http://www.asyura2.com/16/senkyo204/msg/565.html
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原発は、始めるのは勢いとカネがあればそう難しくはないが、きちんと撤退するのは極めて難しい。
なぜなら、これまで曖昧なかたちで先延ばしにしてきた使用済み核燃料の最終処分や廃炉で出てくる高濃度放射性物質の処分を否応なく迫られることになるからである。
原発施設立地自治体や再処理施設がある六ヶ所村は、政府が原発をやめると表明したら、敷地内にある放射性物質を直ちに撤去するよう政府に求めるだろう。短期間なら、政府が“迷惑料”を支払うことで猶予して貰えるかもしれないが...
(使用済み核燃料は国内に1万7千トンほど存在し貯蔵能力の限界に近い。英国とフランスには再処理で抽出したプルトニウム合計で約23トン保管されている。英仏は、そのプルトニウムと再処理で出てきた高レベル核廃棄物の引き取りを求めている)
私は原発廃止派だが、首相であったなら、現状で「原発はもうやめる」と表明する“勇気”は持ち合わせていない。
米国政権の意向はともかく、高濃度放射性物質の処分に道筋が見えなければ、原発をやめるとは言えないと思うからである。
むろん、撤退の仕方を考えるのは政府の責任だから、国民が声を大にして原発はすぐにやめろ!と主張し続けることは正当でなんら問題はない。
逆に、声を上げなければ、政府は、ずるずる先延ばしにし、射性物質の処分方法を真剣には考えないだろう。
オバマ大統領の広島訪問もその一環だと思うが、IAEAの厳重な査察を受けているにもかかわらず、この間、兵器に転用できる核物質を日本から排除する動きが急である。
(オバマ氏の「核なき世界」とは特定の国々だけが核兵器を保有する世界のこと)
このような「核不拡散」の動きは、日本の原発政策の根幹に深く関わるものでもある。
理不尽でふざけた「核なき世界」政策だが、この流れを原発廃止に利用しない手はない。
プルトニウムや高濃度ウランを運び出しているくらいだから、日本が構想してきた核燃料の再処理(プルトニウムの取り出し)や「もんじゅ」(高速増殖炉:プルトニウムの拡大再生産)といった核政策を断念するほかないというのが当然の見通しなのである。
日本が生み出した核廃棄物は日本が責任をもって処分するというのが国際法の理念である。しかし、火山・地震列島の日本で、使用済み核燃料など高濃度放射性物質が納められている容器を10万年というレンジで“安全”に保管できる場所を確保するのは困難だと思う。
ロシアは、福島第1原発の事故以降、日本にある高濃度放射性物質の受け容れを表明してきた。
米国はいい顔をしないだろうが、核兵器保有を“公認”されているロシアに最終処分を委ねる他ないと思っている。
北方領土問題については、北海道に付属する歯舞諸島と色丹島は返還させなければならないが、千島列島を構成する国後島と択捉島は、元島民家族の自由往来など歴史的ないきさつと漁業権にロシアが配慮を示してくれるならロシア領で仕方がないと個人的には思っている。
ただ、領土問題は、国民感情を揺さぶる極めてセンシティブな政治テーマであり、平和条約を締結するために国後島と択捉島を諦めるという話になれば安倍政権は崩壊する(そのほうがいいと思っている読者は多いと思うが)からできない。
長年にわたって日本固有の領土と訴えてきた国後島と択捉島を諦めるネタとして、本来ならば自国で責任をもって処分しなければならない高濃度放射性物質をロシアが受け容れてくれると説明するのは悪くない話に思える。
※関連参照投稿
「脱原発依存派の安倍首相が脱原発を政策化できないワケの一つは宗主国米国の原発継続要求」
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/616.html
「原発の安全、立場の違い浮き彫り 高浜再稼働差し止め:司法を使って脱原発の動きを見せた安倍政権」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/249.html
「福島第一原発の悲劇は原子力発電に終止符を打たなかった:やめると言えない訳は高濃度放射性物質処理問題と米国の存続指示」
http://www.asyura2.com/16/senkyo202/msg/669.html
「脱原発派の安倍首相が脱原発を宣言できないワケ:細川氏への期待は安倍首相の“脱原発依存”意識サポート」
http://www.asyura2.com/14/senkyo161/msg/191.html
「首相「簡単に原発やめると言えない」:内実は菅政権と基本的に同じ政策:原発依存度を可能な限り低減:新設増設もしない」
http://www.asyura2.com/14/senkyo164/msg/141.html
