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すべてが元の木阿弥となった アホノミクスの恐ろしい今後
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178862
2016年4月6日 日刊ゲンダイ 文字起こし
5日の駐日アラブ外交団主催のアラブ・ウィーク・レセプションに出席した安倍首相(C)日刊ゲンダイ
「飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」
昨年6月に都内で開かれた国際会議。童話ピーターパンのセリフを引用して日銀の金融政策を説いたのは黒田東彦総裁だったが、もはや「アベノミクス」で「飛べる」と信じている国民は皆無だろう。最近の経済指標を見れば一目瞭然だ。
5日の東京株式市場。日経平均株価は前日比390円45銭安の1万5732円82銭と、3月29日から6営業日続落、新年度に入ってから約1025円も下落した。一方、円相場は一時、約1年5カ月ぶりの円高水準となる1ドル=109円台まで上昇し、日銀が追加金融緩和を決めた2014年10月31日当時の水準にまで戻ってしまった。
1日に発表された3月の日銀短観の数値もシビレる。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は製造業を中心に大きく悪化。大企業製造業は昨年12月の前回調査を6ポイントも下回り、「アベノミクス」が始まった直後の2013年6月の水準まで下落した。要するに今、あらゆる指標が「アベノミクス」開始以前に向かって逆回転を始めたワケだ。
もともと「アベノミクス」は中身がカラッポの金融マジック。黒田日銀は「サプライズ」と言って、「追加緩和」や「マイナス金利導入」を唐突にブチ上げ、市場に与えるインパクトで「円安・株高」を演出してきた。いわばハリボテのバブル現象だから、バケの皮が剥がれるのも早い。なるほど、海外投資家が3月4週まで12週連続で売り越しているのも、その証左だ。黒田総裁自身が認めていたように、しょせんはピーターパンの幻想だったのだ。
■為替相場は1ドル85円台に戻る
経済評論家の斎藤満氏は「アベノミクスの発想そのものが間違っていた」と言い、こう続ける。
「この3年間、日銀はマネーをジャブジャブにしてきましたが、結局、銀行の資金が回り回って日銀の金庫にブタ積みされてきただけです。本来は投資や貸し出しに回るはずのカネが、そのまま金庫に眠っているのだから、誰が考えても経済が良くなるはずがない。バブルがはじけるのは時間の問題だった。アベノミクス相場が始まった時、真っ先に動いたのは海外の投資家で、それが今、『店じまい』に動き始めている。今年になって売り越しが続いているのも、“見切り”をつけたからです」
「アベノミクス」の最大の誤算は円安でも輸出が増えなかったことだ。財務省が発表した2月の貿易統計によると、輸出額は前年同月比4%減と5カ月連続で減少。日銀が公表した海外での製商品需給判断DIもマイナス11で、前回から2ポイント悪化している。新興国や中国、欧州の経済が低迷していることに加え、日本企業はとっくに海外生産にシフトしているから、簡単に輸出が増えないのも当然だ。
安倍首相はしきりに「企業収益が過去最高」と威張っているが結局、大企業は円安による為替差益で儲けただけ。ということは、いったん「円高」に振れ始めたら、たちまちアウト。大企業の想定為替レート(16年度)は1ドル=117・46円だから、今の相場で一企業当たり数百億〜数千億円規模の損失が出ている計算だ。
「冷静に見れば、為替相場は1ドル=90円ぐらいが妥当です。それがアレヨアレヨと125円まで円安が進んだ。今の円相場は、そんな行き過ぎた分を修正しているということです。こういう状況を狙って海外のヘッジファンドが空売りでも仕掛けてきたら、一気にアベノミクス以前の為替相場に戻る可能性もあります」(斎藤満氏=前出)
第2次安倍内閣が誕生した2012年12月の日経平均株価は1万230円36銭。円相場は1ドル=85円35銭だった。最悪の場合、この水準に戻るということだ。
