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2016年01月10日
安倍晋三の頭の中が如何にカラッポかが判る国会答弁がさく裂した。取り巻き官僚や竹中平蔵らが、“どんだけ〜”アベの脳味噌に嘘を叩き込んだか窺い知れる答弁だった。前日の、“一億創生”は、言い間違いだと言い訳も出来るが、今回の方は、“ツンボ桟敷”裸のバカ殿丸出しの答弁だった。
国会予算委員会において、民主の山井議員から「民主党政権に比べて、第2次安倍政権の方が実質賃金の減少率が高い」と指摘されると、「ご指摘の実質賃金の減少についてでありますが、景気が回復し、そして雇用が増加する過程において、パートで働く人が増えれば、一人当たりの平均賃金が低く出ることになるわけであります。私と妻、妻は働いていなかったけど、景気が上向いてきたから働こうかということで(パートで)働き始めたら、(月収で) 私が50万円、妻が25万円であったとしたら、75万円に増えるわけでございますが、2人で働いているわけですから、2で割って平均は下がるわけです」
ハァー? 女房が、パートで働きだして25万円。亭主の僕が50万円。〆て我が家は月収70万円。それを2で割るから、平均賃金は下がるわけです、と何らのてらいもなく答弁したのには、腰が抜ける。この例示は、竹中平蔵が、派遣社員やパート労働が増えると、一人当りの賃金は下がるが、一家庭を単位としてみた時、雇用機会が増加するので、一家庭単位の合計収入は増加すると云う、詐欺まがいの屁理屈とまったく同じパターナルなレクチャーに乗っかったのだろうが、説明した人物は、きっと8万と30万くらいで説明したのだと思う。それを聞いた安倍は、収入の例示が低すぎると思い、答弁のようなイケイケな数字に置きかえたのだろう(笑)。ど田舎の村長でもやらないような笑い話だ。
まあ、安倍晋三の事実認識なんてものは、概ねこんなもので、特に驚くには値しない。それよりも、重要なことは、ここまで「無知で無恥な政権」をのさばらせている元凶である、嘗ての政権政党“民主党”の自堕落、体たらくは、これに輪をかけて悲惨である。最近、民主党と維新の党が統一会派を作った。そのこと自体が、既に無意味なのは当然だが、その統一会派に至った合意文書と云うものは、読むに堪えられないシロモノで、白紙にサインした感じだ。
何ということはない、この統一会派までもが、おおさか維新に限りなく近い、自公政権の補完勢力的な合意を確認しているのだ。あまりに合意文書が寂しいので、基本的政策合意(案)なんてものまで作ったが、この中身がメチャクチャなのだ。民主党内の右、左、中間派に配慮しているので、どっちにでも転べる建てつけの霞が関文学になっている。安保法制も内容により是々非々。憲法改正は時代の要請もあるだろうから……。つまり、一部改正はあってもイイかも?TPPもあってもイイかも?原発再稼働も、あってもイイかも?公務員改革は放棄なんちゃって、もう救いようがない有様なのである。
こんなものでは、安倍自公政権を容認した「野党勢力」に等しいわけだ。違いを無理やりに探せば、俺たちの政権で実行はOKだけど、安倍政権での実行は反対だ。そういう本音を暴露したような統一会派なので、これは相当に悲惨だ。おそらく、ほとんど、安倍自公政権に対峙するポジションを認知されることはない。現状を見る限り、民主も維新もおおさか維新も元気にする…も、総じて“親安倍自公政権”。出来たら、僕たちも閣内協力って感じになっても良いのですが……、とアピールしているようにさえ見えてくる。
気がつくと、自公・民主・維新・おおさか維新・元気の大連立政権誕生なんて、トンデモナイ、第二次・大政翼賛会の誕生に至る。今回の腰が引けた、おっつけ仕事紛いの弥縫策で、国民の要請に応えている野党の姿勢だと、万が一にも思っているのであれば、これは、救いようはない。安倍ファシズム政権以上にリスキーだ。ナチュラルに鵺な体質を抱え込んだ、コウモリ以下の政党と云うことになる。考えれば考えるほど、民主党と云う政権は、小沢―鳩山ラインがあって成り立っていたわけで、それが抜けたのだから、烏合の衆以外の何者でもないのだろう。
ここまで、民主党の惨状を見せられると、今後の展望など、考えること自体がナンセンスと云うことだ。松野・江田・前原ラインで“アベ湯党”でも作ればいいだろう。中間派は“連合党”でも作り、左派連中がいるなら、“社民・民左党”でも作ったら如何だろう?結局、解党的出直しじゃなく、解党が正解なのだ。このような流れが見えてくると、安倍の化けの皮が、どれ程剥がれようとも、政党らしいカタチになっているのが自民党だけだから…となり、政権政党の選択肢を国民に提示できない事態も想定されてしまう。まさに、最悪だね(笑)。
