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民進・岡田代表「参院選、与党3分の2獲得阻止は最低限」[日経新聞]
2016/3/31 0:30
民進党の岡田克也代表は30日の日本経済新聞のインタビューで、夏の参院選について「与党3分の2の阻止は最低限だ」と語り、改憲勢力が憲法改正に必要な3分の2以上の議席を獲得するのを阻止する考えを強調した。衆参同日選が行われる場合は「政権を争う選挙にする」と表明した。主なやり取りは以下の通り。
――参院選に向け、政策面では格差是正を争点にしようとしています。経済成長を重んじるアベノミクスに対し、何を最重要視しますか。
我々は経済成長は重要だと考えている。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の3本目の矢である、生産性を高めて成長するための構造改革や企業の設備投資を促すものはやらないといけない。むしろ安倍政権のもとでそれが十分になされていないのが最大の問題だ。1、2本目の矢は我々とかなり考え方が違うが、3本目の矢は労働規制など個々の中身は違うものの大きな方向性は一緒。そのうえで政治がやるべき話としては、再分配、格差の是正だ。格差を是正することがまた成長にもつながる。
――参院選公約に明示すると。
もちろんだ。
――民進党としての成長戦略を参院選に向けて打ち出しますか。
いま言ったのが我々の成長戦略だ。第3の矢が不十分だということと、もう一つは経済全体の果実。果実というと増分だけみたいなイメージがあるが、全体の経済のなかで再分配をしっかりすることが大事だ。再分配というときに、我々が重視するのが人への投資だ。
――政府は最近、同一労働同一賃金や所得の低い高齢者への1人3万円の臨時給付金など、やや分配にも目配りする方向にアベノミクスを修正しています。
同一労働同一賃金とか、最近安倍さんの口から多様性という言葉が漏れて、私は最も首相にふさわしくない言葉だと思ってびっくりしたが、言葉でかぶせてきている。「一億総活躍社会」も「すべての人に居場所と出番を、そして誰も排除しない」という民進党の基本的な考え方にかぶせてきている。ただ、問題は中身だ。例えば国内総生産(GDP)600兆円の目標。そのために介護離職ゼロ、仕事と家庭の両立と言っている。私には600兆円というのは手段でしかないとしか思えない。
――600兆円は手段でしかない、と。
600兆円を実現していくためには働き手がいるから介護離職はダメだよとか、女性の労働力が必要だから両立できるようにしないといけないと。でもそれは違う。基本的に間違っている。たとえば、やはり介護を受けないといけない人、介護する人のための幸せのために政策があるのであって、600兆円のためにあるわけではない。仕事と子育ての両立がその人にとって幸せなことだからやらないといけないのであって「人手が、労働力が減るから」「600兆円がうまくいかないから」ということではないはずだ。
――手段と目標をはき違えていると。
全く違っている。経済成長そのものも手段だ。目的ではない。人々が幸せになるための手段だ。
――首相は29日、予算執行の前倒しを表明。追加経済政策の検討も本格化する構えです。
根本のところをどうするか手当しないといけない。追加的な財政支出をして、それが伝統的な公共事業になってしまったら、古い自民党がやっていたそのものだ。金融政策は一度に方向転換はできないが、マイナス金利の対象をさらに広げていくと、金融機関の収益も圧迫されるし貸し渋りにもつながりかねない。これ以上金融政策に依存するような経済政策はやめるべきだ。もちろん「すぐに方向転換して引き締めろ」といっているのではない。
政府が何かするとしたら3本目の矢だ。生産性を高めるための財政支出とか規制改革であれば我々は反対するものではない。そういう経済政策を打ち出すべきだ。
――民主党時代には議員立法に積極的に取り組んできました。今後もその路線に目配りをしながら後半国会をやっていきますか。
当然だ。
――主に経済財政分野、社会保障が中心でしょうか。
それだけに限らないが、なるべくわかりやすく法案の形で出していきたい。これだけの勢力で、あるいは場合によっては4野党で法案を出すわけだから、しっかりと国会で議論する責任が与党にはある。
――消費税の10%への引き上げは予定通りに実施すべきですか。引き上げの先送りも取り沙汰されています。
先送りは噂話にすぎない。首相自身は国会で「2008年のリーマン・ショックのような危機的な事態がない限り予定通り上げる」と言っているわけだから、それと違うことを言っているような前提で議論する必要はない。ただ我々からすると(消費増税のためには)前提がいろいろある。その前提が満たされていないということははっきり申し上げておかないといけない。
――具体的には何でしょうか。
行政改革、社会保障の充実もそうだ。前提ではないが、軽減税率に1兆円あてるより人への投資や格差是正にそのお金をあてるべきだ。あるいは保育園、子ども・子育て。少なくとも前提のところを満たす努力をすべきだ。首相は増税延期を発表したとき、次はリーマン・ショック同様のことがこない限りは必ず増税しますと言って選挙をした。当面の延期と、来年4月から必ずやりますというのはセットになった選挙公約だ。リーマン・ショックのようなことがこないのにさらに延ばすというなら首相としてしっかり説明してもらいたい。延期して国民の人気を得て解散に持ち込むことを考えているとすれば、それは一国の総理としてはあってはならないことだ。現時点で消費税を延期すべきだとか、延期すべきでないとか、それを何か言うつもりはない。ただ、(消費税率を)上げる前提が満たされていない。
――政権を取ったら、国家公務員の総人件費を2割減らす財政健全化推進法案は実現させていくつもりですか。
もちろんそうだ。