1ドル=85円台なんて事態になれば、中小企業だけじゃなく、大企業もメタメタ。そんな恐ろしい状況が今、始まりつつあるのだ。
税調戦略何もなし。バラマキのオンパレード
バケツの底が抜けた(黒田日銀総裁)/(C)日刊ゲンダイ
「アホノミクス」の失敗は歴然で、だからなのか、安倍政権は火消しの“目くらまし作戦”に躍起だ。
安倍首相が5日の閣議で指示した、16年度予算の前倒し執行なんて典型だろう。
公共事業などの事業費12兆1000億円のうち、9月末までに8割程度の契約を目指すというが、前倒し執行はリーマン・ショック後の09年度当初予算で当時の麻生内閣が掲げて以来だ。くしくもリーマン後と同水準の危機が迫っていることを安倍政権が認めたようなものだが、ドサクサに紛れてハチャメチャの経済対策を画策中だから呆れてしまう。
4日に開かれた政府の経済財政諮問会議(議長・安倍首相)で示されたのはバラマキメニューのオンパレード。個人消費の喚起として「子育て支援バウチャー(クーポン券)」「プレミアム付き商品券や旅行券」の発行、米国などで行われている年末商戦「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」の日本版の大型セールの実施……。さらに16年度予算が3月29日に成立したばかりにもかかわらず、7月の参院選前に10兆円規模の補正予算を組む――なんて声も出ている。
「前倒しなんて言っているが、建設現場は今も人手不足です。どうやって前倒しできるというのでしょうか。まったく効果は期待できません」(斎藤満氏=前出)
末期の麻生政権も「定額給付金」をバラまいたが、要するに「成長戦略」なんて何もない。やれ「アベノミクス」だの「強い経済を取り戻す」と格好つけても結局、バラマキ商品券に戻るなら、この3年間は一体、何だったのか。埼玉大名誉教授で経済学博士の鎌倉孝夫氏はこう言った。
「商品券なんて愚の骨頂です。しかも、政府・与党は『公共事業』と言っているが、公共投資というのは社会全体の生産性向上や、国民の生活に結びつくものを言う。しかし、彼らがやっていることは特定の大企業に対するバラマキに過ぎません。しかも、その企業から献金を受けているのだから、バカにしている。経済が良くなるはずがありません」
■異次元緩和のツケは国民に
「アホノミクス」の失敗で“死に体”の安倍政権が早晩、消費税の10%引き上げをめぐって行き詰まるのも目に見えている。増税してもしなくても、絶望的な状況は避けられないからだ。その時、最も被害を受けるのは国民である。
「増税先送りなら真っ先に影響を受けるのは、社会保障でしょう。ただでさえ、安倍政権は社会保障費をどんどん削減してきた。ざっと挙げても、『冬季加算の削減』、『老齢・障害・遺族年金の給付引き下げ』、年金給付額を物価・賃金の伸びより低く抑える『マクロ経済スライドの導入』などキリがありません。軽減税率の導入で、低所得者の医療や介護分野に自己負担総額の上限を設ける『総合合算制度』の新設も消えました。消費税増税を再延期したら、社会保障を削ってくるのは明らかです。といって、増税すれば、今以上に庶民は負担を強いられ、生活は立ち行かなくなるでしょう」(鎌倉孝夫氏=前出)
最悪なのは、いずれ「異次元緩和」のツケを国民が払わされることだ。「円安・株高」演出のため、なりふり構わず国債を買い続けた結果、日銀の保有残高はこの3年間で3倍近い約353兆円に達し、国債発行額全体の実に3割を占める。もし、現在のペースで買うのをやめれば買い手が減り、国債価格は暴落。日銀が保有している国債も大損だ。そうなったら、中央銀行としての信用は完全に失墜する。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を通じてせっせと投じてきた国民の虎の子の年金資産だってパーだ。
このままだと財政は破綻し、国家も破綻する。もはや一刻の猶予もない。早く政権の座から引きずり降ろさないと国民は破滅に向かう。
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