こうなると、小沢一郎(生活)、志位和夫(共産党)+市民連合(SEALDs、立憲デモクラシーの会、安全保障関連法に反対する学者の会等々15団体)による、安倍自民政権カウンター勢力が、社民や民主党の一部を吸収して、安保法制廃案を中心に据えた候補者選定作業に入るべきかもしれない。今回の安保法制の廃案を目指すことは、結果的に、辺野古新基地建設、原発再稼働問題を飲みこむことになるわけで、敢えて旗印にしなくても良い。風が吹けば桶屋が儲かる、の論理で行けば、中央集権の弊害の改革(地方主権)に繋がるし、戦後日本の体制の総ざらいに至るものと考える。当然のことだが、外交姿勢も世界の多極を視野に入れたものになって行く。
善いか悪いか、様々な議論があるところだが、世界的な潮流としては、「白か黒か明確に」と云う傾向が強くなっている。おそらく、現在の世界状況は、白か黒かハッキリさせろ!結果的論を見て、白が正しいか、黒が正しいか、為政の状況を見て判断するので、先ずは、旗幟を鮮明にしてくれ。そのような要望が、民主主義的手続きを踏んでいる国も、そうでない国も、国民の要望がそうなっている事実が重要だ。多面的グローバリズムの蔓延が惹き起こした、この人々の要望を満たせる勢力に、最終的には陽が当たるのではないかと筆者は考える。
なにも、今夏の参議院選が最終戦争ではないわけで、安倍の改憲行動にしても、そう易々と動けるものではない。必ず、その間に、中東の勢力図が大きく変わる。ユーラシア大陸自体の趨勢も変わる。アメリカ経済や中国経済にも、悪化材料が、出てくる。勿論、アベクロミクスは真っ黒けの黒焦げになっているのだから、自民党カウンター旗幟鮮明なグループに、国民の目線が向かう可能性がある。経済の疲弊と、まさに生きていけなくなる社会不安の蔓延は、既得権勢力にとって、末期の膵臓がんに罹患したようなものになる。そう云う意味では、今夏の選挙に絶対勝たなければならないと云う悲壮感を持つ必要もないだろう。
≪ 民主代表 党名変更に言及 維新と合流「3月までに決断」
民主党の岡田克也代表は8日の記者会見で、夏の参院選前の維新の党との合流に関連し、「党名を変えるなら地方組織を含めて周知徹底が必要になる。綱領や規約も必要になる」と述べ、党名変更も選択肢になるとの見解を示した。岡田氏が党名変更の可能性に言及したのは初めて。
野党再編に積極的な民主党の保守系議員や維新の党幹部が党名変更を主張しているが、執行部はこれまで慎重だった。党名変更について岡田氏は「合流は決まっていないのであらゆることが考えられる」と述べた。「参院選前に合流するなら、3月いっぱいまでに決断しないと間に合わない。3月を越えて決まらないなら合流はないだろう」と述べ、両党の合流は3月末が期限との考えも示した。
両党は今国会から衆院で統一会派を組んでいる。ただ、合流方法を巡っては、民主党を存続政党にして維新の党を吸収合併するのか、両党を解党して新党をつくるのかという方向性が定まっていない。
民主党執行部は、党名変更や新たな綱領、規約の策定が実現すれば、吸収合併方式でも「新党」の体裁は整うとみている。1998年に旧民主党に他党が合流し新民主党を結成したときや、2003年の旧自由党との合併時には党名は変えなかった。党名変更すれば96年の旧民主党設立後、初めてになる。
≫【毎日新聞:田所柳子】
≪ 特集ワイド
民主党、愛されない理由
■民主党、愛されない理由(わけ)
なぜ広く国民に愛されないのか。ほんの3年前には政権の座についていた野党第1党、民主党という存在だ。安全保障関連法制を巡り、自民党があれだけ非難を浴びたにもかかわらず、民主党に支持が集まるわけでもない。逆に「あそこにだけは政権を任せたくない」との声は根強い。共産党との連携、維新の党との新党設立案も浮上する中、「もはや解党して出直すしかない」との声がじわじわ高まる。民主党はどう向き合うつもりか。【宇田川恵、石塚孝志】
野党選挙協力煮え切らず/政権時失敗で弱腰/迫力不足 解党し裸になって考えろ/執行部全入れ替えの覚悟で
「共産党と組むことが、民主党にとってそんなに不都合なんですかね。ぜいたく言ってる場合じゃないでしょ。『安倍政治』へのカウンターパワー(対抗勢力)をつけなければお話にならないんだから!」。強い口調で民主党を非難するのは、ほかでもない。民主党ブレーンで知られる法政大教授、山口二郎さんだ。
怒りの矛先は、来夏の参院選に向け、共産党が呼び掛けた野党結集に、民主党が煮え切らない態度で応じていること。民主党の岡田克也代表は、共産党が安保関連法廃止を目的とした暫定的な連立政権構想を掲げていることを挙げ、「政権を共にするという前提を外してもらわないと(選挙協力などの)話は進まない」と主張。背景には党内の根強い共産党アレルギーがある。
