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消費支出5カ月連続減…庶民はカップ麺を爆買いしていた
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2016年3月2日 日刊ゲンダイ
生鮮品も値上がりで…(C)日刊ゲンダイ
総務省が1日公表した家計調査によると、1月の消費支出は前年同月比で実質3.1%減だった。総務省は暖冬で衣類の支出が減ったためと分析したが、マイナスは5カ月連続だ。
「確かに暖冬の影響はあるでしょう。でも、それだけではありません。家計は、円安による輸入物価の高騰や、14年の消費増税の悪影響を受けたままなのです」(株式評論家の倉多慎之助氏)
実質賃金は昨年まで4年連続で減少している。こんな状況で、個人消費が上向くわけがない。シンクタンクからも「個人消費は底這い圏の推移が続く」「消費は依然低迷」といったリポートが出ている。
実際のところサラリーマン家計は、1年前とどう変わったのか。家計調査をつぶさに見ていくと、恐ろしい実態が見えてくる。
16年1月の消費支出(2人以上世帯)は28万973円。昨年1月は28万9847円だったので、減少額は8874円(3.1%)だ。この水準が1年間続くと、消費支出額の減少は10万円を超す。
シワ寄せの多くは、食べ物以外に向かっている。15年1月と16年1月の支出金額を品目別に調べたところ、暖冬とは無関係のワイシャツが5.1%減で、ネクタイは9.0%減だった。洗濯代(クリーニング代)も10.9%減、理髪料は7.8%減となっている(別表参照)。
「食べ物を削るのは難しいので、主婦たちはダンナ関連の出費を極力抑えているのでしょう。そればかりか、離れて暮らす子供のアパート代などを含む“仕送り金”も8.0%減少です。アベノミクスの現実ですよ」(市場関係者)
別表をよ〜く見て欲しい。実は食料にも節約志向がクッキリと出ている。
「最近は、売れ筋のカップ麺を特売する機会が増えました。肉で売れ行きがいいのは鶏肉だし、果物はバナナ。ふりかけも人気です」(大手スーパー関係者)
食料全体の支出額は4.1%増だが、カップ麺は32.1%も増えた。昼メシはカップ麺がメーンで、デザートは値段の高いイチゴ(11.8%減)をやめて、バナナ(8.8%増)にする。
外食は、ハンバーガー(22.5%増)だ。アルコールはシャレたワイン(9.7%減)より、お手頃価格の焼酎(12.1%増)をグビグビといく。
これが、長期にわたる消費支出減少の実態だ。アベノミクスなど庶民イジメでしかない。
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