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「升永氏「私がそこまで怖がっているのは、実際に麻生さんのナチス発言があったからです。」:岩上安身氏」
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2016/2/16 晴耕雨読
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1月11日、升永英俊弁護士へ岩上安身がインタビュー。
升永弁護士は自民党改憲草案の「緊急事態条項」についていち早く警鐘を鳴らしてこられました。
この条項の危険性について、じっくりとお話をうかがいました
升永氏「緊急事態条項について、新聞報道などでは、東日本大震災や原発事故のような時に、国民の生命や財産を守る上で、政府に権限を集中させることが必要だと言われています。私自身もそう考えていました」
升永氏「ですが、自民党の改憲草案は、私が考えていたものとまったく違っていた。それに気づいたのは恥ずかしながら3ヶ月前です。ナチスがこの緊急事態条項によって、当時民主的だったドイツで、たった数日間で独裁をとった。そのことにも最近始めて気づきました」
升永氏「ナチスは全権委任法で、政府に立法権を与えた。これが制定されたのが1933年3月23日。私は、国会の多数がこれを採決したことでナチスの独裁が成功したんだと、つまり一応は民主的手続きで独裁を取ったのだとずっと思っていました」
升永氏「ところが実はそうじゃない。ナチスが独裁をとったのは緊急事態命令です。1933年3月23日の前の、2月27日に国会議事堂の放火事件があり、それを受けて翌28日に当時首相だったヒトラーはヒンデンブルグ大統領に緊急事態宣言を出させた」
升永氏「これにより反体制とされた人が、プロイセン州だけで5000人が令状なしで逮捕・拘禁された。共産党支持者だけでなく、それ以外のナチス反対派の人たちもです。言論の自由も同時に禁止されたので、これでナチスに反対する情報が国民に届かなくなりました」
升永氏「5000人というのは、私は正直それほどでもないんじゃないか、と思っていました。ですがよく考えてみると、今の日本で政権に反対している人で、発信力のある人は5000人もいないでしょう」
升永氏「今、日本で発信力のある人はせいぜい100人くらいでしょう。多くて1000人です。5000人が収容所に入れられたら、残っている人は声を上げられなくなる。日本は1億2000万人いるが、5000人の逮捕で独裁がとれるということです」
升永氏「ナチスは緊急事態命令の中で、基本的人権や表現、出版、集会の自由、通信の秘密など、一切を禁止する命令を出している。その後ナチス以外の政党は(他の右派政党含めて)全て解党させられた。残りの人は恐怖心と無気力と諦観しか残らないんです」
岩上「安倍総理は参院選後の明文改憲を明言しています。改憲は数度に分けて行うとしており、一度目のお試し改憲では9条には触らず、緊急事態条項を創設すると言っている。ですが、この条項こそが万能のジョーカー。これさえ通れば9条を変える必要もない」
升永氏「そうです。自民党の緊急事態条項案は、9条改正と比べものにならないほど怖い。ですが、これは条項案そのものを読んでも理解できないんです。ナチスがこれで独裁をとったという前例があることを知ることが大事なんです」
升永氏「ナチスの独裁ぶりの凄さというのは、1932年11月の総選挙でナチ党の得票率は33.1%だった。ところがその1年後、1933年11月の選挙で得票数が92.2%になりました。反対だった66%のほとんどが、ナチ賛成に変わった」
升永氏「なぜそうなるのか。それは、殺されるという恐怖です。1933年2月の緊急事態命令で5000人が逮捕され、7月にはナチ党以外の政党の存続が許されなくなった。緊急事態宣言を使って一気に独裁をしいたんです」
升永氏「この宣言の時点ですでに勝負が決まった。それ以降のことはつけ足しで、お化粧みたいなもんですよ。緊急事態宣言が独裁の始まりではなく、これでトドメだった」
岩上氏「しかも自民党改憲草案の緊急事態条項は、ナチスの全権委任法、つまり政府が立法府の権限を兼ねるということがすでに入っていますよね。行政府が立法府の権限を奪っちゃうわけですね」
升永氏「はい。99条に入っています。すでに全権委任法と同じ効果が入っちゃってる。法律の定めるところにより『内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる』とある。三権分立ではなくなるということです」
升永氏「私は実際に自民党が独裁を狙っているとか、誰がやられるとか言うつもりはないんですが、そういうリスクがゼロではないということ。論理的に考えて、あり得るということなんです。こんな危険な憲法改正はやらない方がいい」
岩上氏「よく私のツイッターに、フランスもアメリカも国家緊急権を持っているじゃないかと言ってくる人がいる。ですが、自民党の改憲草案は、憲法で政府に立法権を与えたり、期限の制限がほとんどなかったりと非常に怖ろしいものになっています」
升永氏「条項に期限をつければいいという問題でもないんです。ナチスの緊急事態宣言にも『暫定的』という条項が入っていました。それでも1933年2月28日から1945年のドイツ敗戦まで続いた。期限をいくら付けても独裁国家では結局延長されてしまう」
升永氏「フランスは確かに緊急事態宣言を歴史的に持っています。ところがアメリカの憲法にはない。憲法の中に緊急事態宣言がないから近代国家じゃないなんて、大ウソです」
岩上「ドイツはワイマール憲法の中に緊急事態条項が入っていたということですね」
升永氏「そうです。民主的と言いながら、私に言わせれば、そこが欠陥だったんです。そういう意味ではフランスもそうです」
升永氏「独仏と英米法は違うんです。人権を保護することについては英米法が優れている。アメリカの憲法に緊急事態条項がないのもその顕著な例です。法の支配、裁判所がしっかりしている。憲法に従って人権を侵害する法律を無効にしますから」
岩上「法律の戒厳令でも、必要なら憲法に従って違憲無効が出せる。立憲主義的な復元力があるんですね。緊急事態条項が憲法に位置づけられることが問題だということですか?」
