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【明治公園野宿者に対する強制排除問題】JSC(日本スポーツ振興センター)に対する質問書と回答書
http://www.taro-yamamoto.jp/daily-activities/5791
2016年04月12日 活動報告 参議院議員 山本太郎
明治公園の野宿者に対する強制排除に向けた強い圧力が、いまだ続いている。
オリンピック開催が決まって以降、明治公園に暮らす人々に対する人権無視とも言える行為が続く事に関して、スポーツ庁に再度質問書を4月7日に提出しましたが、その回答が4月11日に返ってきたので質問書と共にアップします。
⇒JSC(日本スポーツ振興センター)に対する質問書
http://www.taro-yamamoto.jp/wp-content/uploads/2016/04/5a3a4e4a0dd837608b8b150025fa08cb.pdf
JSC(日本スポーツ振興センター)に対する質問書
参議院議員 山本太郎
都立明治公園では数十年に渡りテントや小屋などによって多くの人が暮らしてきた。
2020東京オリンピック・パラリンピックが決定した2013年9月以降、明治公園に
暮らす野宿住人(以下野宿住人)は、独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下JS
C)と東京都により新国立競技場関連工事を理由にした立ち退きに向けての強い圧力を受
けている。10数名の野宿住人(2013年当時)の半数は、やむなく渋谷区や新宿区の
福祉課から生活保護を受けたり、近傍路上に移転した。生活保護を受けたが保護環境と不
適応をおこし、再び路上で暮らしている人もいる。
このような状況の中で、この問題に強い関心を有する人たちで「国立競技場周辺で暮らす
野宿生活者を応援する有志」(以下応援する有志)がつくられ、野宿住人とともにJSCと
7回(2014年7月〜2015年6月)の団体交渉を持ってきた。その中で、以下3つ
の約束をJSCと確認してきた。
1、野宿者が居住している間はその生活に影響のある工事は行わない
2、野宿者の強制排除は行わない
3、野宿住人および応援する有志との話し合いで解決する
また、野宿住人は2014年10月、2015年1月、東京都建設局公園緑地部の提示を
受け入れ、関連工事の影響がない明治公園(四季の庭)の代替場所に移転をしたという事
実がある。
しかし、2015年7月の国立競技場建設計画白紙撤回以来、JSCは野宿住人・応援す
る有志との話し合いの場を持とうとしていない。2015年9月17日、東京都建設局公
園緑地部は「テント等すべての物件について公園外に除去すること」という指示書を公告
した。2016年1月27日、JSCは計150名職員・警察官・警備員を動員し、野宿
住人および応援する有志に対し公園外へ退去を促し、公園出入り口の封鎖し、ライフライ
ンである水道・トイレの廃止を行おうとした。これらの事実確認を文書によって応援する
有志が行っているが、JSCは回答していない。また、同日に都立明治公園の大部分は廃
止された上で、東京都建設局から東京都オリンピックパラリンピック準備局に移管され、
JSCに貸与された。
3月14日、JSCは旧明治公園内に暮らす野宿住人の内の3名に対して、土地明け渡し
の仮処分を東京地裁に申し立てた。
以下、質問する。
@ JSCは仮処分命令申し立ての理由(保全の必要性)として「本件土地を工事可能な状
態にして施工業者に引き渡さなければ、2020東京オリ・パラ大会の開催自体が危ぶ
まれる状況にあること」を挙げている。一方、国際オリンピック委員会などが作成した
オリンピックムーブメンツアジェンダ21は「社会の極貧層が恩恵を受けられるよう考
慮されなければならない」としている。2020東京オリ・パラ大会開催のために野宿
者に強制的な追い出しを求める今回の仮処分命令申し立てが、アジェンダ21をはじめ、
オリンピック憲章、国際人権規約11条1項、社会権規約委員会(1991)一般的意
見4や国内法に抵触することをJSCはどのように考えているのか?
A 野宿住人および応援する有志に対する過去2年間にわたり明言してきた3つの約束に
ついて、JSCは現在どのように考えているのか?
B 野宿住人が生活していることを知りながら、JSCが本年1月27日に行った公園の出
入り口封鎖についての法的根拠を示してほしい。
C JSCは本年1月27日公園封鎖から3月14日付けの仮処分命令申し立てに至る現
在まで、強制的な退去を求めてきた。退去後の野宿住人の居住地や生活について、野宿
住人および応援する有志と話し合いを行ったのか?
(なお、本年2月17日に野宿住人および応援する有志とJSCの間で行われた1月2
7日についてのやりとりは、JSC側が30分ほどで一方的に退去命令を読み上げて打
ち切るもので、話し合いとは言えないものであった、と聞いている)
D 野宿者は、生業(アルミ缶収集など)・近隣の野宿者や住民との付き合い・近場の炊き
出しなどを通じて、地域の中で生活を築いている。生活保護や自立支援センターなど行
政が用意する施策はいずれも不十分であり、また、現在築いているつながりを壊すもの
である。JSCは、生活保護や自立支援センターなどの施策を望まない野宿者に対して、
どのように対応するつもりなのか?
E 申し立て書に対する答弁書や準備書面の中で、野宿住人および応援する有志が話し合い
を求めていること、合理的な代替地の提案などが行われれば検討する準備があること、
が述べられている。また、野宿者と行政機関・私企業の間で住まいに関する紛争を話し
合いに基づき解決してきた事例は数多く存在する。JSCは、なぜ野宿住人および応援
する有志との話し合いを行わないのか?また、所有者である東京都と協議をし、合理的
な代替地などの提案を行うつもりはないのか?
F 2016年3月8日に、野宿住人のテントに向けてセコム製の赤外線監視カメラが2台
設置された(他に、出入り口に1台設置)。これらで撮影された映像は仮処分命令申立
書の疎明資料甲第36号証でJSCによって使用されている。また、抗議にもかかわら
ず、4月7日には違う角度からテントに向けた赤外線監視カメラが取り付けられた。こ
れらのカメラ映像の設置責任者と利用目的を明らかにせよ。また、住居に向けて望まな
い監視カメラを設置するのは人権侵害も疑われるが、JSCはどのように考えているの
か?
G オリンピック憲章の中の、「オリンピズムの根本原則」には、「人間の尊厳保持」「人種、
宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオ
リンピック・ムーブメントに属する事とは相容れない」「オリンピック・ムーブメント
に属するためには、オリンピック憲章の遵守及びIOCの承認が必要である」と明記さ
れている。東京オリンピック・パラリンピックについては、「人間の尊厳保持」「差別の
禁止」に反することは、絶対にあってはならない。安倍総理も、辺野古基地建設につい
て、和解をした。JSCは、和解・話し合いに応ずる気は全くないのか。
以上
⇒JSCよりの回答書
http://www.taro-yamamoto.jp/wp-content/uploads/2016/04/7137e6ae60f13641d883fba4e3e002d8.pdf
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