http://www.asyura2.com/16/music18/msg/148.html
Tweet |
そこの横丁右に折れてづーっと行ってくれやす。
飽きるほどつづら折りの坂上ったら
いよいよ左手に鳥居が見えてきます。
その鳥居の後ろ 聳える小山おます。
へ、地図て?
国土地理院がなに書いてるか
そんなん知りおまへん。笑
雨もめったふりゃしません。
地の人間は皆 炎火山 呼んでますて。
もう幾日たったか忘れてもうた
ただただ渇き癒す為だけに
この山登っはずなのに
この山の砂と石
噛めば噛むほどに喉が渇くんだわ
とっくに里に降りる気力も失せてもうた
あれほど焦がれて登ったエンカ山て
なんね
大の字に寝転んだで
さああ お迎えさん来とくれやす
旦那さん、漁師村ですよ。
隣合わせの村が反目なんてよくある話ですよ。
人生の八分引き残り二分で、
生き方がてんこする体験を私は身を持ってしたんです。
隣村の祭りに潜りこんでね、目撃したのね。
そりゃ、こんな歌声聞いたことない。
雷に撃たれって?
馬鹿言っちゃいけない、
雷神が照れてへそ隠すほどですわ。
年の頃十六の歌姫の声。
気がついたら人垣かき分けて最前列に陣取って相の手送ってまして。
・・・笑わせるよな、くそ親父。
その娘に惚れ抜いて、何度かの祭りでおまえ、
唄う彼女を背負って遁走したらしいじゃねえか。
へへ、いったい何処へ逃げたんだよ?
叔母さんから聞いたよ。
江利チエミ背負った高倉健かっ、ての。爆笑
酔っぱらった挙句、
顔面目がげて茶碗投げた事、よもや忘れないわな?
言葉で何万回も殺しても科に問われなかったし。
能書き垂れる割に子沢山にしよって。笑
その「娘」の最後の言葉はなんだ?
目をかっと見開いて
「もーいい、もういい!」
「この馬鹿野郎!」だ。
鼻水垂らして
「馬鹿でいい! 馬鹿でいい!」
て払われた手握り返すんじゃないって。笑
そこにはあんたらの子達もおったんよ。
おかげでおれら、
親子は男女に敵わない気持ち負ったじゃないの。
ああ?
娑婆ん中の湿気に当てられて目を覚ましたわ
そこの木かじったった かじったった
しゃぶったった しゃぶったった
ありったけの水吸たった
ちゅうちゅうう吸ったった
這い起きて葉っぱ食ったった 食ったった
一里離れたところ、
ブルーシートでこさえられた粗末なテントがございます。
シート屋根にはたまさか一点の窪みがありまして
それを内から覗きますてっと、
下がりとんがりの頂きから点々と滴が垂れております。
炎天下に照らされて野天から這い上がる大量の水があったんですな。
それが天幕で返されて落ちては、
置いてある破れどんぶりをなみなみと満たしておったのであります。
実はこれぞ炎火山名産、演歌の聖水でありまして
ほうほうの体で帰る事のできた主を癒す事の効能やありましょうや?
逢わずに愛して〜Do right woman - Do right man−浜田真理子
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。