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空振りに終わった安倍首相のG20における中国たたき
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28Feb2016 天木直人の公式ブログ
G20が終わった。その評価を書くのがこのメルマガの目的ではない。
いまの世界経済の危機を乗り切るため、各国はあらゆる政策を講じることで合意したらしい。
しかしその具体策については一致せず、さらなる協議が必要だという。
各紙が一様に報じる評価はそういうことだ。
そのくらいの事は素人でもわかる。
私がここで言いたいことは、今度のG20が始まる前の、安倍首相の中国経済批判と、それに同調するメディアの論調だ。
中国経済の悪化と株の暴落が世界経済危機の引き金だと言わんばかりだった。
そしてご丁寧に麻生財務相は会議でも次のように迫ったという(2月28日読売)。
「人民元の安定化策を含んだ構造改革の工程表を示す必要がある」と。
あまりにも身勝手な批判だ。
中国の高度成長と株高の恩恵を一番受けていたのは日本だったのに、それが悪化すると中国を批判する。
そもそも今の世界の危機は、リーマンショックに見舞われた主要国がこぞって財政出動や金融緩和のエンジンをふかせてきたことにある。
そうした行き過ぎが新興国バブルを生み、そして必然的にはじけたのだ。
もはや世界経済は運営共同体なのである。
かくて、間違った安倍首相の中国たたきは見事に空振りに終わった。
それどころか、日本のマイナス金利政策が為替切り下げ競争につながるのではないかと懸念されたらしい(2月28日日経)
それにとどまらず、日本はもっと財政出動せよと迫られたらしい。
赤字財政が膨れ上がり、国民の懐に手を突っ込んでいる安倍首相が、もっと金をばらまけと言われているのだ。
中国包囲網を狙った日本が逆に包囲された如くだ。
アベノミクス失敗へのダメ押しだ。
残ったのは習近平主席の安倍首相に対する更なる不信感だけである。
日中関係の改善は遠のくばかりである(了)
◇
麻生財務相、中国に構造改革求める…G20開幕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160226-00050177-yom-bus_all
読売新聞 2月26日(金)21時37分配信
【上海=中西梓】日米など先進国と中国など新興国で構成する主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が26日午後、中国・上海で開幕した。
麻生財務相は、初日の討議で「中国経済は、過剰設備や(不動産融資などの)過剰信用の問題がある」と指摘し、人民元の安定化策を含め、中期的な構造改革の工程表をつくるよう求めた。27日に採択するG20の共同声明で、金融市場の動揺を抑える政策協調の具体策を示せるかどうかが焦点となる。
麻生財務相は初日の討議後、記者団に対し、「世界経済は緩やかに回復に向かっているが、足元の不確実性は高まったと発言した」と説明した。中国の当局と、市場とのコミュニケーション不足が資本の流出を招き、市場の混乱につながっているとの認識を示した。新興国の資本流出問題について、G20内の作業部会で検討することになった。
一方、議長国である中国はG20の会議前、追加の金融緩和策や財政出動に言及し、財政・金融政策を総動員して景気を下支えする姿勢を強調した。
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日本が通貨の懸念材料に浮上、中国ではなく−G20財務相会議(ブルームバーグ)
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