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2016年02月24日 「ジャーナリスト同盟」通信
<改憲色薄める自民党運動方針>
「9条第2項に自衛隊明記」とまで公言、最近まで安倍改憲論は天を突く勢いを見せていた。あたかも極右・日本会議の悲願である軍国主義復活へと驀進していたが、足元の自民党が「選挙にマイナス」と判断して、少しだけブレーキをかけた。同党運動方針・選挙公約が薄められたことが、2月23日の同党総務会で決まった。安倍独裁が一歩後退したのだ。各種の経済指標、特に円を輪転機で刷りまくることで、急激な円安と株高、財閥に利益を上げさせるだけの策略も、目下メッキが剥げてしまった。このところの安倍の苦悩が、目の下の大きなクマからも見える。
<公明党の自信喪失が影響>
安倍内閣の腐敗の権化・甘利のように「睡眠障害」さえも、印象付けている。それよりも、何よりも期待してきた公明党の自信喪失が、安倍の9条解体戦略を狂わせている。
同党の若手の中には「9条解体なら連立解消だ」と息巻く者もいると聞く。これは創価学会の本部内にも存在している。「これ以上、安倍に付き合っていくと、公明党が瓦解してしまう」という危機感が、安倍独裁発言から頭をもたげてきている。
当然であろう、公明党の創立者ともいえる池田大作氏の平和主義は、現在の太田や山口らにNOを突き付けている。
<創価学会力ダウン>
池田路線を破壊する公明党に追随してきた創価学会中枢も、激しく揺れていると見ていいだろう。池田氏の思想を排除するような安倍政治を、これ以上受け入れることは出来ない、と考える幹部が多数のはずだ。
安倍の下での2回の選挙にフル回転した創価学会も、特定秘密保護法と戦争法強行を受け入れたことで、間違いなく組織も揺らいでいる。集票マシーンも大きくダウンしている。
「これ以上の安倍独裁を容認できない」ような創価学会なのだ。安倍の9条改憲を薄めた本当の理由なのだ。
<改憲に抵抗する信仰者>
公明党は、これまで中国や北朝鮮の脅威論を吹聴することで、集団的自衛権行使容認の理由として、党員と会員に説得してきた。一般の会員の中には「日本単独では安全は確保できない。アメリカの力を借りねばならない」と語っている。戦争法肯定論である。
同党は、中国・北朝鮮敵視論でもって、創価学会を説得してきたようなのだ。
このことを池田氏が聞いたらどうだろうか。彼の生涯は、日中友好そのものだった。中国脅威論は、極右の作り事であるのだが、それを公明党は承知の上で安倍に従った。池田氏を裏切ったのだ。
ここまでは、会員を上手くごまかせたが、9条改憲となると、そうはいかない。公明党のワルにも知恵はない。9条を持ち出せば、公明党そのものが馬脚を現すことになる。上命下服の宗教組織でも、平和の象徴である9条破壊を公約にすることは不可能なのだ。
野党はここを攻めることで、創価学会の力をダウンさせることが出来る。
<衆参同時選挙は厳しい>
「比例は公明・選挙区は自民」という、きわめて単純な参院選単独の選挙であれば、政治に無知な会員をうまく動員することが出来る。しかし、これに衆院選挙を同時にぶつけると、活動の主体となる学会主婦層には混乱が生じてしまうのだ。
ただでさえ、戦争法・沖縄・原発も絡んでいる選挙である。ごく普通の家庭の主婦には対応できない。2014年4月26日に、無念にもやくざの殺人的脅迫によって殺害(木更津レイプ殺人事件)された戦争遺児は「特定秘密保護法を説明しても理解できる会員は一人もいない」と常々語っていた。
彼女の「池田先生は、太田を決して許さない」は、戦争法強行によって、その怒りは学会内に拡大している。
悪魔に魅入られた太田でも、衆参同時選に否定的だ。創価学会パワーの低下を承知しているからだろう。
<最後は「ムサシ」にかける?>
繰り返すが、公明党創価学会のパワーダウンが、安倍の9条改憲論をあいまいにする理由なのだ。
それだけではない。野党統一候補の擁立に向かった動きが、具体化してきている。衆参同時選挙になれば、一気に政権交代へと突き進む。
大嘘をついて敗北した民主党は、維新と共に新党を立ち上げる。日本共産党は党利党略を放棄して、民意に沿った対応をすると約束している。これに社民党や市民運動が接着剤を果たしてゆく。自民党と公明党を知悉している小沢一郎が、参謀職を兼ねる布陣である。
一つの難題は、不正選挙が可能な選挙システム「ムサシ」の存在である。総務省と「ムサシ」、安倍と「ムサシ」の関係である。これを排除する必要があろう。手作業で十分である。
2016年2月24日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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