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“甘利疑獄” 一色武氏が初めて明かす「URの秘密爆弾」
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「週刊文春」2016年4月21日号 :東京新報
眠れる獅子が目覚めたのか。東京地検特捜部がついに強制捜査に入った。甘利明氏が大臣室で多額の現金を受け取り、公設秘書が請託を受けてUR(都市再生機構)に補償金増額を働きかけた疑獄事件。実は、一連の交渉ではURの内部情報が甘利事務所に流れていた――。
小誌が甘利明・前経済再生担当相(66)の現金授受問題を報じてから、およそ二カ月半。ついに東京地検特捜部が強制捜査に乗り出した。四月八日夜、あっせん利得処罰法違反の疑いで、都市再生機構(UR)千葉業務部や、千葉県白井市の建設会社「薩摩興業」、同社の総務担当者だった一色武氏(62)の自宅などに家宅捜索に入ったのだ。
「関係先への捜査は異例なことに夜通し続き、URからは段ボール約三十箱分の資料を押収しました」(地検関係者)
容疑は、甘利氏の公設第一秘書を務めていた清島健一氏(39)が、一色氏から多額の現金やフィリピンパブ接待を受けて、URに対して、薩摩興業への補償金が増額されるよう働きかけたというものだ。
「被疑者である清島氏も、特捜部から事情聴取を受けて、一色氏から多額の現金を受け取っていたことは認めているようです。口利きのお礼として受け取った五百万円も『一色さんから好きに使っていいと言われた』と供述している」(社会部記者)
強制捜査に発展した“甘利疑獄”だが、実はこの事件には、特捜部が聴取を続けるもう一人の知られざるキーマンがいる。
一色氏が語る。
「補償交渉をめぐり、私に内部情報を教えてくれるURの幹部職員が二人いました。彼らが教えてくれたURの内部情報を基に、清島氏がURや国交省にプレッシャーをかけてくれていたのです。彼らのことはずっと黙っているつもりでしたが、事ここに至った以上はお話しすることにしました」
■四千万円増の陰に内部情報
幹部職員とは、千葉ニュータウン事業本部事業部工事チームのA氏と、首都圏ニュータウン本部千葉業務部業務推進チームのB氏。
「特に、道路工事の責任者だったA氏とは頻繁に会っていました。会う場所は、ファミレスや居酒屋、そして神奈川県平塚市内のフィリピンパブや多国籍クラブに七回ほど行きました。支払いは常に私で、一晩で十万円以上支払う日もあった。終電を過ぎることも多く、A氏が暮らす都内の自宅までのタクシー代三万円も支払っていました。フィリピンパブでは、『以前はこういう接待も問題なかった』という言い方もしていました。領収書やメモなど証拠が残っているだけでも、およそ百万円を二人の接待に使っています」(一色氏)
A氏は補償交渉の現場にも、深く関わっていた。
「私がA氏と初めて会ったのは、二〇一三年五月頃のことです。当時、道路建設をめぐる薩摩とURの補償交渉は難航していました。清島氏に『何とかしていただけないか』と相談したところ、『私が間に入りましょう』と言って、URに内容証明を送ることを提案してくれたのです」(同前)
その提案通り、薩摩興業は五月二十日、内容証明をUR側に送付。さらに六月七日、清島氏は甘利事務所のベテラン秘書のM氏をUR本社に向かわせた。すると約半月後、一色氏に「補償額のことで話し合いをしましょう」と連絡してきたのがA氏だった。
「A氏は『(URの)弁護士は闘おうと思えば闘えると言っているが、そんなバカなことをやっていたら、工事が進まない』と言っていました。裁判になれば時間と費用がかかる。A氏は責任者として、道路工事の停滞を懸念したのでしょう。私もA氏の言葉を聞き、URは補償金を支払うつもりだと感じました」(同前)
小誌既報の通り、当初は一億八千万円だった補償額は、交渉の場で二億円になり、最終的に二億二千万円まで増額された。一三年八月二十日、振り込まれた補償金の一部から、一色氏は五百万円を口利きのお礼として清島氏に手渡したのだった。
「その後も、A氏はたびたび内部情報を私に教えてくれました。薩摩の敷地内に埋まる産業廃棄物の撤去をめぐる補償交渉の最中には、『まだ(金額上積みの)余地がありますよ』と言ってくれたこともあった。こうした情報を清島氏に伝え、UR本社との交渉を有利に運ぼうとしていたのです」(同前)
A氏の情報で、甘利事務所が国交省に“プレッシャー”をかけていることがわかったこともあった。
「一五年三月頃、A氏から『一色さん、国交省を動かしているの?』と聞かれました。私は『特に何もしていないよ』とシラを切りましたが、実際には清島氏に働きかけてもらっていた。この頃、A氏は『国交省は“URがちゃんとやらないから”と言い出すのかな』と心配していました」(同前)
