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【 それでも安倍政権の支持を続けるニッポン人 】
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星の金貨プロジェクト
閣僚のスキャンダルをオドロキの手法で風化させてしまった安倍首相
「民主党ではなぁ……」「でも、日本の民主主義は守らなければならない!」
政治献金の報告義務について漠然とした規定しか存在しない日本では、政治家の金融不祥事は日常茶飯事
エコノミスト 2月6日
近ごろの日本は、他の先進諸国では見られない出来事の舞台になっています。
1月29日、日本経済が再びデフレーションの中に落ちこもうとするのを見て、日本銀行はその歴史上初めて、マイナス金利の適用に踏み切りました。
そしてその前日には甘利内閣府特命担当大臣(経済財政政策)が贈収賄のスキャンダルで辞任し、日本の市民は2日続けて衝撃的なニュースに驚くことになりました。
安倍政権は支持率の低下を覚悟させられましたが、しかし世論調査は内閣支持率が3ポイント上昇し、5割を超えていることを明らかにしたのです。
安倍首相自身は自分の運の良さに改めて驚いたかもしれません。
最大野党の民主党は安倍政権第4のスキャンダルとなる甘利経済財政政策担当大臣の辞任に焦点を当て、自分たちの得点を重ねるつもりでした。
しかし民主党は2012年末の野田政権辞任の後の選挙で惨敗を喫して以来、低迷状態から脱することができずにいます。
低迷の原因は、国民を納得させられる民主党の存在意義を見つけ出せないためです。
この夏に予定されている参議院議員選挙についても、民主党は国民に何を訴えかけるべきかそれを見つけられずにいます。
民主党のポスターを見ていると、思わずこんな感慨を漏らす有権者の姿が見えてきます。
「民主党ではなぁ……」
「でも、日本の民主主義は守らなければならない!」
甘利経済財政政策担当大臣事件に関する安倍首相の手際の良い処理は、内閣へのダメージを最小限に留めました。
保守系の雑誌週刊文春がスキャンダルを暴露した後も、甘利経済財政政策担当大臣は安倍首相が個人的にも支援してくれるものと確信しているように見えました。
しかし甘利氏は間違っていました。
日本には政治献金の報告義務について漠然とした規定しか存在しないこともあり、政治家の金融不祥事は日常茶飯事に近い状態にありました。
しかし甘利氏の事務所が、政府機関による有利な計らいを求めた建設会社の社長から、封筒に入れた現金1,200万円を受け取ったという週刊文春が伝えた内容は、いくら何でもひどすぎるという印象を与えました。
1週間経たないうちに、甘利氏は辞任を表明せざるを得ませんでした。
実は2006〜2007年の第一次安倍政権で安倍首相は閣僚のスキャンダルを長引かせてしまい、政権崩壊の一因を作ったことがあったのです。
日本銀行によるマイナス金利の採用という史上初の取り組みが功を奏するかどうかはまだ不明ですが、甘利氏の辞任は安倍政権が何を鼓吹しようとも低迷したまま一向に改善しない日本経済をどうするかという難しいタイミングで表ざたになりました。
今回のスキャンダルは4月1日からの来たるべき会計年度の政府予算の国会審議を遅らせる結果となりましたが、予算の承認が妨げられる程ではありませんでした。
安倍政権が掲げる公約の中で最も大胆な取り組みである構造改革、と言ってもそれ程中身の濃いものではありませんが、その中の目玉の一つがTPP、環太平洋経済パートナーシップです。
アメリカを含む12カ国が参加し、域内の自由貿易協定を成立させるという野心的な取り組みですが、こちらの方は遅れることになりそうです。
甘利大臣はこのTPP交渉の日本代表でした。
甘利大臣の辞任により、6月1日に終了する今国会中にTPPの合意条項を承認させることは非常に難しくなった、そう指摘するのは小泉内閣で財務大臣を務めた竹中平蔵氏です。
たとえ農民が主要農産物の関税引き下げに適応適応できるように約1,100億円の補助金を受領するにしても、原則農林関係の政治団体のTPPへの反対姿勢は強いままです。
甘利大臣の後継者は石原伸晃氏ですが、安倍首相が率いる自由民主党で2番目に小さな派閥を導く人物で、ウルトラ国家主義者である前東京都知事の長男です。
経済改革を支持している人々は、石原氏の経済分野での経験不足と実績の無さに加え、これまで失敗ばかりしてきた人物が起用されたことに失望を露わにしています。
TPP交渉への熱心な取り組みはさておき、甘利大臣自身は構造改革については熱心な支持者ではありませんでした。
そして安倍首相の本心は経済改革にはありません。
野党の弱体・無策ぶりを目の当たりにして、日本国内では安倍首相がこの春早々にも抜き打ちの衆議院解散・総選挙に打って出るという推測すらあります。
日本経済も相変わらず低迷を続けていますが、日本人は安倍政権の経済政策の失敗より、中国経済の停滞がその原因だと考えがちだと、上智大学の中野晃一教授が指摘しました。
安倍首相は経済政策の推進にはそれほど政治的資産を使う必要は無いかもしれませんが、日本が他の強国同様に自在に軍事力を行使できるようにするため日本国憲法を改変するためには、安倍首相は相当のことをする必要があるでしょう。
そのためには安倍首相は衆参両院の3分の2の支持さえ取り付ければ良いのです。
国民が何を言おうが気にする必要はありません。
憲法の改定について同じ志向を持つ各政党の協力を取りつけ、参議院議員選挙で勝利し、さらに不意打ちの衆議院解散・総選挙を行って勝ってしまえば、憲法改定はもう目前です。
妙にツイている安倍首相は、今こそそのタイミングだとすでに決心を固めているかもしれません。
http://www.economist.com/news/asia/21690108-shinzo-abe-weathers-exit-scandal-hit-minister-surprising-ease-negative-rates-positive?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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内閣支持微増46.4%=参院選投票先、自民が突出−時事世論調査
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2016021900577
2016/02/19-15:08 時事通信
時事通信が11〜14日に実施した2月の世論調査によると、安倍内閣の支持率は前月比1.2ポイント増の46.4%となり、5カ月連続で上昇した。不支持率は同1.9ポイント増の33.4%。甘利明前経済再生担当相が金銭授受問題で辞任、自民党では宮崎謙介前衆院議員が女性問題で議員辞職(直後に離党)したものの、支持率に際立った影響はみられなかった。
また、夏の参院選比例代表で投票したい政党を尋ねたところ、自民党が36.6%と突出した。以下、民主党9.0%、公明党5.3%、共産党4.1%、おおさか維新の会3.5%、維新の党1.7%、社民党0.7%、生活の党0.5%、日本のこころを大切にする党0.2%と続いた。
自民党を中心とする憲法改正に積極的な勢力が、改憲発議要件を満たす参院の3分の2以上の議席を占めることについては、反対が44.7%と、賛成の39.3%を上回った。
内閣を支持する理由(複数回答)は、「他に適当な人がいない」20.4%、「リーダーシップがある」13.7%、「首相を信頼する」9.1%が上位を占めた。支持しない理由(同)は、「期待が持てない」16.0%、「政策が駄目」15.2%、「首相を信頼できない」13.8%だった。
政党支持率は、自民党が前月比0.8ポイント増の26.4%、民主党が同0.4ポイント増の5.2%。以下、公明党4.4%、共産党1.9%、おおさか維新1.4%、維新0.5%、社民党0.2%、生活とこころがいずれも0.1%。
調査は全国の成年男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は62.9%。
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