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2016年02月26日 「ジャーナリスト同盟」通信
<今と共通する大格差拡大とデフレ>
2016年2月26日は、青年将校のクーデター未遂事件から80年目になる。大不況・デフレで庶民・大衆は、塗炭の苦しみの中にあった。東北では娘を身売りする悲惨な事態が起きていた。格差拡大は頂点に達していた。現在の貧困化を連想させる。しかし、行財政改革を棚上げした政官界と財閥は太る一方である。2・26の教訓を生かせる政治を民衆は希求している。極右による戦争体制化ではない。
<大義を生かせなかった青年将校>
思うに、クーデターが成功しなかった理由は何か。それは実行犯が「皇道派」という陸軍の派閥に所属しいていたためである。問題は、彼らの黒幕たちも、真の黒幕の庇護を受けてという制約下にあった。
ところで、なぜ安倍クーデターは成功したか。それは真っ先にNHKを制圧、安倍チャンネル化に成功したからだ。そこから、新聞テレビをナベツネ化に引きずり込むことにも成功した。
その点で、2・26はNHKを制圧しなかった未熟なクーデター計画だったことがわかる。格差拡大を解消するという、大義を生かすことが出来なかった。
<真の黒幕に的を絞れなかった未遂クーデター>
記録によると、右翼作家の三島由紀夫は「2・26事件の失敗を嘆いた」というが、問題は真の黒幕に的を絞れなかった点にある。
真の黒幕とは、資本を一手に牛耳る財閥である。もしも、財閥を抑え、資産を民衆・弱者に吐き出させていれば、青年将校の思いは実現したのではないだろうか。
<財閥の資産を吐き出させていたら?>
徳川幕府を崩壊させた維新は、西洋の武器弾薬の支援で成功するのだが、それは日本の資本主義化・金融資本が支配する日本への移行だった。
政商は、瞬く間に財閥へと衣替えする。政官界から軍部の中枢へと金を流すことで、暴利の政策を強行して、一夜にして天文学的な財を蓄えた。彼らの意思を政府も軍部も具体化、とどのつまりは侵略・植民地支配、破局へと向かわせたものである。
歴史に、もしもはないが、財閥にメスを入れていれば、三島ではないが、歴史は別の動きをしたであろう。
日本軍国主義の黒幕は、敗戦後、真っ先に解体されたが、朝鮮戦争で息を吹き返してしまった。格差拡大は安倍・自公内閣の下で、より深化している。
彼らの天文学的な資産を吐き出させる政策が、いま何よりも求められている。民衆の悲願といっていい。
<軍部・政党を操っていた財閥>
欧米に限らない。ほとんどの国では、資本が政治・政策を牛耳っている。民主主義も実体が伴っていない。それは80年前も現在も同様である。
当時もそうだが、いまの安倍政策・アベノミクスも、持てる者にさらに塩を送り込んでいることがわかる。民衆には8%、10%消費税を押し付け、彼らは脱税のし放題だ。それでいて、法人税の大幅値下げを手にしようとしている。
2・26事件の教訓は、財閥に操作される日本からの離脱を求めていることなのだ。彼らは今、安倍のお尻を叩いて、軍国主義復活による軍事利権確保へと方針転換させようとしている。
<現在も同じ腐敗構造>
国民の目をそらせることが、財閥に操作されている政治の主眼となっている。隣国との緊張政策である。
中国と衝突している尖閣(釣魚)問題は、右翼の期待を担った石原慎太郎が、強引に浮上、それを当時、松下財閥のコントロール下に置かれていた野田・民主党が外交問題化させた。安倍・極右内閣はそれを連日のようにNHKで宣伝させて、中国脅威論を民衆に植え付けてしまった。
<行財政改革で財閥・政官界の金満体質なくせ!>
日本政府の借金は軽く1000兆円を超えてしまった。先進国最悪の財政危機の国である。政府の借金は、日本国民の借金である。
「昔は100兆円も借金すると、政権が崩壊した」と言われてきた。それでいて財政健全化は掛け声でしかない。安倍・自公内閣にその気がまるでなく、超借金予算を編成、これを国会で審議中だ。まもなく成立する愚民国会を内外に見せつけている。
普通の国では、真っ先に行財政策を断行する。手始めに国会議員の大幅な定数削減と報酬の半減である。自民党はわずかな定数削減にも党利党略で抵抗するのだから、売国政党と言われても仕方あるまい。
役人も同様に定員と給与の半減が、借金大国の宿命のはずだが、実際は給与を引き上げている。本末転倒の対応に民衆の不満は大きい。「先憂後楽」という公務員の立場を放棄している。
2・26事件の先に軍国主義の日本を引き寄せて、他国民を途方もない災難へと追い込んだ。その愚を繰り返そうとする安倍・自公内閣を放任する日本とアジア諸国民でいいわけがない。
2016年2月26日記(武漢大学客員教授・日本記者クラブ会員)
<追記>
私事で恐縮だが、筆者をこの世に母親の胎内から引きずり出してくれた助産婦(産婆さん)のK・Yさんは、この2・26事件の目撃者となっていた。当時、駿河台の有名な浜田病院で助産婦の資格を取るため、勉強をしていた。同病院は皇室の出産も兼ねていた。1936年のこの日の東京は、雪が降って都心の道路は、かなり積もっていた。
しかし、Kさんは病院の用事で、歩いて皇居の方面へと向かわねばならなかった。幸い、雪はやんでいたが、足場は悪い。三宅坂に差し掛かったところで、クーデター派の兵隊が銃剣を肩にかけて、周囲に威圧感を与えていた様子を目撃したのだ。
現場の目撃者は、当時の様子からきわめて少なかったろう。彼女は貴重な目撃者の一人だった。
彼女は故郷に戻ると、助産婦となって大活躍、自転車で村中を飛び回っていた。幸せな結婚生活も、自転車で転倒して長男を流産させてしまった。無事に生まれていれば、筆者と同年かもしれない。産婆さんの流産に夫の衝撃は大きかったろう。
夫が出征中の1945年に長女が生まれたが、ハンサムな夫は永遠に自宅に戻ることはなかった。Kさんは、敗戦後の数年間を「岸壁の妻」を演じた。その分、再婚もしないで、娘を夫の身代わりと信じて大事に育てた。痛々しい限りだが、その一人娘の戦争遺児もまた、戦後70年を生きて迎えることが出来なかった。
あろうことか、信仰者の仲間が、彼女をやくざ経営のデーサービスに連れ込んだのだ。8か月後に逃げ出そうとして、やくざの殺人的脅迫に屈して即死した。突発性の大動脈りゅう破裂である。性奴隷被害者は彼女だけではない。
筆者が追及してやまない「木更津レイプ殺人事件」の被害者である。夫妻も娘も、つらい厳しい地獄の人生を送ったのだ。夫妻を戦争が、娘をやくざレイプ犯が八つ裂きにして奪った。犯人・共犯者も特定している。千葉県警の責任だろう。それにしても、この悲劇に吸い込まれた家族を、我々はどう向き合えばいいのか。筆者をこの世に送り出してくれた恩人の娘の事件である。傍観者でいいわけがない。
幸か不幸か、この日は息子の誕生日でもある。
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