http://www.asyura2.com/16/senkyo203/msg/595.html
Tweet |
辞表を提出するために首相官邸に入る甘利明経済再生大臣 (c)朝日新聞社
元総理が逮捕された過去も 政治とカネ問題、何がアウトなのか?〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160329-00000003-sasahi-pol
月刊ジュニアエラ 2016年4月号より
甘利明経済再生大臣が、秘書が建設会社から多額のカネを受け取り、適正な処理を怠っていたことを認め、大臣を辞任した。今後、法的に追及される可能性もある。
小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている。政治家はどんなおカネを受け取るとアウトになるのだろう? 本誌より紹介する。
* * *
■甘利大臣辞任の真相は?
甘利明経済再生大臣と秘書が建設会社から多額のカネを受け取っていたと、雑誌の「週刊文春」に書かれ、甘利さんはそれを認めて1月末に大臣を辞任した。難しいTPP(環太平洋経済連携協定)交渉を担当して、安倍晋三内閣の重要人物だったから、みんなびっくりしてしまった。
それはいったい、どんなおカネなのか。記事によると千葉県白井市にあるその建設会社の敷地が都市再生機構(UR)という独立行政法人がつくっている道路にひっかかることになり、両者の間で補償交渉が行われていた。建設会社の担当者は、URからできるだけ多額の補償金を得るために、甘利さんの事務所を訪ね、口利き(間に入って話をまとめること)を依頼した。その会社は2億2千万円の補償金を得て、お礼に秘書に500万円、甘利さんに50万円を2回、計100万円を渡したという。2013、14年のことである。
「えっ!? 政治家が『口利き』をして、そんなおカネをもらったらいけないんじゃないの?」とキミは思うだろうね。そう、国民から選挙で選ばれた政治家は、行政機関に影響力がある。何か国民みんなの役に立つことを頼むとか、市民の不満を伝えて問題点を解決するとかならともかく、影響力を悪用して誰かの個人的なもうけのために動き、裏で自分も私腹をこやしていたならば、賄賂の罪に問われる。真相はまだわからないが、あっせん利得処罰法に触れる可能性がある。
たしかに政治にはおカネがかかる。だからみんなからの善意の政治献金ならば、ちゃんと都道府県の選挙管理委員会に届ければ問題ない。だけど甘利さんの秘書に渡った500万円のうち300万円は届けられていなかった。「政治資金規正法」違反の疑いもある。
甘利さんはこうした法律に違反したおそれがあり、大臣辞任だけではすまないかもしれないんだ。
■元総理が逮捕されたことも
かつて、日本の政界では、びっくりするような汚職事件が相次いだ。1976年のロッキード事件では、故・田中角栄氏が総理大臣のとき、5億円をもらってアメリカのロッキード社の飛行機を全日本空輸に買わせたとして逮捕された。
田中氏は「みなさんがどこから耕運機を買おうと総理大臣には関係がありません。同じように飛行機も総理大臣と関係ありません」と無実を言い張ったけれど、裁判所は賄賂を受け取った罪で懲役4年の判決を下した。
88年に発覚したリクルート事件は、値上がり確実のリクルートコスモス(現:コスモスイニシア)の未公開株を、親会社のリクルートが主導して政治家たちにばらまき、大もうけさせた。それがばれて失脚した政治家は「毒まんじゅうを食べちゃった」と悔しがった。
90年代に力を振るった故・金丸信自民党副総裁は、東京佐川急便からの5億円のヤミ献金(無届けの献金)が明るみに出て罰金20万円を払った。「罪が軽すぎる」と批判が湧き出して、捜査を担当した東京地方検察庁の看板にペンキをぶちまける市民も出た。東京地検は発奮して金丸氏を逮捕して調べ直したら、金丸事務所の金庫から、なんと金の延べ棒が見つかった。
こんな私利私欲の政治はやめようと、最近は「政治資金パーティー」を開き、そのパーティー券の売り上げを政治資金に充てる集め方がはやっている。しかし、これだって、政治家と業者の間に秘密の打ち合わせがあれば、いくらでも賄賂の代わりになる。
政治献金にも同じことがいえるので、「届ければ問題ない」という今の制度にも問題が残る。このため、野党からは、企業や団体からの政治献金を全面禁止して、腐敗の根を断つという提案も出されている。同じことを繰り返さないために、覚悟を決めて制度を見直す必要があるのではないか。
(解説・早野透/桜美林大学教授・元朝日新聞コラムニスト)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK203掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。