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オバマ大統領はケニアから留学した父と白人の母の間に生まれた。丸山発言は事実誤認 (c)朝日新聞社
オバマ奴隷発言 丸山和也参院議員の舌禍問題〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160224-00000001-sasahi-pol
週刊朝日 2016年3月4日号
口は禍(わざわい)の門とは、このような人物のことを指す。2月17日、自民党の丸山和也参議院議員はアメリカのオバマ大統領について、こう言い放った。
「いま、アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。はっきり言って」
発言の場は、あろうことか参院憲法審査会。弁護士であり、党法務部会長を務める丸山氏は、同審査会の幹事の任にあった(18日付で幹事と委員を辞任)。
人種差別としか言いようのない舌禍問題。“レイシスト丸山”の名は瞬時に海を渡った。米メディアのCNNなどは「日本のトランプか?」と報じている。
事態を重く見た民主・社民・生活の参院野党は丸山氏の議員辞職勧告決議案を提出する。これに、丸山氏は逆ギレする始末だ。
「大変誤解されている。人種差別を乗り越えてきた米国はすばらしいと言うことが批判されるのは不条理」
議員辞職の打ち消しに躍起となったのである。
民主党・参院国対委員長の加藤敏幸議員が厳しく批判する。
「誤解という言い方は、きわめて失礼です。まちがって受け止めたほうが悪いと言わんばかりです。人権に関わる発言には厳しく対処するということ。海外から非難されたからではなく、わが国の問題としてケリをつけなければならない」
丸山氏はメディアに出ても相変わらずだ。1月29日夜のBSフジ「プライムニュース」に出演し、甘利明氏の金銭授受疑惑についても言いたい放題。
「(50万円なんて)賄賂としては安すぎる。はした金で(大臣を)使って利益を取ったのかもわからない。なめられたもんだ」
同番組に、ともに出演した共産党の井上哲士参院議員が呆れる。
「ああ、またかという感じです。あまりにも低レベルだが、政治家は言葉が命です。真意とちがうと言うのなら、政治家としての資質に欠けるということ」
さらに憲法審査会では、丸山氏はこうも語った。
「日本がアメリカの51番目の州になれば、集団的自衛権は問題にならない。拉致問題も起こってない」
日本が属国であるかのような“亡国”発言だ。元外務省国際情報局長の評論家、孫崎享氏が指摘する。
「アメリカの日本に対する認識とは乖離感がありすぎる発言です。押し掛けたら女房にしてもらえるとでも思っているのか。いろいろと不規則発言する人が続出しているが、安倍さんや麻生さんの機嫌を損ねる類いのものではない。今回の黒人蔑視発言のように露見せずとも、安倍さん周辺の人々の発想など、すでにオバマ大統領は知っていますよ」
安倍政権が続く限り亡国の輩は尽きまじ、か。放置すれば国民が不幸になる。
(本誌取材班=松岡かすみ、牧野めぐみ、亀井洋志/黒田 朔、菅野朋子)
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