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自民党衆院議員村上誠一郎(撮影/工藤隆太郎)
自民・村上誠一郎衆院議員「自民党がおかしいのは野党も責任」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160401-00000000-sasahi-pol
週刊朝日 2016年4月8日号
民主党と維新の党が新党「民進党」を結党した。「迫力不足」とコケにするのは簡単だが、頼れる野党の不在が続けば、日本はまるで一党独裁国家。自民党衆院議員の村上誠一郎氏は、与党も野党もたるんでいると危惧する。
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私は自民党結党60年のうち30年間、衆議院議員を続けています。こんな緩みきった自民党は初めてです。
若手議員は異常なスキャンダルが止まらないし、大臣は失言や失態が続き、質問にまともに答えられない人もいます。昔なら国会が何日も止まり、内閣が倒れているところです。
自民党がおかしくなってしまったのは、野党にも責任の一端があります。民主党は原発事故の対応などで政権運営に失敗し続け、国民から忌避されてしまいました。それが今も続いているために、自民党がおかしなことをしても支持率が落ちない。それは自民党への消極的支持であって、実体のない支持率。政治の状況としては実に危険です。
しっかりした野党がいないと国会での議論も深まらず、特定秘密保護法のような重要法案が大した議論もなく通ってしまいます。このような丁寧でない政権運営では、自民党はいつか高転びをします。
野党も、社会党の時代は今より戦い方を知っていた。牛歩戦術や審議ストップ、証人喚問など、あらゆるテクニックを駆使してきた。議員もそれぞれの分野のスペシャリストがいて、もっと的確な質問をしていた。
今の議員は原発事故にしても集団的自衛権にしても報道レベルの内容しか調べず、質問に鋭さと深みがない。あまりにも勉強不足です。例えば、「マイナス金利」など奇策ばかりの経済政策で財政と金融が傷み続けている現状を野党はもっと追及すべきでしょう。なぜやらないのか。
もっとも、財政・金融政策については与党も同じで、党内がイエスマンばかりになり、かつてのような党内での侃々諤々(かんかんがくがく)の議論がなくなってしまった。国会審議が大した議論もなく終わっては、国民には何が事実でどこが問題点かが伝わらない。これは民主主義の危機です。与野党問わず、襟を正す必要があります。
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