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安倍政権への遺言 首相、これだけはいいたい
田原総一朗「民・維合流新党が政治を面白くすれば、支持率も上がる」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160303-00000001-sasahi-pol
週刊朝日 2016年3月11日号
一強他弱の政界に変革か――。民主と維新の合流にジャーナリストの田原総一朗氏は期待を寄せる。
* * *
民主、維新の両党が、3月に合流することで正式に合意した。両党は「新党準備協議会」(仮称)を設置して、新党名や綱領などの検討に着手することになっている。
民主党の岡田克也代表は2月24日の臨時常任幹事会で、維新との合流について、大半の民主党議員が一度離党し、解党した維新議員の移籍に合わせて新名称となった民主党に再入党する──との合流案を説明した。民主党議員たちは、このやり方で合意し、新党名についてはさまざまな意見が出たが、結局、代表に一任するということになった。
民主党の衆院議員は71人、参院議員は59人。維新の衆院議員は21人、参院議員は5人で、計156人の勢力となる。ただし、維新の参院議員は旧みんなの党の比例で当選しているために、新党に合流できず、いったん無所属になり、参院で民主党と統一会派を組んだ上で、参院選で新党の公認を出すということになっている。
それにしても、衆院で92人という勢力ができることは、政治の活性化につながる。いや、つながるようにしてもらいたい。
かつて、主たる政治記者たちは野党にほとんど関心を持っていなかった。政界の戦いといえば、自民党の主流派と反主流派の戦いであり、いずれが、いかなる戦略で相手を打ち負かすか、スリルとサスペンスに富んでいた。野党は自民党に対する批判勢力でしかなかったが、反主流派は主流派に対する政策的な対立軸を持っていて、だからこそ、その戦いがドラマチックで面白かったのだ。
だが、政治が面白くなくなった。小選挙区制によって執行部の気に入った人間しか公認されないため、反主流派も非主流派もいなくなり、自民党内での論戦というものがなくなってしまったからである。
特に安倍首相になってからは、首相のやり方に異議申し立てをする気配らしきものすらなくなってしまった。はっきり言って安保関連法案の通し方は乱暴で、矛盾も少なからずあったのだが、党内からはほとんど異論が聞かれなかった。
安倍内閣の右傾化に、かつてなら反主流派がハト派として戦ったのに、その部分が空白のため、国民の中に不満がたまらざるを得ない。その不満に応えるべきなのが新しい野党なのである。自民党に反主流派、非主流派がいなくなったからこそ、安倍政権に論戦を挑み、対抗する政策を持ち出して、でき得れば安倍政権をひっくり返す。いまこそ、そういう新野党が求められている。
民主党政権がつぶれて以後、野党はバラバラで、しかも従来通りの批判勢力にすぎなかったので、一強多弱状態が続いた。民・維が合流した新野党に私が期待しているのは、従来の野党のような「反安倍」という批判勢力であることではない。
安保関連法には矛盾点が多く、アベノミクスも行き詰まり感が強い。株価は不安定で、何よりも国民には生活が楽になったという実感がない。
かつての自民党ならば、反主流派が、いわばハト派としての政策的な対立軸を打ち出しているはずだが、それが存在していないために、国民の不満は強まりながらも安倍内閣が続いているのである。
民・維合流の新野党には、なまやさしいことではないだろうが、安倍内閣への政策的対立軸を打ち出してほしい。そうすれば国民の関心を呼び、支持率も上がるはずである。
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