――安全保障関連法。日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査で「廃止すべきでない」が43%で「廃止すべきだ」の35%を上回り、成立時と逆転しました。政権側は「世論の理解が進んでいる」と主張しています。参院選でも争点にしますか。何を訴えていくのでしょうか。
憲法違反の法律が時間が経てば憲法に合致するということにはならない。憲法違反は憲法違反だ。(安保法制が)必要だからとか、国民が少し賛成が増えてきたからと、そういうことで(憲法解釈を)変えるということになると立憲国家そのものを否定することになる。
首相は北朝鮮など最近の国際情勢を挙げて「日米同盟は大事だ」と言っているが、北朝鮮との関係で言えば、これは個別的自衛権あるいは米国が行使する集団的自衛権の話であって、日本が集団的自衛権を行使する話ではない。首相はそこを一緒にして危機感をあおって、黒いものを白と言おうとしている。
――安保法廃止法案は米国の理解を得られますか。
米国も民主国家だから、憲法違反の法律を強制するということは当然考えていないと思う。安全保障の問題は両国の国益のぶつかる話だ。日米同盟は重要だという大前提で私は話をしているが、日本の安全だけではなくアジア全体のプレゼンスの中で、日本に財政や軍事力の面でなるべく負担してもらいたいという米国の考えは当然だ。
しかし日本には日本の憲法があり、日本の国益がある。もちろん日米同盟は重要だという前提のもとで、歴代首相がいろいろな厳しいせめぎ合いをして着地点を見つけてきた。安倍さんは米国の議会に行って、限定的な集団的自衛権の行使の話すらせずに全面的に協力するような印象を与えてきてしまった。それはやっぱり日本の国益を考えたときに私は極めて問題があると思う。冷静に日本の置かれた立場を説明して、お互いが着地点を見いだしていく努力をすべきだ。
――政権を取ったら安保法を廃止しますか。
廃止する。代わりに対案を出している。
――民進党として参院選に向け憲法改正の具体案を取りまとめるつもりはありますか。
全面的な改正案は僕はいらないと思う。今の自民党の草案は、安倍さんがよく言われる「今の憲法はGHQの素人がたった4日間で作り上げた代物である」というところからスタートしている。だから新しい憲法を日本自身が全部作り直すことに意味があるという考え方だ。私はそういう考え方には立たない。70年たってすっかり定着し、基本的にはいい憲法だと思っている。具体的な問題があればそこを論じて手直ししていけばいい。公明党も同じような考え方ではないか。
――党として「この条文は時代に合わない」と提示すべきではないですか。
特に今、ありません。安倍さん自身も具体的には言っていない。首相はどこをどう変えたいのかきちんと具体的に言うべきだ。たとえば憲法9条2項の改正を言われた。草案によれば、集団的自衛権を限定なく認める内容だ。そういうことをはっきりと言われたらいい。国会で追及されると「私は首相だからそれについて具体的に言うことは避けたい」と言って逃げてしまっている。
――参院選までに民進党として具体的な案を取りまとめるつもりはないし、党内議論を後押しする予定も今のところないと。
首相が問題視しているところ、「やりたい」というところは参院選に向けて議論しなければいけない。おそらく9条、あるいは緊急事態法。あとは「家族は助け合わなければならない」という家族観のところがある。憲法に書くのはとんでもない。そういうことについて国会でも議論していく。首相もちゃんと答えてほしい。
――それらについては民進党としての見解もまとめていくつもりですか。
自民党の草案についての議論だから、そこをただしていく。
――参院選での民進党としての目標をどう掲げますか。
できるだけ勝つということだろう。選挙の予測はできないと思っている。科学的にしっかりとした予測なんてありえないので、数字を挙げることは私は意味があるとは思えない。しかし、今の流れを変えるためにできるだけ勝ちを増やすということだ。
――9月に予定される民進党代表選に参院選の勝敗が大きく影響します。より客観的な指標、目安のためにも、参院選での目標を明示した方がいいという意見もあります。
代表選に出るか出ないかは私が決めることだ。私が判断する。結果が出たかどうか、それだけのことだ。
――参院選の結果を出せたかどうかを踏まえてということですね。
参院選で結果が出なければ代表選に出るつもりはない。結果は必ず出すという前提ですよ。
――「改憲勢力に3分の2を取らせないようにしたい」という思いは変わりませんか。
何が改憲勢力かという定義がはっきりしないが、今の与党で3分の2を取ることは何が何でも阻止しないといけない。ただそのことを僕は目標という意味で言っているのではない。最低限だ。
――衆参同日選も取り沙汰されています。備えはできていますか。首相が同日選を打つ大義名分はありますか。
大義名分がなくても解散はできる仕組みだから、やるときはやってくるだろう。何があっても備えるようにしていくのは当然のことだ。候補者の擁立は他の野党も含めれば200人というところまできているが、やはり我が党だけでも過半数は立候補者を出すことを目標に頑張りたい。あと50人擁立しなければいけない。
――衆院選の小選挙区の候補擁立について、野党4党で話し合う余地はありますか。
野党4党で、当時5党だったが「国会の運営、国政選挙においてできるだけ協力する」と確認した。それに基づいてできるだけ協力していく。参院も個別の選挙区について何か協議していることは基本的にはない。それぞれの地域事情に応じて現場にある程度任せて、協定書をきちんと交わした宮城や長野のようなところもあるし、まったくないところもある。ある程度濃淡が出てくるのはやむを得ない。
――次の衆院選で政権交代を伺いますか。
同日選なら当然、政権を争う選挙にする。
――民進党単独で250以上の議席を取れる体制に持っていくと。
はい。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK30H3N_Q6A330C1I10000/
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