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参院選の争点は目くらまし改憲ではなくアホノミクス鉄槌だ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/176626
2016年3月4日 日刊ゲンダイ 文字お越し
ゴマカシ、マヤカシ、はぐらかし(C)日刊ゲンダイ
ついに元事務次官まで痛烈批判を始めたアホノミクスの大失敗と責任者の放逐こそが参議院選の争点だ
財務省の元トップの苦言が波紋を呼んでいる。財務事務次官経験者にして元日銀副総裁、現在は大和総研理事長の武藤敏郎氏が2日、都内で講演し、日銀が導入したマイナス金利政策やアベノミクスを痛烈に批判した。
武藤氏は東京五輪組織委員会の事務総長を兼ねており、安倍政権とも近い関係にある。いわば“身内”ともいえる元次官の酷評に「今さら、なぜ」と政・財・官の各界から不審の声も上がっているが、発言の意図はともかく、武藤の言い分はいちいちごもっともだ。
マイナス金利について、「どこまでも(金利を)下げることはできない。長期の継続性がどの程度あるかは疑問だ」と指摘。先行導入した欧州の4つの中央銀行のケースを引き合いに、「株価にはほとんど影響していない。物価はデンマークくらいしか上がっていない。リスク資産への(お金の)誘導も劇的には起きていない」とバッサリ。
結局、マイナス金利は「需要を喚起する効果があまり見られない。(先行導入した)諸外国を見れば多くを期待できないのではないかとの意見が多い」などとケチョンケチョンで、日本経済の見立ても「デフレ脱却から程遠い状況。物価上昇に頭打ち傾向が出ている」とし、「(景気回復に)黄信号がともったと言わざるを得ない」と結論付けた。ハッキリとは口にしなかったが、「この3年のアベノミクスは失敗だった」と言っているようなものだ。
いくら安倍首相や日銀の黒田総裁が糊塗しようとしても、政権ベッタリの元財務次官がサジを投げるほど、アホノミクスの大失敗はもはや隠し切れない。武藤氏の痛烈批判はそう受け止めるべきだろう。
事実、マイナス金利の導入決定から1カ月余り、円高・株安傾向は収まらず、黒田日銀の思惑は見事に外れた。このまま円高が続けば、円安メリットを享受してきた輸出産業は総崩れ。さらなる株安進行だけでなく、実体経済に深刻なダメージを与えかねない。
■ことごとく公約反故の異次元緩和のオソマツ
国債の金利は短期も長期も劇的に低下した一方で、預金金利も激減。3メガバンクは普通預金金利を一斉に年0.02%から年0.001%に引き下げた。なけなしの10万円を預けても、やっと年20円もらえた利息が、たった1円となる。住宅ローン金利も下がったとはいえ、今の時代、マンション購入や家の建築を検討できる家庭は相当に恵まれている。やはりアベノミクスは金持ち優遇策、格差を広げる政策なのである。
経産省が先月末に発表した鉱工業生産指数によると、1〜3月期の予測指数は前期比0.3%低下。あらゆる企業が世界経済の減速に恐れをなして設備投資は先送り。そのため、鉄鋼など素材産業は在庫が重荷となっている。
この調子だと、1〜3月期のGDPが2期連続のマイナスに落ち込むのは確実で、日本は景気後退局面(リセッション)に差し掛かる。武藤の「景気回復に黄信号」なんて表現は甘っちょろく、経済の現状は不況に一直線といっていい。経済アナリストの菊池英博氏はこう言った。
「デフレからの脱却を唱えながら、デフレ不況を悪化させたのが安倍政権です。ひたすら小手先の金融政策頼みで、実体経済のテコ入れを軽んじてきたツケです。『マネタリーベースを2年で2倍にし、物価上昇率2%を達成する』との公約の下で異次元緩和を始めて約3年。マネタリーベースは3倍以上に増えましたが、物価上昇率は限りなくゼロにへばりついたまま。『トリクルダウン』は夢のまた夢で、実質賃金は延々と下がり続け、消費は伸びず、デフレ不況は一段と進んでしまった。アベノミクスはつくづく大失敗です」
