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経済失敗を認めない混迷政権 増税強行ならばオシマイだ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178362
2016年3月30日 日刊ゲンダイ 文字お越し
16年度予算成立でご機嫌の安倍首相(C)日刊ゲンダイ
2016年度予算が29日、参院本会議で可決・成立。これを受けて安倍首相が会見を行ったが、よくぞここまでデタラメが言えるものだと唖然とする内容だった。
冒頭、例によって「この予算によって、1億総活躍社会の実現に向けた新しい取り組みが始まります」と大風呂敷を広げてみせたのだが、中身を聞いてみると、威勢のいいスローガンとは裏腹に、心躍るようなメニューは何も出てこない。
「介護休業給付金を賃金の40%から67%へ引き上げる」
「不妊治療を初めて受ける人には、治療費のほぼ100%に相当する30万円を助成する」
「保育の受け皿を10万人分以上つくる」
「幼児教育の無償化を進め、所得の低い世帯では第2子は半額、第3子以降は無償にする」――。
「アベノミクスの暖かい風を全国津々浦々に届けていく」とエラソーに吹きまくる割には、安倍首相の口から出てきたのは弱者対策のセーフティーネットの話ばかりだ。
「どれも必要な政策ですが、目新しさはありません。これまで放置してきた格差や介護、育児といった問題が無視できないほどの社会問題になり、尻拭い的にやらざるを得なくなった。選挙前だから少しは対策を出しておこうということでしょう。票目当ての弥縫策だから、あれもこれもで、切り張りになる。そもそも国民生活をどうするかという哲学がないから、政策に一貫性がないのです。待機児童の問題などは典型で、今まで関心も示さなかったのに、批判の声が大きくなると、その場しのぎの付け焼き刃的な政策でゴマカそうとする。そういうやり方では実効性も期待できません」(経済評論家の斎藤満氏)
少子高齢化への対策が必要なことは、ずっと前から分かり切っていたのに、ムチャな金融緩和で株価を吊り上げることだけに腐心してきたのが安倍政権だ。
■選挙目当ての一時しのぎ政策
今頃になって対策に乗り出すのでは遅過ぎる。それも、選挙目当ての一時しのぎ。本気でこの問題に取り組む気があるとは思えない。
不妊治療の助成や幼児教育の無償化はいいが、それ以前に、低収入で結婚できない若者や、共働きでないと生活していけないカップルを増やしたアベノミクスの責任はどうなのか。思いつきみたいに保育所拡充を打ち出したところで、子育て世代の怒りのデモが収まらないのは当然だ。
会見では、相変わらずアベノミクスの成果を誇張していたが、こういう時に安倍首相が必ず持ち出す例が、有効求人倍率だ。
「有効求人倍率は24年ぶりの高い水準です。就業地別で見れば、47の都道府県のうち46で1倍を超えている。1人の求職者に対して、1つ以上の仕事がある状態となっています」と、ナントカのひとつ覚えで繰り返すのだが、この数字をもって景気が良くなったというのは無理がある。この数字は構造変化の産物だからだ。いわゆる「2012年問題」である。
ここ数年で団塊世代が65歳に達し、労働力人口は急激に減っている。12年までは10万人台だったのが、13年以降は年間100万人以上も減少。分母の求職者が減っているのだから、有効求人倍率が1倍を超えるのは当たり前なのだ。大体、この人口減時代で1人の求職者に対して1つ以上の仕事がない方がおかしい。求職者の減少によって有効求人倍率が上昇を続けるのは数字のトリックでしかない。46もの都道府県で有効求人倍率が1を超えたのは、むしろ労働力人口の減少で、地方経済が縮小している表れといえる。
戦争法施行の当日に成立した予算で防衛費が5兆円突破
ママたちは欺瞞に気づいている(C)日刊ゲンダイ
「安倍首相は、『今世紀に入ってもっとも高い水準の賃上げが3年続いている』とも言っていますが、これだって、一部の大企業が政権へのゴマすりでベアに応じただけで、厚労省の統計で実質賃金は減り続けている。庶民の給料が上がらないから消費も増えない。29日に発表された2月の家計調査も、うるう年による1日分の押し上げ効果を除くと1.5%のマイナスでした。消費が落ち込めば、企業は国内で設備投資をしないし、先行き不安から内部留保を積み増して、ますます労働者に分配しなくなる。そういう悪循環です。現状では、15年10〜12月期に続いて16年1〜3月期のGDP速報値も、マイナスに落ち込む可能性が高い。どう見ても、アベノミクスは失敗なのです。人間は一度ウソをついてしまうと、無理矛盾を繕うためにウソを重ね、最後は破綻するものですが、安倍政権の経済政策は、まさしくそういう陥穽にはまっているように見えます」(斎藤満氏=前出)
ウソも100回言えば本当になるとでも思っているのか。国民をバカにするにも程があるが、実体経済は妄想通りにならない。どんなに調子のいいことを言われても、国民生活は疲弊している。これが事実だ。もはや口先や小手先の対策ではゴマカし切れないところまできている。間違った経済政策の根本を改めなければ、どうしようもない。
■消費税引き上げで法人税減税の愚
安倍首相は会見で「(経済対策は)この予算を早期に執行することが必要で、可能なものから前倒し実施するよう財務相に早速指示する」と言っていた。語るに落ちるとはこのことで、アベノミクスが成功しつつあるのなら、予算の前倒し執行も、新たな補正予算の編成も必要ないはずだ。「リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り、消費税は来年、予定通り引き上げる」と言い続けているのも、アベノミクスの失敗を認めることになるから、増税延期を自分からは言えないのである。
経済アナリストの菊池英博氏が言う。
「景気低迷は誰の目にも明らかなのに、失敗を認めることができず、『アベノミクスは成功している』と強弁する首相に経済の舵取りなど任せられません。この期に及んで『1億総活躍』などと絵空事を語るのは正気の沙汰ではない。これだけ内需がへたっているのに、消費税増税を強行すれば、日本経済はオシマイです。消費税より、儲けている大企業の法人税を上げるべきなのに、国民からあまねく召し上げて大企業にくれてやるという。企業はさらに内部留保を積み上げ、その一部が自民党に献金として還流される。庶民生活は干上がり、ますますデフレが進行してしまいます」
16年度予算の一般会計総額は過去最大の96兆7200億円に上るが、重要なのは規模ではなく使い道だ。議員定数削減はどうなった? 身を切る改革はどこへ消えた? デタラメ予算成立のペテン会見には虫唾が走る。
「安倍首相にとっては、政策も予算も延命の道具でしかないのです。少しでも長くやりたいだけで、日本経済のことなど考えていない。くしくも戦争法が施行されたその日に成立した予算で、防衛費が初めて5兆円を超えたことが象徴的です。デフレが続き、国民所得が低いままだと人々は戦争に向かう。これは大げさな話ではありませんよ。実際に大手メーカーは国内でモノが売れないからといって、軍需産業化し始めているじゃないですか。政府も武器輸出を『防衛装備移転』と言い換えて奨励している。このままでは、日本は破滅の道まっしぐらです」(菊池英博氏=前出)
ノーベル経済学賞受賞のクルーグマン教授を招いた「国際金融経済分析会合」で、麻生財務相は「米国がデフレマインドから脱却した原因は戦争だ。第2次世界大戦が解決策になった。日本もそのきっかけを求めている」と発言したという。経済失政を戦争でチャラにしようとしているのか。この政権なら、やりかねない。目先の弱者対策に惑わされてはいけないということだ。
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