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「テロに屈しない」が招く “報復と憎悪”の連鎖に日本も
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/177950/1
2016年3月24日 日刊ゲンダイ 文字お越し
ブリュッセルの通りで、子どもを抱き寄せ犠牲者を悼む女性(C)AP
ベルギーの首都ブリュッセルを襲ったIS(イスラム国)による「同時多発テロ」に世界中が震撼している。
ベルギーの政府当局者によると、これまでにブリュッセル国際空港や地下鉄マルビーク駅で計31人の死亡が確認され、日本人2人を含む約270人が負傷した。
ブリュッセルは欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の本部がある「EUの心臓部」である。2月にはNATO本部で、IS掃討作戦に参加している「有志連合」の初の国防相会合が開かれたばかりだ。ISは犯行声明でテロの理由に、ベルギーが有志連合軍に参加していることを挙げていた。あえて「EUの心臓部」を狙ったのは間違いない。
衝撃なのは、ベルギー当局が4日前にパリ同時多発テロの実行犯を逮捕して以降、仲間の報復に備えて厳戒態勢を敷いていたにもかかわらず、テロが起きたことだ。つまり、当局がどんなに厳重に警戒していても、テロを完璧には防げないのだ。元外交官の天木直人氏はこう言う。
「ISは自分たちを攻撃するものに対して徹底的に反撃する。追い込まれるほど力を発揮し、自爆もいとわない。防ぎようがないのです。壊滅するには組織を全滅させるしかないが、そんなことは到底、不可能でしょう。しかも、今やISにシンパシーを感じている若者が、欧州各地にたくさんいる。それも欧州で生まれ、欧州で育った若者たちです。叩いても、がん細胞のように新たなIS戦闘員が生まれるだけです」
逮捕されたパリ同時多発テロの実行犯が、国際手配されながら、ベルギー国内で4カ月間も潜伏生活を送ることができたのも、複数の支援者がいたためとみられている。欧州はいつ、どこで次のテロが起きてもおかしくない「恐怖の泥沼」にどっぷりとはまった。
400人以上の死傷者を出した昨年11月のテロ以来、非常事態宣言が続いているフランスの状況がその証左だ。いまだに非常事態宣言を解除できない。
■テロとの戦いは完全に失敗した
もはや武力でテロは防げないし、報復の連鎖が拡大するだけなのは明らかだ。にもかかわらず、またぞろ国際社会は「テロとの戦い」を大合唱している。元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「テロによる年間死亡者は2000年代初めに500〜600人だったが、昨年は3万人です。この10年間でざっと60倍に増えている。この犠牲者の数を見ても、『テロとの戦い』が失敗に終わっていることは明らかです。しかも近年は兵士だけではなく、一般人も巻き込まれている。このまま『テロとの戦い』を続けても、空爆などで一般人の犠牲者を増やし、肉親を失った新たなテロリストを増やすだけです」
元をたどれば、ISを生んだ最大の元凶は米国のイラク攻撃だ。ブレア英元首相も昨年10月、米CNNのインタビューで、IS台頭の原因を「イラク戦争の間違い」と認めていた。米国は当時も「テロとの戦い」を世界に主張。イラクには大量兵器が隠されていると、大ウソをついて攻撃を仕掛けたが結局、何もなく、大量のテロリストを世界中にまき散らしただけだった。そんな米国がまた、「正義は我にあり」とばかり、「有志連合」の名の下に他国を「テロの脅威」に引きずり込んでいるのである。
ISテロは対岸の火事じゃなくなった
国民をテロの脅威に引きずり込むな!(C)AP
欧米諸国はいよいよ、ISと“事実上”の戦争状態に突入した。となると、ベルギー同様、「有志連合」に名を連ねる日本も、大規模テロは対岸の火事では済まない。
ISは犯行声明で「ISに対抗する国々に暗黒の日々を約束する」と宣言していた。日本はすでに安倍首相が昨年1月、エジプト・カイロで「IS対策に2億ドルのカネを出す」とブチ上げたことでISから敵視され、プロパガンダ誌で「安倍晋三の愚かさにより、すべての日本国民が戦闘員の標的となった」と名指しされた。ジャーナリストの後藤健二さんら日本人2人が斬首されたのも、この安倍の不用意な発言が原因といっていい。
それなのに安倍は今回も性懲りなく、「断じてテロは許されない」と早々に声を上げ、きのう(23日)はEUのトゥスク大統領らに「EUとの連帯」を表明するメッセージを送った。EUを標的にしたISのテロに対し、日本は自ら進んでケンカを売っているようなものだ。
くしくもブリュッセルで同時多発テロが起きた22日、政府は閣議で、集団的自衛権の行使を容認する安保法を29日に施行することを決めた。対米従属の安倍政権のことだ。米国から「テロとの戦い」をスローガンに「有志連合」の空爆に自衛隊も協力しろ――と迫られたら、「同盟国」を理由に、二つ返事で引き受ける懸念がある。安倍がもくろむ憲法改正の自民党改憲草案に出てくる「緊急事態条項」なんて、その下準備みたいなものだ。この調子じゃあ、日本が議長国を務める5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で、安倍がISに対して何を言いだしてもおかしくない。
「世界の注目が集まる国際会議で、安倍首相がISを刺激するような発言をすれば、それこそ取り返しがつかなくなります。安倍首相が張り切ってこの問題に取り組むほど、日本国民は不幸になるのです」(天木直人氏=前出)
勇ましさだけが売り物の単細胞首相のことだ。自分の発言がどれだけ国民を危険にさらすかには想像力が及ばないだろう。シリアで拘束されているジャーナリストの安田純平さんの命だって、今後どうなるか分からない。
■地下鉄、新幹線、原発…日本はどこも危険だ
「テロとの戦い」の一言ですべてが許されると思っている政治家や社会の空気は怖い。この「思考停止」の行き着く先は間違いなく悲劇だ。無差別自爆テロは根絶できない。安倍が拳を振り上げれば振り上げるほど、パリやベルギーで起きた同時多発テロが、日本でも起きる可能性が現実味を帯びてくるからだ。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏はこう言う。
「自爆テロはどこでも可能です。つまり、確実に安全な場所はないと思った方がいい。人が密集していて警備が手薄な『ソフトターゲット』と呼ばれる駅や空港、病院、学校、観光地のほか、犯行を海外にアピールするために外国人が集まる場所も狙われる。地下鉄や手荷物検査をしない新幹線も危険だし、海外のように銃を持った警備員がいない原発も危険です」
海外の日本人が標的にされる可能性も高い。
「ISは最近、欧州の観光客らを積極的に拉致しています。日本人も世界中にいるから、ホテルや観光地を襲撃し、日本人観光客を人質にしたり、自爆テロを仕掛けたりするかもしれません」(軍事ジャーナリストの神浦元彰氏)
今月出版した「小説外務省U 陰謀渦巻く中東」(現代書館)で、〈安倍政権には日本人の生命を守る気持ちはない〉と書いた前出の孫崎氏は、あらためてこう言う。
「安倍首相がこのまま『テロとの戦い』に突き進めば、日本国民は抜けられない負のスパイラルに向かう。後藤さんの(斬首)事件のような最悪の展開が、日本人全体に及ぶのです」
一刻も早く安倍政権を引きずり降ろさないと、日本国民がテロの恐怖に怯えることになる。
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