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対北朝鮮政策を考える、 経済的制裁で独裁政権が倒れることはありません。逆に皮肉なことに政権を強くしますー(孫崎享氏)
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5th Apr 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
経済的制裁で独裁政権が倒れることはありません。逆に皮肉なことに政権を強くします。
金正恩体制は冒険主義的政策をとっています。
国際社会の意志に反して、核兵器の開発を行い、ミサイル開発を行っています。
これに対して国際社会は制裁措置を課し、貿易を制限しています。
制裁を行えば、北朝鮮の経済は弱ります。それは事実です。
経済が弱れば、人々の生活は困窮します。それも事実です。
民衆の不満が高まります。それも事実です。
ではそれが政権を倒す血からになるでしょうか。
民主主義国家で政権を選択する国であればそれは起こるでしょう。しかし、全体主義的国家では逆です。
食べる者を確保することすら、政権への忠誠度が影響します。
第2次大戦直前、第二次開戦中、日本の経済は極度に困窮しました。
この時、作家や画家の選択はどうだったでしょうか。
画家は政権礼賛、戦争礼賛しなければ画材が手に入りませんでした。
絵を続けるには、政権礼賛、戦争礼賛が不可欠でした。
作家も原稿用紙の入手には、政権礼賛、戦争礼賛が必要でした。
生活が困窮すれば、何でもない物資の調達にも忠誠心が左右するのです。
私はイラン・イラク戦争の時、イラクの首都バグダードで葯3年過ごしました。
月二回イランからミサイルが飛来しました。当然一日も早い戦争の終結を望みました。
そして考えてみると、戦争を継続する勢力は圧倒的に大きいのに、止める勢力がないことに愕然としました。
米国、フランス、英国、ソ連は武器輸出で潤います。
サウジなどの周辺国は、イラン、イラクが戦争を続ければ彼らの脅威は自分達にこないと、
戦争が継続できるように、イラクに戦費を供出しました。
問題はイラク、イランの事情です。
イランは戦争開始1980年の直前、1979年にイスラム革命が起こりました。
イラクのサダムフセインが大統領として権力を握ったのは1979年7月17日です。
イランのイスラム体制も、イラクのサダム体制も政権発足直後で極めて不安定だったのです。
しかし、イラン・イラク戦争で、政敵を戦争遂行に害を与える人物という事で次々粛清していきました。
戦争で徹底して政権がつぶれるという状況でなければ、戦争継続すら政権に有利なのです。
北朝鮮を見ればまさにそうです。
西側諸国の制裁が強まれば強まるほど、生活を維持するために政権支持を表明しなければなりません。
そして、政治的に反対する者は反逆罪として処刑することがいとも簡単です。
それが今北朝鮮に起こっていることでないでしょうか。
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