事実、国交省も一五年三月と七月、甘利氏の秘書から当時の局長が工事をめぐり、問い合わせを受けたことを公表している。
実は、URも甘利事務所が補償交渉に深く関与していることを承知していた。
昨年十一月十二日、URの千葉業務部で行なわれた交渉に、甘利事務所の鈴木陵允(りょうすけ)政策秘書(当時)が薩摩興業の“サトウ”という偽名を使って一色氏と同席していた。UR側は未(いま)だに「誰か分からない」という回答に終始している。
しかし、この日の交渉にUR側職員として同席したA氏は、鈴木氏がその場にいたことを知っていた。小誌が入手した録音テープによれば、四日後の十一月十六日、A氏は一色氏にこう感想を述べているのだ。
「ネットで(鈴木氏の画像を)調べて、(工事)チームのなかで『この人、さっきやり取りした人と似ている』という話になった。そもそも(秘書が)来ないよね、ああいうところ」
だが、現金授受や接待を重ねても進展しない補償交渉に、一色氏は甘利事務所に不信感を抱き始める。同じ頃、A氏は突如、金を返してきた。
「昨年十二月に八十万円、今年一月に十万円、計九十万円を返してきました。A氏が『要らない』というから、領収書は切っていません。最後に彼と話をしたのは二月中旬。『近いうちに行きます』と言われ、それっきりになっています」
四月十日、A氏を自宅近くで直撃した。
――一色氏から百万円近く接待を受けている。
「はい……。すべて工事を進めるためにやったことでした。そのために一色さんとお付き合いしていた。フィリピンパブには七回行きました。断れなかったんです。まずいなと思いましたが、一色さんが黙ってくれていると思って……。間違った選択をしてしまいました。ただ、このまま続けるのは良くないと思って、昨年十二月に八十万円、今年一月に十万円返しました」
――一色氏にUR内部の情報を流していたのか。
「工事を進めるために本音の話をしましょう、というつもりでした。『工事を進めれば、ひび割れも進行するので、その時にお金を払います』『(コンクリートが)全損になれば、一千万円単位になります』といった話はしました。ただ、想定の範囲内(の額)です」
――一億八千万円が二億二千万円になった経緯は。
「まだ概算額なので、ブレ幅があったんです。二億円くらいと考えていて、ブレ幅の下(一億八千万円)を言いました。(二億二千万円は)震災後、工賃などが高くなり、それも足し算した値。本当に急いで工事をやっていて、建物の一部を残したまま再配置をするなど複雑な動きをしているので、説明が難しいのですが……」
――接待を受けた事実はUR側に伝えていないのか。
「まだ報告していません。今(URに)手紙を書いているところです。クビになる覚悟はできています」
■甘利事務所は捜索しない特捜部
A氏の証言から浮かび上がるのは、URのズサンな調査だ。URは国会などで追及を受けても、ぬるい内部調査でお茶を濁し、「甘利事務所からの圧力はなかった」としている。
職員が一色氏から受けた接待についても、職員の一人が居酒屋で計七千〜八千円の飲食代を提供され、これとは別に、複数の職員がファミレスなどで四百円程度のドリンク代を六回、六百〜千円程度の食事代を五回、提供されたとしてきた。だが、一色氏、A氏の証言は、こうした調査結果と明らかに異なるのだ。
URに事実関係の確認を求めたが、締切までに回答はなかった。
特捜部の捜査は今後、どのように展開していくのか。焦点は、薩摩に支払われた二億二千万円の補償金と、清島氏ら甘利事務所からUR側に働きかけがあったかどうか、だという。
「一億八千万円からあっさり二億二千万円に増額された経緯が不可解です。特捜部は二月上旬からUR職員への聴取を重ねてきましたが、URは捜査に協力的とは言い難かった。これからは押収した資料を基に分析していくことになります」(前出・社会部記者)
告発者である一色氏への聴取は今も続いているという。一色氏はこう語る。
「特捜部の聴取には全面的に協力するつもりです。事件の全容を解明してほしいと思います」
前出の社会部記者が解説する。
「一色氏は領収書や音声データを提出し、大和事務所で甘利氏に説明した資料のことや産廃の存在を知った経緯、A氏との関係も詳しく聞かれているようです。
ただ、特捜幹部は腰が引けています。衆参ダブル選が噂される中、安倍政権からにらまれることを恐れている。今回の強制捜査も、甘利事務所や清島氏の自宅は家宅捜索されないという異例の形でした。四月二十四日の衆院補選後に、甘利事務所の強制捜査に踏み切るかどうかが注目されます」
強きを助け、弱きを挫くでは、秋霜烈日のバッジが泣く。
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