金融政策に限界があるのは日銀だけに限ったことではない。 世界中どこの中央銀行でもそうだ。 現在の状況は中国経済の失速・先行き不安や原油安など海外要因の影響が大きい。 それでも、インドの新幹線受注など明るい話題もある。 日本の新幹線は中国製に比べて4割以上も高い、その条件でも受注できる日本の技術力・交渉力・国力を誇りに思う。 2016.2.25 12:41 安倍首相が経済失策批判に反論 「今こそ投資を」 http://www.sankei.com/politics/news/160225/plt1602250010-n1.html 安倍晋三首相は25日、海外の投資家らが集まった東京都内の催しであいさつし「アベノミクスが失敗したという説は全く根拠がない。今こそ日本に投資すべきだ」と述べ、日本への積極的な投資を呼び掛けた。 日本経済がマイナス成長に陥り、金融市場の動揺の背景にアベノミクスの行き詰まりがあるとの見方に反論。26日から中国・上海で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれるのを前に、投資家の不安解消を狙った形だ。 首相は、労働市場の改革を「安倍内閣の次の3年間の最大のチャレンジだ」と強調。正社員と非正規社員の格差是正を目指す「同一労働同一賃金」を実現し、生産性の向上による持続的な成長を目指すと述べた。 アベノミクスについては、過去最高の企業収益や失業率の低下、有効求人倍率の向上といった成果を列挙し「日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)はしっかりしている」と話した。 2016.1.23 13:30 【安倍首相施政方針演説・全文(3)】 1億総活躍への挑戦 http://www.sankei.com/politics/news/160123/plt1601230020-n1.html (アベノミクスの果実) 3年間のアベノミクスは、大きな果実を生み出しました。名目GDPは28兆円増えました。国民総所得は40兆円近く増加し、政権交代選挙で国民の皆様にお約束した、「失われた国民総所得50兆円」の奪還は、本年、実現する見込みであります。来年度予算の税収は15兆円増えています。社会保障を始めとする歳出の伸びを抑制し、基礎的財政収支の赤字は、政権交代前の半分以下、10兆円余りにまで減りました。 経済再生なくして財政再建なし。2020年度の財政健全化目標を堅持します。行政改革も不断に進めてまいります。来年4月の消費税率引き上げでは、酒類と外食を除く全ての食品について、10%に引き上げることなく8%に軽減し、日々の生活で幅広い消費者の皆さんに負担軽減を実感して頂けるよう、準備を進めます。 企業収益は過去最高となりました。中小企業の倒産は、政権交代前と比べて2割減り、一昨年、24年ぶりに1万件を下回りました。昨年は、さらに1割近く減少しています。雇用は110万人以上増え、正社員も増加に転じました。正社員の有効求人倍率は、政権交代前より5割上昇し、統計開始以来最高の水準です。昨年は、17年ぶりの高い賃上げも実現しました。 (GDP600兆円) 強い経済、「成長」の果実なくして、「分配」を続けることはできません。「成長と分配の好循環」を創り上げてまいります。 「介護離職ゼロ」、「希望出生率1・8」という2つの「的」を射抜くためにも、またその安定的な基盤の上に、「戦後最大のGDP600兆円」というもう1つの「的」を掲げ、新しい「三本の矢」を放ちます。 この春も、企業収益の拡大を賃金の上昇へとつなげる。昨年を上回る賃上げを目指すことで、政府と経済界の認識が一致しました。原材料コストの価格への転嫁など、下請け企業の取引条件の改善に官民で取り組みながら、最低賃金についても、1000円を目指し、年率3%を目途に引き上げます。 昨年の7月8月9月、企業の設備投資は1年前と比べ11%以上伸びました。3年後にはさらに10兆円上積みできる。その認識で経済界と一致いたしました。法人実効税率を来年度から一気に20%台へと引き下げ、国際的に遜色のない水準へと法人税改革を断行します。中小・小規模事業者には固定資産税の大胆な減税を行い、投資収益率を高め、国内の設備投資を後押しします。経済の好循環によって、内需を押し上げてまいります。 日本が、これからも、力強く成長を続ける。その成否は、イノベーションにかかっています。50年間で56億人を輸送し、死亡事故ゼロ。年間12万本を運行し、遅れは1分以内。新幹線技術は、日本が誇るイノベーションであります。トップセールスが実を結び、インドでその採用が決まりました。エネルギー、都市開発、日本には質の高いインフラがあります。