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ロシア・日米接近 波紋 EU、強硬姿勢に不安感 対ロ経済制裁で「突出」警戒:外見と違い日米よりEUのほうが露と緊密
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/798.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 12 月 23 日 05:16:41: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


 ウクライナ・クリミア問題及びシリア問題で欧州諸国とロシアは厳しい対立関係にあるように見えるが、ウクライナ騒乱は、「欧米の銀行経営を揺るがすウクライナデフォルトを避けたい欧米諸国とクリミアを奪還したいロシアの共謀」で引き起こされたものであり、裏では和平プロセスを含め綿密な調整が行われている。

 シリア問題も、シリアの政治的対立や内戦に介入した英米仏の尻ぬぐいをロシアが代行していると言える。

(英米仏がそろそろシリア騒乱を終結させたいと思っても、彼ら自身が反政府勢力を排撃するわけにはいかないので、ロシアが武力行使を肩代わりし、トルコが反政府勢力との交渉の仲介役として奮闘しているという構図である)


※関連参照投稿

「デフォルトを嫌う金融家のため、危機を頼りにする軍需産業のため、「東西」の合作で分断と対立を煽られたウクライナ」
http://www.asyura2.com/14/senkyo162/msg/467.html

「対露「口先制裁」の実例:ロシアは高級公務員の外国銀行口座保有を禁止:なのに金融資産凍結が制裁のコアという喜劇」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/302.html

「欧米の対ロシア制裁に抜け穴−最大手行は対象外:見せかけのインチキ制裁で米欧とも様々の工夫」
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/581.html


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ロシア・日米接近 波紋
EU、強硬姿勢に不安感 対ロ経済制裁で「突出」警戒

 混迷を深める国際情勢下でロシアの存在感が高まっている。欧州連合(EU)はウクライナやシリア情勢を巡りロシアと対立を深め、対ロ批判の急先鋒(せんぽう)だった米国はトランプ次期政権が親ロ姿勢を示し外交軸が揺らぐ。中国はロシアと組みアジアでの影響力で日米に対抗する。首脳会談でロシアとの経済協力を加速する日本を、各国はそれぞれの立場から冷徹に見つめている。

 【ブリュッセル=赤川省吾】欧州連合(EU)は15日の首脳会議で2017年1月末に期限を迎えるロシアへの経済制裁の延長を決めた。ウクライナ情勢を巡り、ロシアの支援を受ける親ロ派が停戦合意を守っていないと判断した。シリア内戦でアサド政権を支援し、人道危機を深刻化させているとの不満も重なる。ただ大国ロシアにどう向き合うかについて、EU内には温度差もにじむ。

 「(以前よりも)各国首脳は強硬だった」。首脳会議の終了後の15日、EUのトゥスク大統領は記者団にこう語った。

 表向きはそう映る。政府・財界要人の入国禁止や投資への融資禁止などの対ロ制裁を半年間延長したうえで、激戦が続くシリア内戦ではロシアとイランを名指しで批判した。首脳会議にはシリア北部アレッポの反体制派市長を招き、アサド政権とそれを支えるロシアの非人道ぶりを訴えさせるという演出も見せた。

 しかし強硬姿勢のはしごを外されることへの不安は隠せない。トランプ次期米大統領がロシアへの融和姿勢をみせているからだ。「そのことは会議で話し合った」とメルケル独首相も認めた。

 米国の新しい対ロ政策がはっきりするまではあれこれ詮索しても仕方がない――。そんな認識でEU首脳は一致したが、北大西洋条約機構(NATO)の盟主である米国が、欧州の頭越しにロシアと接近する事態を警戒しているのは明らかだ。

 EU内の足並みもそろっているとはいえない。各国の世論やロシアとの距離感が国によって異なるうえ、主要国が重要選挙を控えているからだ。

 例えばフランス。オランド大統領はロシア制裁論をけん引してきたが、来年4月の次期大統領選への不出馬を表明した。次期大統領の有力候補とされる中道右派のフィヨン元首相は対ロ融和派。大国ロシアと是々非々でつきあい、米独をけん制するという仏外交の伝統的な姿勢がにじむ。

 ポーランドはEUがロシア寄りに傾くのを防ごうと懸命だ。「ロシアは我が国を緩衝地帯とみなしている」とファルコフスキー国防次官は激しく批判する。

 割れる欧州につけ込むのはロシアの対欧外交のこれも伝統だ。各国で台頭する極右政党は、ロシアから資金援助を得ているとささやかれる。

 冷戦時代から西欧はロシア(旧ソ連)との距離感に悩んだ。ソ連など共産諸国は西欧各地の左翼陣営を秘密裏に支え、親ソ感情を育てようと腐心した。当時と構図が異なるのは、米国の政策が不透明になっていることだ。

 「欧州の平和を守るため、ドイツは中核的な役割を担う」(ポーランドのファルコフスキー次官)と期待する声は多いものの、NATOを主導してきた米英仏と異なり、ドイツの軍事面での役割には制約がある。

 今回のプーチン大統領の訪日は欧州メディアも大きく報じたが、各国の外交筋は領土問題が進展するとはみていない。同じ敗戦国だったドイツが東部領土をソ連・ポーランドに割譲・放棄せざるを得なかった経験が、その見方を後押しする。

 EUの最大の関心事は日本が対ロ制裁を今のまま続けるかだ。緩和や解除に動けば、日米欧の対ロ政策がすれ違い、主要7カ国(G7)の存在意義が低下しかねない。

[日経新聞12月17日朝刊P.9]

 

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