【複数基軸通貨時代】
英国・フランス・スペイン等の複数の金貨が、世界の基軸通貨であった。植民地貿易で儲けた富はキン貨として蓄積されて、世界で流通した。複数基軸通貨時代の特徴は、基軸通貨として君臨している国の経済が、約10年ごとにバブルを発生させるため、欧州経済が攬乱されたことだ。

【第一次金本位制】
産業革命によって、世界の工業製品の75％を支配した英国は、キンも75％を保有した。そのため、ポンドは世界の基軸通貨となった。これを第一次金本位制とよんでいる。
第一次金本位制に参加してポンドとの為替を固定化させるルールは、英国からキンを借り紙幣に「キンと交換する」と印刷することだった。国家間の輸出入の決裁通貨はキンだった。明治政府と中国政府は、キンよりも銀を選好したために、莫大な損失を被った。

【第二次金本位制】
第二次キン本位制とよんでいるドル一極基軸通貨システムは、紙幣をキン貨と交換することをやめた。そして、キンを１オンス35ドルに固定し、ドルをキンと同価値とみなした。そして、国家間の輸出入の最終決裁に、キンの延べ棒を使用した。

【第三次金本位制】
第三次金本位制も、キンに代わる通貨の膨張と崩壊を防止するルールを決定しないと、約10年ごとにバブルを発生させ、崩壊させることは避けられない。
第二次信用収縮恐慌を収束させる第三次キン本位制は、各国の通貨の発行をキン準備にリンクさせることによって、ドルの信用を回復する。国家間の輸出入の最終決裁には、1971年以前のように、キンの延べ棒が使用される。そして、キン価格は、世界中に垂れ流されたドルが安定する価格で固定される。

米ドルは、ニクソンの遺産のキンとのリンクを宣言せざるをえなくなる。宣言した瞬間、ドルとＮＹ株は高騰する。石油・ドル・買い控え・株安は、それぞれが独立した法則（反転周期）をもつため、アト解釈では、経済現象を正確に予知できない。

石油輸出国とシンガポール・中国の国家ファンドのおかげで、2007年12月の世界的大暴落は2017年に先延ばしされている。

資本主義的な自由市場経済は、需要と供給の変化を決定する人間の嗜好を「必要悪」と考え、新しい商品を次々に発売して、人為的に流行を発生させようと行動する。そのために、売れない商品を過剰に発生させる。そして、企業レベルでは見切り・縮小・倒産を発生させて市場は均衡を回復する。これが「神の見えざる手」の正体なのだ。

もしも金本位制も経済鎖国も戦争もドル暴落も銀行の一時閉鎖も避けて，経済を回復させるには，信用恐慌から早期脱出するためのマニフェストは、次期産業革命へ大胆にシフトすることです。しないと古今未曽有の地獄絵図化を体験します。千載一遇を望む個人と人は楽しみにしていてください。