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甘利さんも「泥舟・アベノミクス」から逃げたかったんだ
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2016/02/14/post-652.html
サンデー毎日 2016年2月14日号
牧太郎の青い空白い雲 連載557
子供たちは「泥舟は危険だ」と知っていた。
江戸時代の寺子屋では、儒教的な道徳を取り入れた『六諭衍義大意(りくゆえんぎたいい)』という、今でいう教科書のようなものが配布され「目上の者に害をなす悪者は徹底的に罰せられなければならない」と教えられた。
勧善懲悪である。江戸時代に人気のあった「五大昔話」......『さるかに合戦』『花咲爺』『かちかち山』『舌切雀』『桃太郎』はもちろん勧善懲悪。「目上の者に害をなす悪者」は決まって仇(あだ)討ちされる。
「かちかち山」は、ウサギが「貪欲のタヌキ」を懲らしめる話。ウサギはタヌキの"食い意地"を利用して漁に誘い出す。ウサギが木の舟と一回り大きな泥の舟を用意すると、思った通り、貪欲なタヌキは「たくさん魚が乗せられる」と泥の舟を選ぶ。ところが、沖へ出てしばらくたつと、泥の舟は溶けて沈んでいってしまう......という話。
どんな時代でも「欲と道連れ」の大人たちはいるが、子供たちは「泥舟は危険だ」と知っていた。
× × ×
「大船に乗ったつもりで」と言われ、アベノミクスの「舟」に乗った人々は、このところ、あちこちで裏切られている。 アベノミクスの"生みの親"とされる浜田宏一・米エール大名誉教授の"仰天発言"が話題になっている。1月中旬のテレビ番組で、6日連続で下落した日経平均株価の異常事態を受け、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の損失リスクに対する感想を問われた浜田名誉教授は、こう言い放ったという。
〈(国民を)教育しなければいけなかった。損をするんですよ、これだけ儲(もう)けるんだから〉
〈損をするんですよと(国民に)言っておけと、僕はいろんな人に言いました〉
浜田名誉教授は安倍政権の内閣官房参与として、アベノミクスなどの経済政策を助言してきた中心人物。経済オンチの安倍首相にとっては"大船"のような人物である。その浜田名誉教授がGPIFの運用は〈損する〉と初めて白状した。泥舟を認めた。
浜田名誉教授にしてみれば「ハイリスク・ハイリターン」を指摘していた、と言いたいのだろうが......すでに、GPIFは2015年7〜9月期に年金資産を約8兆円もパーにした。
日銀は株価を支えるため、今年になって1000億円以上を投じているというが、暴落は止まらない。どうやら浜田名誉教授は「アベノミクス」という泥舟から、いち早く逃げようという魂胆らしい。
× × ×
前々回の小欄で、元総務相の竹中平蔵・慶應大教授の「逃げっぷり」を書いた。「アベノミクスの"最大の売り物"トリクルダウンの効果が上がっていない!」と聞かれると「滴り落ちてくるなんてないですよ。あり得ないですよ」と言い放った。まるで他人事(ひとごと)。見上げたもんだよ、屋根屋のフンドシ......ではないか?
「アホノミクス」から見事に逃げ切った。
× × ×
本当は「逃げたくて逃げたくて仕方ない」のは、甘利明さん(経済再生担当相)だろう。
矛盾だらけのTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の議論でヘトヘト。本音は「誰か代わってくれ」だろう。ちょうどいい具合に「ワイロ疑惑」が降って湧いた。告発男性がメモや録音を『週刊文春』に提供しているので、自民党内には「告発男性にハメられた」という同情論が浮上している。告発男性を「ゲスの極み」と罵倒する向きさえある。
安倍さんは「甘利がいなくなったら、TPPについて誰も答弁できない」と真っ青。甘利さんの手練手管が必要だ。彼がいないと、TPPという「泥舟」が明々白々になる。だから「甘利」を死守したい。
でも、しばらくたったら......、ご本人は「これがグッドタイミング。安倍さんの泥舟から逃げ出しておこう」と思っていた......。
気づいたら、安倍さんの周囲には「誰」もいなくなって......「潮目」がやって来た。
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