升永氏「そうです。憲法に入ってしまえば人権を侵害しても違憲無効と言えなくなるんです」
升永氏「自民党改憲草案では、98条(緊急事態の宣言)で内閣総理大臣一人で緊急事態条項を出せることになっています。内閣とすら書いていない。閣議にかけるとあるが、あくまで総理がイニシアティブをとって行えることになる」
升永氏「閣議ってすごいハードルがあると考えるのは大間違いで、内閣総理大臣はたった一人で閣僚を任命できるんですよ。議会の多数の同意も必要ない。だから、閣議は何のプレッシャーにもならない。総理大臣がやりたい放題やれる規定になっている」
升永氏「しかも、緊急事態宣言が出せるのは災害の時だけではない。『外部からの武力攻撃』『内乱等による社会的秩序の混乱』。内乱等ですから内乱でなくてもいいんです。例えば昔、新宿西口駅で騒乱があったでしょう。あれも社会秩序の混乱になるでしょうね」
升永氏「あと『地震等による大規模な自然災害』。これも『等』と書いているので、地震だけじゃない。そして『その他法律で定める緊急事態』。非常に曖昧な内容になっている。例えば、特定思想に網を掛けることも憲法上許されることになります」
岩上「さらに『内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い』とある。これは国会承認の要らない予算権を持っちゃうということですよね。さらに『地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる』とまで書いている」
升永氏「そうです。ですが、私はもう地方自治体の自治権や予算権のレベルの話じゃないと思ってるんです。あれもこれも悪いと言っていたら、本当の怖いところが見えなくなってしまう。これはもっと大事な問題。やはり基本的人権に関わる問題なんですよ」
升永氏「つまり、独裁こそが何より怖いんです」
岩上「なるほど。『何人も(略)国その他公の機関の指示に従わなければならない』ここが一番怖い」
升永氏「はい。今でも日本には災害対策基本法など、緊急事態に対処する法律はある。それは確かに必要です。そこに加えて、あえて憲法に入れる必要はない。世界最強のアメリカには憲法に緊急事態命令はない。それでも国は成り立つんですよ」
升永氏「明治憲法はたったの56年しか続いていない。今の憲法は70年続いたんですよ。国民に定着して、しかも緊急事態宣言などなくたって、日本は潰れないで生きてきたわけです。変える必要ないじゃないですか」
岩上「では言論の自由についてですが、自民党改憲草案21条2項にある表現の自由についてはいかがですか?」
升永氏「1925年、大正末期に治安維持法ができました。この怖さは、73歳の体には染み込んでいるんですよ。この法律がどれだけ戦前の日本を支配したか」
升永氏「治安維持法一条一項は『国体を変革し又は私有財産制度を否認することを目的として、結社を組織し又は事情を知ってこれに加入した者は、10年以下の懲役又は禁錮に処す』とある。たったこれだけの、非常に簡単な法律でしかないんですよ」
升永氏「だがこの法律こそが、戦前の日本の思想弾圧の法律です。今でもこのような法律を、国会の過半数さえ賛成すれば作れてしまうわけです。仮に作られれば、我々としては、それは憲法違反だと言って抵抗するしかない」
升永氏「自民党の改憲草案21条では『集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する』と書いたあと、『前項の規定にかかわらず』とある。これは第1項で何を書いていようが、ということです」
升永氏「『前項の規定にかかわらず、公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的とした結社をすることは、認められない』。つまり記事を書いたり、インターネットで配信することも禁止すると、憲法に書き入れることになる」
升永氏「その自民党改憲草案の憲法のもとに、もし治安維持法のようなものができれば、最高裁は、治安維持法に違憲・無効という判断は出せなくなる。すさまじいことですよ」
升永氏「今、我々ができることは、とにかく改憲勢力を3分の2にしないこと。そのために草の根の運動をすることです。参議院で3分の2を防ぐことに全力を傾注する。それ以外にないと思います」
升永氏「参院選では緊急事態条項が争点にならなければ。もう一度民主党の岡田さんと議論してもいいのではないですか。まだ憲法9条が一番の争点になるとおっしゃているようでは、この条項や言論の自由が否定される壊滅的な打撃を理解しておられない」
升永氏「私がそこまで怖がっているのは、実際に麻生さんのナチス発言があったからです。彼は『静かにやろうやと。憲法はある日気づいたら、ワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。 あの手口に学んだらどうかね』」
升永氏「この発言は2013年7月29日、公開の場でおっしゃった。この時すでに閣僚だったんですよ。今も財務大臣です。これは明らかに失言です。酒の席で言うことです。だけど、どこで言おうが腹の中でそう考えているということでしょう。これは凄いことですよ」
升永氏「こういうことを言った人を、総理大臣が責任を取らせたり、決別していないでしょう。『ナチスの手口を学んだらどうか』という本心を、本当に持っている人だと国民が疑うだけの正当な理由になりますよ。失言では済まないです」
升永氏「もし今の総理や麻生さんが独裁を狙っていなくても、他の人が5年、10年後にはやるかもしれない。少しでもそんなリスクのある憲法を、わざわざ作る必要はないじゃないか。私はそう思います」
以上でインタビューの連投ツイートを終了します。現在、この動画も配信中ですので、ぜひこちらもご覧下さい! 【動画】http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281877 … @iwakamiyasumi
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