http://www.asyura2.com/16/senkyo203/msg/685.html
Tweet |
山田元農相らは訴え続けているが…(C)AP
呪われたTPPの審議は難航必至 永田町の裏を読む
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178343
2016年3月31日 日刊ゲンダイ
来年度予算案が成立して、国会の焦点はTPP協定案の承認と、その関連法案の審議に移る。が、この協定案にはすでにいくつもの呪いがつきまとっていて、審議は難航必至である。
第1に、日本側でこの交渉を一手に引き受けてきた甘利明前TPP担当相は「口利き」疑惑で失脚して不在で、全体交渉だけでなく日米2国間交渉を通じて日本側が繰り出した数々の密約の全貌について直接知る者は誰もいない。「何も知らず、おまけに不用意な失言がお得意の石原伸晃では立ち往生するのが目に見えている」と、自民党農林議員は不安を語る。
第2に、審議に臨む野党側の理論武装は、一般に考えられているよりも、はるかに進んでいる。協定案は英文で7000ページ以上に上り、日本政府が1月に公表した暫定和訳はそのうち944ページ分に過ぎない。石原大臣はもとより安倍晋三首相や農林議員の誰も、その和訳分さえ熟読することなく国会論戦に挑むのだろう。ところが、山田正彦元農相(TPP違憲訴訟の会幹事長)を中心とする十数人の専門家チームは、昨年11月から英文原文を読み込んで、細部に隠された欺瞞や密約を一つ一つ掘り出す作業に取り組んできた。すでに第1次報告書をまとめ、その内容を野党議員に徹底的にレクチャーしている。恐らく農水官僚でも答えられない質問が飛び出してくるだろう。
第3に、官邸は電光石火の“甘利隠し”で傷口をふさいだつもりでいたが、3月16日に弁護士らが甘利とその秘書を「あっせん利得処罰法違反」で告発し、東京地検が動きださざるを得なくなっていて、この捜査の行方が審議にも間接的に影響する。あっせん利得処罰法の「権限に基づく影響力を行使して」という条文については、従来は担当大臣であるといった直接の権限がある場合に限られるという解釈がなされていて、そのためこの法はこれまで一度も適用されたことがなく、ザル法といわれてきたが、この告発では「国会議員としての権限に基づく影響力を行使した」と、「国会議員であること自体がすでに権限である」という解釈を打ちだしていて、これが認められれば、口利き議員は片っ端から逮捕されることになる。
第4に、米国の大統領選挙では民主・共和両党とも残された候補全員が「TPP反対」で、米議会がこれを批准する可能性はゼロに近づいている。TPPは呪われているのである。
高野孟ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK203掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。