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2016年01月09日 「ジャーナリスト同盟」通信
<鳩山・自由党と児玉金塊>
最近の新聞テレビの右傾化はひどすぎる。現場の政治記者も編集幹部も、極右化した自公連立内閣を真正面から批判しない。そこでこの機会に、戦後の改憲軍拡史を簡単になぞっておきたい。20年の現役政治記者時代には、見えなかった史実でもある。それは財閥の変遷史でもある。黒幕はCIAである。
敗戦後の鳩山・自由党を第一党にした原動力は金である。この金は、日中戦争時代、児玉誉士夫が上海でかき集めた金塊である。これをお金に換えて、その資金力で鳩山一郎・自由党が勝利した。
右翼の親玉と自民党の前身である自由党の、そもそもの正体である。中国から返還を求められたら、どうなるのであろうか。日本軍の中国からの略奪資金が、自民党政権を可能にしたことになる。児玉の戦後史と自民党右翼のそれは、一体関係にある。中曽根―ナベツネ―児玉ラインはあまりにも有名である。
<平和憲法誕生と吉田内閣>
9条を骨格とする日本国憲法は、吉田茂内閣の下で実現した。親英米派外交官にワシントンは白羽の矢を当てた。鳩山一郎を追放した。
吉田の下で、日本の戦後復興は実現する。肝心のワシントンは、米ソ冷戦下、対日方針を大転換する。戦争放棄の9条を改悪して再軍備を求めてきたのだ。1950年の朝鮮戦争が契機となった。
<9条改憲に抵抗した吉田茂>
せっかく復興した日本経済である。血税を投入する改憲軍拡に吉田は反対した。改憲軍拡は、ようやく復興した日本経済を破たんさせるためだ。
これは、吉田にとって論外なことである。妥協の産物が自衛隊、軍隊ではない軍事機構である。占領下の悲しい決断だった。
<造船疑獄で吉田退陣>
改憲に反対した吉田内閣のもとで、CIAは反共主義勢力の岸信介と鳩山にテコ入れする。二人とも戦争責任の汚名を着ている。前者はA級戦犯である。財閥の代弁者である商工官僚だ。
この辺の事情は、ワシントンで公開された公文書で明らかとなっている。CIAの日本工作は、アメリカの属国である日本を裏付けている。反共の砦としての日本を鳩山―岸連合に託したCIAである。
そこに右翼・児玉が張り付いた。軍用利権には必ず児玉が絡む腐敗構造である。中曽根も「児玉先生」といって服従した。中曽根を児玉に紹介した人物が、読売のナベツネとされる。
CIAは造船疑獄をテコにして、吉田を退陣させると、鳩山―岸の天下へと持っていく。CIAの全盛期だ。
<CIA工作で鳩山・岸連合>
ワシントンの対日政策は、くるくる変わる。比例して日本の内外政が揺さぶられる。しかしながら、戦争放棄の9条は傷つきながらも倒れようとはしない。
日本国民の平和主義は確固たるものだった、からである。メディアも健全だった。労働組合も反戦平和を主張した。9条はマスコミや野党で健在だった。保守党内でも同様だった。当時、財閥右翼が立ち上げた産経新聞は存在していなかった。
朝鮮戦争で復活した財閥も、当時の政治力・資金力は弱かった。その分、CIAの資金がモノをいった。
鳩山―岸連合は、児玉の金塊とCIA資金で政権を掌握することになる。保守合同は、自由党と民主党が合同して政権の維持を図るのだが、背後の黒幕は日本の左翼化を阻止するCIAの実績でもあった。
CIAによって、保守党内に戦前派・天皇制国家主義者がもぐりこんでしまった。これが安倍・連立政権の源流である。
<改憲解散に失敗した鳩山内閣>
CIAは鳩山―岸連合に9条改憲を指令した。そのことを公約して総選挙を実施したのだが、日本国民は3分の2を与えなかった。
健全な野党・新聞が後押ししたからでもあった。鳩山内閣は改憲解散に失敗すると、ひそかに日ソ関係打開へと動く。日ソ国交回復は鳩山の手柄である。
CIAは本命の岸にテコ入れする。自民党初の総裁選挙は、CIA支援の岸とこれに反発するリベラル派の対決となった。後者が2,3位連合を組んで石橋湛山内閣が発足した。石橋は日中国交回復を実現しようとした。だが、病に倒れて1か月天下で終わってしまった。
石橋の病にCIA工作を指摘する向きもある。
<岸の日米安保改定>
岸を政権に就けることに成功したCIAは、日米安保の強化を指令する。これが世にいう60年安保改定である。
日本独立を条件に押し付けた、日米安保を強化させるワシントンのアジア太平洋戦略の開花といっていい。沖縄の占領を固定化させる策略でもあった。
これに学生・労働者・市民・野党が決起した安保騒動は健全なナショナリズムの発揚ともいえた。この抵抗運動は空前の広がりを見せた。ところで岸の孫は、自衛隊まで差し出す悪法、憲法違反の戦争法を公明党創価学会を巻き込んで強行した。これほどの売国奴政権は過去にない。
<岸の反中政策>
岸外交は反共主義に絞られる。そのため日中の民間外交にまで横やりを入れた。長崎国旗事件を契機に両国関係は冷却する。
台湾の蒋介石政権が中国を代表するという政治的トリックを踏襲した岸外交だったが、流れは長く続かなかった。
<池田内閣は護憲・親中路線>
60年安保で退陣した岸の後継首相となった池田勇人内閣は、吉田政治の後継を任じるリベラル派である。
日中外交を軌道に乗せた人物が、官房長官・外務大臣を歴任した大平正芳である。1972年の日中国交回復は、大平によって実現した。田中首相がそれに従った。1979年の中国へのODAは、大平首相の下で実現、中国の改革開放政策を後押しした。
侵略戦争の賠償責任を放棄するという毛沢東―周恩来外交への、日本のささやかな返礼でもあった。
<中曽根の改憲軍拡路線>
極右・岸政治の後継者が中曽根康弘である。彼は公然と改憲を口にした国家主義者・偏狭なナショナリストで知られる。
米レーガン大統領との仲を利用して改憲に踏み込むのだが、この時点でも野党も、新聞も朝日を中心に反対した。読売・産経では世論操作は困難だった。
80年代の中曽根バブルで暴利をむさぼっていた財閥は、あえて武器弾薬生産に特化する必要もなかった。だが、中曽根バブル崩壊で1500兆円も資産が消失すると、財閥も極右路線での生き残りを図ろうとする。
<極右化した自民党と公明党>
彼らの野望が消費税8%・10%の背景に見え隠れする。庶民増税である。自らは血税投入(小泉内閣)で生き延びる。
財閥が擁立した人物が岸の孫だった。かつて日米安保の段階的解消を公約していた公明党創価学会の、大いなる変身も、安倍・極右政治を支える。NHKや新聞テレビも、である。
結果、特定秘密保護法や武器輸出、はては戦争法の強行である。それを戦後70年に断行した。憲法違反を次々と続行するA級戦犯の孫は、財閥にのみ恩恵を与えるアベノミクスも強行、当人はいま経済は順調とうそぶく。
異常・異様な戦後70年だった。そして、いよいよ天王山の2016年、政局夏の陣が切って落とされた。日本国民とアジア諸国民の命運がかかっている。
戦後70年、日本とアジアの平和と繁栄を構築してくれた9条憲法が、戦後最大の危機的試練を迎えている。
2016年1月9日記(武漢大学客員教授・日本記者クラブ会員
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