これだけ国民との約束を反故にしながら、誰ひとり責任を取らず、取ろうともしない。安倍政権の無神経と無責任には改めてあきれてしまう。
選挙がすべてのゲーム感覚で国政私物化の愚
“身内”もサジを投げた(武藤元事務次官)(C)日刊ゲンダイ
ここまで経済失政が露呈し、景気に陰りがハッキリと出てくると、マトモな感覚の持ち主ならば、責任の重さに苦しめられる。苦境に立たせた国民に申し訳ない気持ちでいっぱいになるに違いない。
ところが、安倍首相はケロッとしたもの。国民生活より、失政隠しと夏の参院選対策が最優先で、国政をゲーム感覚で楽しんでいるフシさえ感じる。異常だ。
最近、もったいぶった言動で来年4月に予定される消費増税の先送りと、それを口実にした衆参ダブル選ムードをあおっているのも、国政を愚弄している証拠だ。増税先送りの条件に、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態のほか、「世界経済の大幅な収縮」を追加。5月の伊勢志摩サミットは「世界経済が最大のテーマ」として、国内外の有識者と世界経済を議論する新会議「国際金融経済分析会合」も設置する。
こうして増税延期への布石を着々と打ち、民・維が合流する新党の衆院候補者調整が終わらないうちに、イザとなればダブル選に打って出る。増税延期の「信を問う」と称して解散し、大勝した14年12月の総選挙の夢よ再び――。安倍の腹積もりはそんなところだろうが、冗談じゃない。
選挙に有利かどうかという歪んだ「損得勘定」のみで、増税の判断を決めるなんて、もっての外。安倍は選挙に勝つためだけに、手の内にある「増税凍結」という切り札を再び弄んでいるだけだ。権力の私物化以外の何モノでもない。
「2度も消費増税を延期するならば、増税もできないほど経済状況をメタメタにした責任は誰が取るのか。当然、その責任は安倍首相と黒田総裁が負うのがスジ。本来なら夏の参院選はアベノミクスの大失敗と、その責任者の放逐こそが争点にならなくてはいけません。首相が増税の先送りを持ち出してきたのはロコツな経済失政隠しです」(菊池英博氏=前出)
カードゲーム感覚で権力を行使されたら、たまらない。国政は安倍のオモチャじゃないのだ。
■権力の座に恋々とする哀れな我利我利亡者
さすがの安倍も「二匹目のどじょう」を狙うことには、ためらいを感じるのか。消費税に加えて、今度は憲法改正まで失政隠しの道具に仕立てあげようとしている。
唐突に改憲の目標時期について、「在任中に成し遂げたい」と初めて踏み込んだのも、そんな思惑だろう。夏の参院選で憲法改正に必要な3分の2以上の議席確保を狙う姿勢を明確にし、メディアも早速「参院選 改憲が争点に」と追随。目くらましの曲芸政治に手を貸しているが、安倍は具体的な改正項目について明言を避けている。
民主党の枝野幹事長が「何をどう変えたいのかを抜きに、改正したいというのは論理矛盾だ。あり得ない発言」と指摘したのは的を射ており、失政隠しの姑息な手段はミエミエだ。
政治評論家の森田実氏はこう指摘する。
「安倍首相は国会で『アベノミクスが失敗だという指摘は当たらない』と強弁したのですから、参院選でもその成果を堂々と訴えたらいい。消費税や憲法を持ち出し、アベノミクスの争点化を避けるのは、経済失政を自覚している証拠。あくまで権力の座に恋々とする我利我利亡者の姿です。大体、増税凍結を訴えれば再び総選挙に勝てるという“夢よ、もう一度”の発想が、国民をナメています。同じカモからなら、何度でもダマし取れるというペテン師同然の下劣な考えです」
日経新聞の最新の世論調査では、アベノミクスを「評価しない」が50%で初めて5割に達するなど、国民の意識も変わりつつある。失政を認めず、嘘とごまかしに彩られたハレンチ・ペテン政治に気付き始めている。安倍が衆参ダブルに本気で打って出るなら、やってみろだ。国民の多くは安倍政治に鉄槌を下すチャンスを待ち望んでいる。
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