国際協力銀行(JBIC)に新勘定を創設し、世界へと売り込んでまいります。 地球温暖化対策は、新しいイノベーションを生み出すチャンスです。主要排出国を含む全ての国が参加するパリ協定を歓迎します。温室効果ガスの排出量を2030年度までに2013年度比で26%削減するとの目標の下、省エネルギーと再生可能エネルギーの大胆な技術革新、最大限の導入を進めてまいります。15年間で、次世代自動車の販売を新車全体の7割にまで引き上げ、自動車市場の姿を一変させます。人工知能、ロボット、IoT、宇宙など、次世代を切り拓く挑戦的な研究を支援し、大胆な規制改革によって新しい可能性を開花させてまいります。国産資源であるメタンハイドレートの商業化を目指し、調査・開発を進めます。 筋肉が衰える難病。その皆さんが自分の足で歩くことができる。「夢のロボットスーツ」の技術は、筑波大学で誕生しました。企業の協力を得て製品開発に成功。海外の企業とも連携し、欧州に展開する製品となりました。 国内外の研究機関、大学、企業のオープンな連携から、ダイナミックなイノベーションが生まれる。あらゆる壁を取り払ってまいります。新しい科学技術基本計画の最大のテーマは、オープン・イノベーション。研究開発法人には、世界中から超一流の研究者を集めます。大学では、国内外の優秀な人材を集めて経営を革新し、積極的な産学連携など、攻めの経営を促します。日本を「世界で最もイノベーションに適した国」としていく。その決意であります。 2015.12.8 19:48 日本、中国にリベンジ インド高速鉄道、新幹線方式採用 首脳会談で合意へ http://www.sankei.com/politics/news/151208/plt1512080025-n1.html 日本側が出品した模型を前に話し合う、日本政府が開いた高速鉄道セミナーの出席者=2013年2月11日、インド・アーメダバード(岩田智雄撮影) 日印両政府は8日、インド西部の最大都市ムンバイから西部グジャラート州アーメダバード間を結ぶ高速鉄道計画で、日本の新幹線方式を採用することで合意する見通しとなった。事務レベルで詰めの協議を続けているが、12日にニューデリーで開かれる安倍晋三首相とモディ首相との首脳会談で合意し、共同声明に盛り込む方向だ。 新幹線技術の輸出は、2007年開業の台湾高速鉄道以来となる。日本はインドネシアでの高速鉄道建設計画の受注競争で中国に競り負けており、インドでの巻き返しに期待が集まっていた。 日本側からの支援額は調整中だが、大部分は円借款とする方向。 日本側は安全水準の維持のためにも車両や信号、自動制御装置などを一体で提供したい考えだが、インド側は現地生産や現地企業の受注などを強く求めているもよう。インド側の関与の度合いをめぐって事務レベルでの折衝が続いているとみられる。 ムンバイ−アーメダバード間の高速鉄道計画をめぐっては、日印両政府が13年から行ってきた事業性調査の結果を今年7月に発表し、インド側は日本の新幹線技術を推奨していた。 調査によると、路線は東京−新大阪間よりやや短い505.8キロを最高時速320キロで、所要時間は最短で2時間7分。建設期間は17〜23年と設定し、総事業費は9800億ルピー(約1兆8千億)としている。 2015.12.12 21:46 【日印首脳会談】 インド新幹線1・4兆円の円借款…利子など破格の設定で合意 http://www.sankei.com/politics/news/151212/plt1512120028-n1.html 会談を前に、記念撮影に臨む安倍首相(左)とインドのモディ首相=12日、ニューデリー(共同) 【ニューデリー=田北真樹子】安倍晋三首相は12日、インドの首都ニューデリー市内の迎賓館でモディ首相と会談した。両首脳は、日本の原発技術をインドに供与することを可能にする原子力協定の締結で原則合意した。詳細を詰めた上で署名する。また、インド西部ムンバイ−アーメダバード間の高速鉄道計画に日本の新幹線方式の導入でも合意した。総事業費約1兆8千億円のうち、最大で約1兆4600億円の円借款を供与する。両首脳は「歴史的友好関係のある日印両国の緊密な協力は戦略的観点からも極めて重要だ」との認識を共有した。 原子力協定をめぐり、安倍首相はモディ首相に、インドが核実験を行った場合、日本が協力を停止することを伝え理解を得た。この条件はインドが米仏と締結した協定には入っていない。 高速鉄道計画では、円借款の供与条件を償還期間50年(据え置き期間15年)、利子率年0・1%と「過去にない破格の設定」(日本政府筋)で合意。日本は今後、残る6路線についても新幹線方式の採用をインド側に働きかけていく方針だ。 