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「他人のせい」(C)日刊ゲンダイ
悪いことは全て「他人のせい」の情報操作に加担する大メディア 永田町の裏を読む 高野孟
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/174625
2016年2月4日 日刊ゲンダイ
年初からの株価崩落でアベノミクスの化けの皮が剥がれ、甘利明経済再生担当相の閣僚辞任で屋台骨が傾いで安倍政権もヨタヨタ。さぞかし内閣支持率も下がるだろうと思いきや、先月末の各社調査では、その1カ月前に比べて49.4%から53.7%へ(共同)、43%から51%へ(毎日)と、4〜8ポイントも上昇している。
その原因について、日経2日付は「内閣支持率なぜか堅調」と題した分析記事を掲げ、甘利疑惑の早期収拾、従軍慰安婦問題での日韓合意、SMAP騒動による紛れ、野党の低迷などいろいろな要因を挙げているが、その中で「年明けから続いた株価の大幅な下落も、アベノミクスへの不信よりも、むしろ中国の景気不安や原油価格の急落など海外発の要因に目が向いた」ことを指摘しているのが興味深い。
NHKや朝日を筆頭に(もちろん日経自身を含めて!)マスコミが盛んに流している論調は、「中国経済の減速」こそが最大の心配事であり、その中国の需要減が主因となって「原油価格下落」が引き起こされていて、そのどちらもが「日本経済には打撃」になりそうなので株価が暴落した、というものである。しかし、中国経済の減速は習近平政権がスタートする前から公言していたことで今に始まったことではない。さらに、統計を調べれば分かるが、昨年を通じて中国の石油消費は減るどころか増え続けていて、原油価格下落が中国のせいだというのは冤罪である。
原油価格の下落が日本経済に悪影響を及ぼすなどというのはますますタワゴトで、ガソリンや灯油、それに産業用の重油の価格が下がれば国富の海外流出が10兆円近くも抑えられ、その分、経済活動が活発になって消費を押し上げるプラス要因になると考えるのが常識だろう。
原油価格が長期低迷して「悪影響」を受けるのは、石油の先物市場で巨額かつ超高速のマネーゲームを展開して大儲けをしてきた投機ファンドと、その投機家に頼って人工的な株高をつくり出し、「成長幻想」をあおってきた安倍政権だけなのだ。
悪いことは何もかも「中国のせい」「他人のせい」でごまかして、アベノミクスの真実から目をそらせようとする投機屋たちの情報操作に、マスコミもまた加担しているという狡猾な支配構造を見抜く必要がある。
高野孟
ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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