「原発差し止め今度は認めず 司法が揺らすエネ政策:大都市圏周辺は不稼働、人口疎の地方で一部再稼働というのが政府方針らしい」
http://www.asyura2.com/16/senkyo204/msg/127.html
「司法が止めた原発:「原発メルトダウン危機の88時間」のようなインチキ総括しかできないデタラメ状況で再稼働停止は当然」
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/345.html
「ケリー米国務長官らG7の外務担当責任者 非核世界をめざし広島へ しかしその結果は?:超覇権国家米国のタガが外れる将来」
http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/331.html
「日本、米国に核爆弾50発分のプルトニウムを返却」
http://www.asyura2.com/16/warb17/msg/351.html
「米、日中の核再処理政策に懸念:再処理事業からの撤退を要望、「もんじゅ」や六ヶ所村施設が消え去る話」
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/354.html
「岐路に立つ核燃料サイク:日米協定延長手続き:余剰プルトニウム 問題」
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/386.html
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日ロ首脳、ソチで来月6日会談
訪ロ後に平和条約交渉
岸田文雄外相は15日、ロシアのラブロフ外相と都内の飯倉公館で会談した。安倍晋三首相が5月にロシアを訪れ、プーチン大統領と会談する準備を進めると確認。6日に南部のソチで実施する方向だ。外相間では首脳会談後に北方領土問題を含む事務レベルの平和条約締結交渉を速やかに開くことで合意。日本側は首脳対話で領土問題の前進をめざすが、溝は深い。
「今後の交渉に弾みを与えるような前向きな議論をした」。岸田外相は会談後の共同記者会見で、領土問題に前向きな兆候があったことをにじませた。2年半ぶりに来日したラブロフ氏も「あらゆる環境の中で対話を継続する用意がある」と踏み込んだ。
外相会談は昨年9月と比べ、融和的なムードが漂った。前回は岸田氏が会見で「領土問題で突っ込んだ議論をした」と述べると、隣のラブロフ氏は「ロシア側は北方領土を議論していない」と反論した。今回、日本側は「極めて友好的な雰囲気の中で、実質的で中身の濃い議論が行われた」と説明。ラブロフ氏は岸田氏の訪ロも促した。
岸田氏は会談で「静かな交渉環境を維持するため、互いに配慮し相手の国民感情を傷つける言動を控えるべきだ」と働きかけ、ラブロフ氏も「そうすべきだ」と応じた。
安倍首相はプーチン大統領との対話を重ねて個人的な信頼関係を深め、停滞する北方領土交渉を進展させる糸口をつかみたい考え。首相の訪ロに続くプーチン氏の年内の来日も、岸田氏は「準備を引き続き行っていきたい」と強調した。
ウクライナ問題を巡るロシアと米欧の対立の中で、外相会談では接近ぶりが改めて際立った。プーチン氏は14日「米国などパートナーの圧力にもかかわらず日本の友人は(ロシアとの)関係の維持に努めている」と日本側の対応を高く評価。ラブロフ氏は会談でこの発言を何度も引用した。
ロシア側の期待も高い。両外相はウクライナ東部の停戦合意履行の重要性を確認したが、ラブロフ氏は日米欧による経済制裁を念頭に「不自然な障壁を排除しなければならない」と強調。主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)議長国を務める日本に制裁緩和の流れを主導してもらいたい思惑がにじむ。
2国間の協力についてもラブロフ氏は共同記者会見で「(会談では)経済分野の協力に特に注意を払った」と力説した。安保分野では次官級協議も6月メドに開く。極東や中央アジアで勢力を伸ばす中国に対するけん制の狙いがある。
ただ、領土問題の進展につながるかはロシア次第だ。ラブロフ氏は会見で「第2次世界大戦の結果を(日本側が)確認しなければならないというアプローチは変わらない」と強調。平和条約締結後に旧ソ連が歯舞群島と色丹島を引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言の内容を重視する構えを訴えた。
日本は択捉、国後両島を含む4島の帰属問題を解決して平和条約を締結するのが基本方針で、岸田氏も「歴史的、法的な立場に全く変わりはない」と強調した。首脳会談でのプーチン氏の対応が焦点となる。
[日経新聞4月16日朝刊P.4]
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