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あまりに姑息 ノーベル賞学者を使った失政隠しの茶番劇
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/177577
2016年3月18日 日刊ゲンダイ 文字お越し
自らの失敗を認めない…(C)日刊ゲンダイ
とんだ茶番劇だ。
政府は16日、安倍首相らが有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」を初開催。講師に招いたノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は、「世界経済が低迷する中での消費税増税は間違っている」と安倍に進言したという。
「格差是正を唱え、富裕層への増税を訴えるスティグリッツ氏が消費税増税に反対することは分かり切っていました。政府もそれを承知で招致した。つまり、ノーベル賞学者のお墨付きをもらって、世界経済の低迷を理由に増税を先送りするためのアリバイづくりみたいなものです。私も消費税増税には反対ですが、好景気で増税できる環境をつくると大見えを切っておきながら、先送りせざるを得なくなったのは、アベノミクスが大失敗だったということにほかならない。そうは認めたくないので、外部の意見ということにして増税を先送りし、アベノミクスの失敗を糊塗しようとしているのです。姑息な猿芝居というほかありません」(経済アナリスト・菊池英博氏)
報道では、スティグリッツ氏が「今は増税のタイミングではない」と先送りを提言したことばかりが取り上げられているが、これもおかしな話だ。実際はもっと多岐にわたって意見を述べていた。
「TPPは悪い貿易協定だというコンセンサスが広がりつつある」
「金融政策頼みでは不十分で、財政出動に乗り出すようリーダーシップを発揮すべきだ」
「格差是正や景気刺激の手段としては、所得税や相続税の累進課税強化で所得の再分配を進めた方がいい」
「法人税の一律減税は投資拡大につながらない」
「消費税より環境税の方が効果がある」
「日本経済の低迷は労働人口減少が最大の問題で、育児、介護支援を拡充すべし」――とまぁ安倍政権の政策をことごとく否定した。要するに、アベノミクスに辛辣なダメ出しをしたのである。
■トリクルダウンではなく「トリプルダウン」
「スティグリッツ氏に指摘されるまでもなく、アベノミクスの失敗は、もはや誰の目にも明らかです。トリクルダウンが起こらなかったばかりか、実質賃金は4年連続で下がり続けている。国民にとって何ひとつプラスはなく、賃金、消費、景気の“トリプルダウン”という惨憺たる結果がもたらされました。デフレ脱却どころか、むしろデフレが進行しているのです。日本がデフレ経済に沈んだままなのは、世界経済の減速が原因ではない。アホノミクスが失敗だったのです。ここまで国民生活を破壊した以上、本来なら、失政を詫びて総辞職が筋ですよ。一日でも早くアベノミクスをやめることが、一番の景気対策になる。日銀の黒田総裁も責任を取る必要がある。それなのに、経済学の権威に進言させる形で消費税増税を先送りし、自分たちの責任にフタをして政権を延命させようとは、姑息極まりありません」(菊池英博氏=前出)
22日には、やはりノーベル経済学者のポール・クルーグマン米プリンストン大名誉教授を経済分析会合に呼ぶことになっている。言うまでもなく、クルーグマン氏も増税反対派で、先送りを進言するとみられる。
私利私欲で国際公約も国民との約束も反故に
経団連はやらずぶったくり(榊原会長)(C)日刊ゲンダイ
経済分析会合で、黒田総裁はスティグリッツ氏に「思ったより賃上げのペースが緩い」とグチっていたが、16日が集中回答日だった今年の春闘は、主要企業は軒並み前年を下回る水準。トヨタは今期に過去最高の営業利益を見込みながら、ベアは昨年の4割にも満たない月額1500円にとどまった。豊田章男社長は「これまでと潮目が変わった」とコメント。政府が「上げろ、上げろ」と圧力をかけてきた“官製春闘”も、とうとう息切れだ。一部の大企業に賃上げさせて「賃上げ率は過去15年間で最高」と言い張るマヤカシは、もう通用しない。
そもそもアベノミクスは、金融緩和と財政政策で時間を稼ぎ、その間に成長戦略で経済の底上げを図るシナリオだった。ところが、成長戦略なんて何も出てこなくて、待機児童の問題で露呈した通り、少子化対策も女性活躍も手つかずのままだ。
結局、アベノミクスとは、異次元緩和の麻薬効果とGPIFなどを総動員する官製相場で一時的に株価を無理やり底上げさせただけのことなのである。実体経済にはマイナスの効果しかなかった。そんなだから、大企業も賃上げを渋りはじめ、それでも法人税減税の恩恵だけは、ちゃっかり受け取るわけだ。やらずぶったくりとは、このことである。何から何までデタラメなのだ。
■「再増税までに実感なければ失敗」
自民党の稲田政調会長はかつて、BS番組に出演し、来年4月の消費税再増税にあたって安倍が「景気弾力条項」の撤廃を決めたことを「不退転の決意で(再増税の時期を)1年半先延ばしして10%に上げると決めた」と指摘。「それまでに(景気回復の)実感がなければ、アベノミクスは失敗ということだ」と言っていた。
じゃあ、失敗の責任を取ってもらおうじゃないかと言いたくなるが、安倍は再増税の凍結を掲げて衆院を解散し、ダブル選に打って出る気だ。その布石として、わざわざ増税反対のノーベル経済学者を招聘して意見を言わせている。
政治評論家の有馬晴海氏が言う。
「閣僚の不祥事など、問題が起こるたびに安倍首相は『責任は私にある』と言いますが、それで責任を取ったことはない。とにかく延命して、悲願の憲法改正に手をつけることしか頭にないのです。2年前も、選挙に勝つために増税を先送りした。その時、『次は必ず上げる』と言い、これは国際公約でもあるのに、その舌の根も乾かないうちに、再延期の話が出てきた。それを旗印にしたダブル選に大義などあるはずもなく、勝てるかどうかという判断基準だけです。総理ともあろう人が、国際社会や国民との約束を反故にして、憲法改正という自身の野望実現のために財政や選挙を愚弄しようというのだから、ひどい話です」
アベノミクスで景気はよくなる、必ず増税できる環境をつくると、あれだけエラソーに言っていたのだ。増税凍結は、経済政策に失敗し、財政再建の約束も達成できない失格首相の烙印を押されるに等しい。ところが、安倍は国民の味方のようなことを言って、増税延期を人気取りに利用しようとするのだ。厚顔というか詐欺的というか、とにかくあくどい。
「アベノミクスがはかばかしくないのだから、本来なら景気対策に腐心すべきなのに、安倍首相は増税判断を選挙の道具にしようとしている。景気や増税を争点に掲げて選挙をしても、勝てば知らんぷりで、憲法改正に邁進するでしょう。私利私欲のために延命しようという魂胆は見え透いています。問題は、それを有権者がどう判断するかです」(政治評論家・浅川博忠氏)
国民にできることは、選挙での意思表示しかない。増税凍結という安倍の甘言に騙されないことだ。問題は、アベノミクスそのものなのである。
たとえ消費税増税を凍結しても、アベノミクスの失敗を認めて撤退しないかぎり、日本経済が上向くことはない。給料は上がらず、庶民は生活物価の上昇に苦しめられ続ける。ノーベル経済学者にも酷評された経済政策をむやみに信奉する無能政権を放逐しなければ、日本経済はやがて未曾有の大混乱に陥るだろう。そうなってからでは遅いのだ。
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