しかし、安保関連法の成立後も反対運動をあきらめない人の多くは野党結集を望んでいる。大学生らの団体「SEALDs(シールズ)」のメンバーも10月末の記者会見で「来夏の参院選に野党の統一候補が出るなら応援する。野党は政策や立場の違いを超えて選挙協力をしてほしい」と訴えた。参院選で与党が圧勝すれば、今度は安倍晋三首相の悲願とされる憲法改正へ道筋が開かれる可能性もある。これを阻止したい人たちが、強力な対抗勢力を求めるのは自然な願いだ。その願いに応えられていないのが、この国の野党第1党なのだ。
民主党の支持率は低迷している。10月の毎日新聞の世論調査では、政党別支持率で自民党が31%に対し、民主党は9%。民主党政権発足直後の2009年9月、民主党の支持率は45%(自民党は12%)にも上った。目を覆わんばかりの衰退ぶりだ。党員・サポーター数さえ、最近は約23万人とピーク時から3割強も減っている。なぜこれほど支持されないのか。
漫画家の倉田真由美さんが分析する。「漫画で言うところの『キャラ』が立ってないんです。ヒール(悪役)にもなれないし、主役にもなれない」。それはなぜだろう。「民主党からは主義主張が伝わって来ないですよね。一度政権を取って、いろいろ失敗をやらかしちゃった。民主党政権時代は、世界経済が悪化し、東日本大震災も起きて、運も悪かったと思うんです。でも今の民主党はまた失敗するのを恐れるあまり、弱腰になっている。それがますます影を薄くしているんです」
民主党の不人気が政権時代に起因するとの見方は多い。政治アナリストの伊藤惇夫さんは「安倍政権の支持率が大きく下がらない理由の一つは、多くの国民が 『民主党政権に比べればまだまし』と思っているからでしょう。その根本には民主党政権の失敗の要因が徹底解明されていないことがあります。きちんと総括していないことは問題です」。
迫力不足を嘆く声も多い。風刺コント作家、松崎菊也さんは象徴的な場面として、7月に衆院特別委員会で安保関連法案が強行採決された際の出来事を持ち出す。民主党の辻元清美委員が浜田靖一委員長(自民党)の目の前で手を合わせ「お願いだから、やめて」と繰り返した。「拝んじゃダメだよ。拝むんじゃなくて、つかみかかる。そのぐらいの迫力を感じさせなくちゃ。安倍政権はやることは悪いが、突破力はある。今の民主党には切迫感さえないよね」
そもそも民主党に政権奪回の意欲はあるのか。山口さんは渋い口調だ。「なんか不思議なんですよ。政権交代を目指すプロセスではあれだけ頑張ったのに、政権から滑り落ちた後はすっかり意欲をなくしてしまって。政権交代という役割を終え、野党第1党に安住しているだけのようだ。もう一度奮起しなければいけないといつも言うんだが、笛吹けども踊らずって、まさにこういうことかと。民主党の中で政権を取ろうという人は実は少数なんじゃないか、と最近は考えてしまいます」
歯がゆい大政党。このまま息を潜めるつもりか。来夏の参院選まであと約8カ月だ。起死回生を果たし、対抗勢力の一翼を担う道はあるのか。
松崎さんは「解党すべきだ」と言う。「一回なくしちゃえばいい。国会議員一人一人がむき身の裸になり、この国をどうしたいのか、胸に手を当ててよーく考えてほしいね」
倉田さんも「もう解党して新しい政党をぶち上げるしかない。そして今の民主党に足りない人材を広く集めるべきです」と訴える。「自民党は『1億総活躍社会』推進の国民会議に菊池桃子さんを引っ張り出してきたんですよ。対抗するには、国会前デモで安保関連法反対を叫んだ石田純一さんを特別参謀に呼ぶぐらいじゃないとダメ。国民があっと驚く手腕を発揮しなければ、地に落ちたイメージはぬぐえないです」
一方、山口さんは「解党を求める気持ちは分かるが、格好だけ新しくしてもあまり意味がない。それより、憲法観や経済政策に関する路線論争をきっちりやるべきです」と強調する。自身は「民主党は日本における社会民主主義の政党になるべきだ」と訴えているが、党内はリベラル派から保守系まで幅広く、思想やイデオロギーがわかりにくいとの声は根強い。党の姿勢やビジョンを明確に示すことこそ最優先の課題だという。「とにかく共産党を含めた野党間の選挙協力は最低限やるべきです。内部でごちゃごちゃ言っている暇はないんだ。参院選で民主がボロ負けしたら、もう日本で2大政党の実現は無理だと思いますよ」
そんな中、保守系の細野豪志政調会長、前原誠司元代表らが、民主と維新両党を解党して新党を作ろうとの動きを見せている。岡田代表は「党の本質が変わらないと。看板の掛け替えではだめだ」と解党には慎重だが、党の正念場が迫っているともいえる。
伊藤さんは言う。「細野さんらの主張は、連合に支えられた今の民主党では難しいだろう。しかし、与党の補完勢力みたいな野党が多い状況で、与党に緊張感を持たせるには、民主党が対抗勢力の中心にならざるを得ない。再編や体質改善をするのなら、執行部を全部入れ替えるぐらいの覚悟で取り組むべきです」
高まる不信とその奥底にある消しがたい期待。今の民主党にどこまで響くだろう。
≫(毎日新聞)
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