安全保障面で両首脳は、中国の脅威を念頭に、インド洋で行われる米印海軍の共同訓練「マラバール」への海上自衛隊の恒常的参加を決定し、歓迎した。両政府は12日に防衛装備品や技術移転に関する協定と秘密軍事情報保護協定にも署名した。海上自衛隊の救難飛行艇「US2」の輸出については引き続き協議する。 2015.12.26 11:01 【一筆多論】 地政学が左右したインド新幹線 井伊重之 http://www.sankei.com/column/news/151226/clm1512260005-n1.html インド高速鉄道の建設計画をめぐり、日本の新幹線が採用されることが決まった。インドネシアで中国に逆転負けを喫した直後の大型成約だけに、鉄道関係者の喜びは大きい。今回の受注には、日本の高度な新幹線技術が認められたことはもちろんだが、何よりもインド側の外交姿勢の変化が大きく影響したという。 日本の受注が内定したのは、インド最大の都市ムンバイと工業都市アーメダバードを結ぶ約500キロの高速鉄道路線だ。最高時速320キロで走り、所要時間は現行の8時間から2時間程度にまで大幅に短縮される。 日本ではJR東日本や日立製作所などが企業連合を結成し、新幹線の車両や線路だけでなく、信号などを含めた運行管理システムと一体で受注したい考えだ。約1兆8千億円の総事業費の大部分に対し、日本は償還期間50年で年利0・1%という過去に例のない破格の条件で円借款を供与する。 また、今回の商談では、インド国内における在来線の近代化や高度化に協力する契約も結んだ。これだけでも10兆円に相当する受注機会があるとみられており、国土交通省は日本の鉄道技術の採用を働きかける構えだ。 日本の企業関係者は「日本の新幹線は中国製に比べて4割以上も高い。それでもインドが日本製を選んだのは、モディ首相が伝統的な『等距離外交』を転換し、日本との協力関係を強化することを選択したからだ」と明かす。 安倍晋三首相がインドを訪れてモディ首相と握手し、経済・安全保障分野の関係強化をうたった2日前のこと。インドのパリカル国防相が訪米し、カーター国防長官と会談した。そこではインドによる国産空母の建造に米国が協力することで合意した。カーター長官は「両国にとって歴史的な一歩だ」と評した。 安倍−モディ会談でも、米印軍の海上共同訓練に自衛隊が恒常的に参加するほか、防衛装備品の技術移転などで合意した。日米印の3カ国が緊密な共同歩調をみせるのは、海洋覇権に対する野心を隠そうとしない中国への牽制(けんせい)にほかならない。 中国は南シナ海で岩礁を強引に埋め立てて人工島の建設を進めているが、インド洋でも沿岸諸国の港湾整備に資金を提供し、潜水艦の寄港を活発化させている。インドはこうした中国による海洋包囲網に対抗するため、海軍力の増強を迫られている。そこでは日米の防衛協力が欠かせない。 以前から安倍首相と親交があり、自動車メーカー、スズキとの関係も深かったモディ首相は、親日家として知られている。だが、それ以上にインドは地政学的な観点から中国との緊張関係をにらみ、同じ民主主義国家として法の支配を重視する日米との連携に大きくかじを切った格好だ。 日本もインドとの経済的な関係を強めるため、新幹線向けとは別に1兆5千億円の投融資枠を設定し、日本企業のインド進出を後押しする方針だ。日本はインドのインフラ整備などにも協力することにしており、中国の動きをにらみながら日印は関係を一段と深めることになりそうだ。(論説委員) 2016.2.14 22:45 インドへ「新幹線」導入の行方は…日印高官初会合 人材育成が課題 http://www.sankei.com/politics/news/160214/plt1602140019-n1.html インド西部の高速鉄道計画への「新幹線方式」導入をめぐり、日本とインドは14日、両政府高官による初の合同委員会を西部ムンバイで開催し、資金や人材育成面の協力などについて協議した。年内に一定の結論を出すことを目標としている。 会合は非公開で行われ、和泉洋人首相補佐官とインドのパナガリヤ行政委員会副委員長のほか、両国の関係省庁幹部らが出席した。 安倍晋三首相とインドのモディ首相は昨年12月、ニューデリーで会談し、ムンバイとアーメダバード間の約500キロの路線に新幹線方式を導入することを決定。両国は合同委員会を設置して協議を進めることも決めた。 事業費9800億ルピー(約1兆6千億円)のうち、日本は最大約8割を円借款で支援する方向。新幹線は運行や保安などを含めた総合的なシステムで、導入に向けて人材育成などが課題となる。(共同)
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