http://www.asyura2.com/16/senkyo202/msg/576.html
Tweet |
「預かり料を出せ!と銀行が言い出す」は本当か?
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2016/03/20/post-741.html
サンデー毎日 2016年3月20日号
牧太郎の青い空白い雲 連載562
毎月一度、積立定期預金の集金にやって来る某信用金庫の"営業マン"から「預金封鎖が起こるんでしょうか?」と質問され、あぜんとした。
預金封鎖? そんなこと、あるはずはないだろう。
確かに、財政が破綻寸前、政府が取る道の一つは預金税(資産税)の導入だろう。国民の銀行預金をすべて把握して、資産に対して税金を掛ける。これも預金封鎖の一種。マイナンバー導入の狙いも、そこらにあるのだろう。可能性はある。
しかし、この営業マンが心配しているのは、通貨切り替えをして現在流通している通貨を無効にし、市場通貨を金融機関に回収させる方法のことである。
1946年、第二次世界大戦後のインフレで、幣原(しではら)内閣が新円切り替えを施行。同時に預金が封鎖された。預金者による引き出し可能な上限が決められ、給与の一部が強制的に預金させられた。
「そんなことが起こったら大変ですよね」
と彼は言うが、現時点では、現実味がきわめて薄い。
「何で心配するんだ?」
と聞いたら、
「あの時、新円切り替えを発表したのが46年2月16日ですよ。マイナス金利がスタートしたのも2月16日。何か因縁を感じません?」
と言う。金融機関の人間まで、そんなばかげた話をしているのか?
× × ×
誰も彼も経済の行方に疑心暗鬼になっている。
その原因はメディアの経済解説がいい加減だからだ。たとえば、「株安」の原因だ。NHKも新聞も「米国の利上げ」「中国経済の減速」「原油安」の3点セットで解説する。「中国経済の減速は、需要の減少という形で原油安の直接の引き金になりました」
なんとなく、納得してしまいそうだが、すぐ「いい加減な解説!」と気づく。2015年の中国の石油消費量は1日当たり1125万バレルという。前年より63万バレルも増加している。
「中国経済の減速が原油安を招き、株安を起こした」
という言い分は、どう考えてもおかしい。誰かが株価暴落の責任を「原油安」に押し付けているのだ。
アベノミクスの崩壊を「中国経済の減速」と「原油安」......つまり「他人のせい」にする。安倍内閣の無策を隠すためだろう。
そのミスリードの「お先棒」をかついでいるのが無責任メディア。金融機関の面々は、それを知っているから疑心暗鬼になる。
× × ×
無責任メディアは「マイナス金利で儲(もう)ける方法」をもっともらしく解説するが、儲けているのは「強大な借金を抱える国」だけではないか?
10年国債の利回りが0・05%まで低下。利払い負担が小さくなった。しかも、マイナス金利は即増税でもある。マイナス金利の対象は約23兆円。0・1%のマイナス金利になると、日銀は銀行から約230億円の金利収入を得ることができる。
この230億円は国庫に納入されるから、財務省は「230億円の増税」を実現することになる。それでは、誰が230億円の税金を払うのか? 金利0・020%が0・001%になる「預金」をしている国民である。
もっとも、国は年金基金の利回り低下で「大損」しているから「マイナス金利は国のため」と短絡的には言えない。だから、国民は疑心暗鬼になるのだ。
× × ×
いま、金融機関の面々が「あり得ること」と予想しているのは、日本の「プライベートバンク」だというのだ。
富裕層を相手に資産保全や資産運用をするのが、この銀行の主要業務となる。高額預金者から管理料を取る。スイスにはあるそうだが、日本の銀行も「預かり料を出せ!」ということになるのか?
昨今、日本は妙ちきりんな経済情報に疑心暗鬼である。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK202掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。