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2016年04月11日 「ジャーナリスト同盟」通信
<99%の戦い>
天罰が下る場面はあるらしい、遂に日本の脱税グループが発覚した。例の「パナマ文書」に400の個人・法人(企業)の存在が明らかになった。「全てが違法行為ではない」などと蓋をかける情報も飛び交い始めている。これこそが脱税資金そのものであることを、立派に裏付けている。99%による1%の戦いのゴングが鳴った。
<国税庁の責任と義務>
日本の財政は破綻している。毎年借金でやりくりしているが、その借金は赤ん坊からお年寄りの全ての国民が負担している。国民を絶望の淵へと追い込んでいる。
それでも、国税庁は税金として絞り出している。金のない人たちから、わずかな年金生活者からも、かき集めている。
それでいて1%に対しては、おおらかそのもので、タックス・ヘイブンに対して事実上、黙認してきたのだが、今度ばかりはそうもいかなくなった。脱税グループの実態、400の個人・法人が判明したからだ。
国税庁は主権者に付与された権限として、これを徹底的に暴いて、脱税資金に課税する義務がある。いい加減な対応は許されない。官邸のブレーキに屈すると、罷免の対象官庁となろう。
<新聞テレビを牛耳る電通もやり玉>
日本の新聞テレビは、立派な日本国憲法によって言論の自由が保障されている。しかし、金がないと正論を貫くことが出来ない。その金を巨大広告会社の電通に握られて、この3年の間、ナベツネ化が進行して、国民も野党も四苦八苦している。
政権交代が何度も起きて不思議のないような悪政が、次々と強行されてきている。それに対抗できない新聞テレビも、要するに天敵である電通にコントロールされてしまっているからなのだ。
ズバリ戦前の大政翼賛会が、再びマスコミにまで及んでしまっている。その本家本元である、電通の巨額脱税資金の存在が明らかになった政治的意義は計り知れないほど大きい。
<「アカハタ」の出番か>
ネットを開いてみると、この脱税秘密口座について、しんぶん「アカハタ」が活躍していることが判明した。日本共産党の機関紙である。
たとえ朝日新聞が権力に屈したとしても、ここなら大丈夫だろう。筆者が現役時代には、前身の「赤旗」が大活躍する場面がよくあった。彼らの記者とは、よく自民党議員の事務所やパーティーで出くわしたものである。
「アカハタ」に対して電通の圧力は届かない。ここが紙面提供するであろう。それにしても電通の巨額脱税額はどれくらいなのか。
<年金・医療・福祉充実>
夫婦で学校の教師をしていた家庭の年金は、月に70万とか80万という途方もない金額が支払われてきた。公務員の年金は高額である。
財閥企業もそれに準じるが、中小企業や国民年金の多くの庶民は、筆者を含めて雀の涙である。多くの老人が泣いている。毎年、年金は低下しているのだから、庶民の怒りがこみあげて当然だろう。
400の脱税資金を徹底的に洗えば、年金・医療・福祉の充実は間違いないかもしれない。
<消費税を5%以下に>
海外の日本ファンの悩みの種は、放射能と物価高である。物価高は食料品だけでなく、交通費がべらぼうに高い。通信費も、である。これが住みにくい日本を象徴している。
物価高の元凶は消費税8%だ。野田内閣の大嘘に激怒した国民は、民主党政権を打倒したが、8%はそのままだ。来年は10%にするという。
冗談ではない。5%に下げるべきだ。ゼロ%にしてもいい。400の巨額脱税資金を暴くことが出来れば、それも余裕をもって可能となろう。これに異論のある国民はいない。
<駐韓パナマ大使は調査に積極協力>
韓国・聯合ニュースは4月9日、駐韓パナマ大使が、韓国人の脱税事件の調査に関連して「積極的に協力する」との意向を明らかにしたと報じた。
世界を揺るがす1%脱税事件にパナマ政府も驚愕、各国に全面的に協力する姿勢を見せている。日本政府が駐日パナマ大使に要請すれば、二つ返事で協力してくれるだろう。
パナマに手足のない国税庁は、東京のパナマ大使館と接触しているだろう。「アカハタ」や日刊ゲンダイも同大使館に押しかけていることだろうと推測したい。
<積極的な仏大統領>
フランスのオランド大統領は、事件が表面化すると、直ちにパナマ大統領に電話した。近く双方の財務相が会談することが決まった。
財政悪化に悩むフランスの現状に合わせた対応である。これが国際的な会合の中心議題へと格上げされることを意味する。
日本の脱税組は心穏やかではない。
<14日の20か国財務相・中銀総裁会議の主要議題>
ワシントンで14日から開催される20の国・地域の財務相と中央銀行総裁会議の会議では、このパナマ文書が主要議題になることが確定した。
「参加者の中にも秘密口座を持っている者がいるかもしれない」という憶測も流れている。当事者の発言もチェックの対象となろう。
<広島のG7外相会談、OECDも緊急会合>
広島で開催中のG7外相会談でも、パナマ文書は議題となるだろう。岸田外相の力量が問われよう。対応次第では、日本政府のこの重大事件に対する姿勢が判明することになろう。それ次第では、国民の怒りが爆発するかもしれない。
先進経済国で構成するOECDも緊急会合を開く。
世界が1%に牛耳られているか、それとも99%が1%を打倒する機会にすることが出来るのか。7月の選挙にも影響を与えることになろう。改めて、日本の新聞テレビにとっての、格好の踏み絵ともなる。
2016年4月11日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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