感が消えていない。民進党のベテラン秘書がこう話す。
「07年に持病で退陣した安倍首相にとって、憲法改正は悲願。薬で病気を押さえ込んでいるとはいえ、衆院解散のカードを1年、2年と先送りする余裕はない。解散に打って出る首相は迫力が違う。解散があるという前提で準備しています」
安倍首相は17日に北海道入りを予定していたが、熊本地震対応で急遽取りやめた。腹は決まっているのか。(本誌取材班)
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