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　臆見だが、日本政府の考える＜緊急事態条項＞は恐らく隣国・韓国の
＜大統領緊急措置（第一号）＞を資料としたものだと私は考えている。
大統領緊急措置とは、維新体制というConstitutional Coup―――憲法ク・デタで
朴大統領（当時）が発令した超法規命令であることは識っておられるものとおもう。
だがその内容を識る日本人はそうはいまい。それが朴政権の強権的執政とその時代
―――を表徴する用語、これのみで終わる。
どのような命令内容かは以下に記す。

１　大韓民国憲法を否定し、これに反対し、これを歪曲し
　且つ誹謗する一切の行為を禁止する

２　大韓民国憲法を改定し、または廃止する
　あらゆる主張、発案、請願の一切の行為を禁止する

３　流言蛮語を捏造し、また流布する一切の行為を禁止する

４　第１、第３で命令された行為の勧誘、煽動、宣伝、放送、報道、出版、
　また他の方法でこれらの行為を報知する一切の言動を禁止する

５　以上の措置に違反した個人、及び本措置を誹謗中傷した個人は、
　裁判所の令状なく逮捕、拘束、押収、捜査を受け、15年以下の懲役に処する他、
　その公民権を15年以下に停止することができるものとする

６　本措置に違反した個人、また本措置を誹謗中傷した個人は、
　非常事態軍法会議において審判され、処刑されるものとする

　この６項目が大統領緊急措置第一号の全容である。

　日本政府がその自国存立が脅かされる事態に発動する＜緊急事態条項＞には、
外的侵略のみならず、国内の治安騒擾も含めて考案されているのは自明なことだろう。
ここから先の議論とその賛否については日本国内のそれに譲るとして、
私摘するのは次のことだ。

　第１は緊急措置で述べられている、大韓民国憲法とはなにかという意味だ。
これを日本に置換するなら、日本国憲法であるのかそれとも改憲憲法であるのか
―――ということだ。
つまり日本政府の考案する緊急事態条項というのは、
改憲憲法によってその効力は生じるが、日本国憲法では生じない。
軍事ク・デタでない限り、法の束縛を受けなければならないからだ。
恐らくその考案には、改憲憲法を再改憲させない意思というものが組み込まれているだろうし、
そのために緊急事態条項は必要だという見立てがあるのだと私は理解している。

　歴史と現代は次の段階に進むまで、uncertain passageを伴う。
近道が遠回りであったり、遠回りが近道であったり、
遠回りは遠回りを、近道は近道を経巡る。
これらは後世の人々がどのように、
その時点時点での状態及び考え方によって変化するものであるだろうけれども、
日本が目前に迎える―――憲法改訂という問題は、以上の意思を含むものであり、
それが日本とその人びとが経巡らなければならない辻の一つであるのか、
それとも辻ではないのか―――そのいまの日本とその人びとが判断するのか、
択ぶものなのかを私たちは注視している。

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DULLES N. MANPYO@iDulles
共和党上院インナーサークル委員・政治科学アカデミー会員・企業・団体役員
Santa Monica, Lake Hollywood, Beverly Hills, West Los Angeles,
Mid-Wilshire, Lake Tahoe