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IMF専務理事に有罪 仏閣僚時代の職務怠慢:刑は科さず:サルコジ元大統領の友人に4億ユーロの支払い決済事件
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/740.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 12 月 20 日 01:08:03: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


IMF専務理事に有罪 仏閣僚時代の職務怠慢[日経新聞]
2016/12/20 0:42

 【パリ=竹内康雄】フランス・パリの共和国法院(閣僚の事件を扱う裁判所)は19日、仏経済閣僚時代に公正な業務を怠ったとして職務不履行罪に問われた国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事に対し、有罪とする一方、刑を科さないとする判決を言い渡した。IMF専務理事としての職務継続に影響が出る可能性があり、ラガルド氏の対応が焦点になる。

 ラガルド氏は公判で「私は全体の利益のために、良心に従って行動してきた」と罪状を否認してきた。仏検察は15日、「証拠は非常に弱く、職務不履行罪は成立しない」と無罪判決を求めたが、3人の職業裁判官と国会議員12人からなる判事団はこれを退けた。

 職務不履行罪は本来、最高1万5千ユーロの罰金、1年の禁錮刑を科されるが、今回は刑を科さないという異例の有罪判決となった。

 ラガルド氏は2011年、同じ仏出身で、女性への性的暴行容疑で逮捕され辞任したストロスカーン氏の後任としてIMF専務理事に就任した。今年夏から2期目に入ったところだった。

 疑惑は、サルコジ政権下でラガルド氏が経済財務雇用相を務めていた08年にさかのぼる。サルコジ氏の支持者で実業家のベルナール・タピ氏と、当時の国営銀行クレディ・リヨネが争ってきた独アディダス株の売買に絡む係争について、ラガルド氏は裁判にせずに、私的な「調停」を選んだ。

 ラガルド氏が結果的に十分に公正な職務を果たさなかったことで、4億ユーロの公的資金が渡るなど実業家のタピ氏に有利な結論を導いたとの疑惑が浮上した。当時から「異例の介入」として批判されていた。今回の裁判では、ラガルド氏が「なぜ調停を認めたのか」や「財政負担を増やした」ことを巡る是非を中心に審理されたとみられる。

 一方で、この問題がここまで長引いたのは、仏国内の権力闘争の側面があるとの声も根強い。

 当初、サルコジ氏は17年の大統領選への出馬をめざしており、ことあるごとにこの問題を含む複数の疑惑を取り上げられ、イメージダウンにつながった。結局、サルコジ氏は予備選の段階で敗退し、政界引退を表明したものの、ラガルド氏がこうした政争に巻き込まれたとの見方だ。

 今回の判決は有罪とはいえ実際の刑罰は科されなかったため、ラガルド氏がすぐにIMFの職務を遂行できなくなるといった「最悪の事態」は免れたとの見方はできる。ラガルド氏は中国をはじめIMFに加盟する新興国からの支持が厚い。ただ、世界有数の国際機関のとりまとめ役に有罪判決が出たことで、職務継続に疑問の声が出る可能性もある。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM16H9Y_Z11C16A2EA1000/?dg=1&nf=1

 

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コメント
1. 2021年3月20日 14:56:45 : AurVUCE0Tg : TmFlT3Uzc3U0ZXM=[11] 報告
ラガルド氏有罪判決でIMFの威信に傷も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO10927130R21C16A2000000/
ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事のフランス経済閣僚時代の公務を巡り、同国の裁判所が今週、職務不履行罪の有罪判決を下したことを受け、IMF理事会は早速、同氏の擁護に動いた。

理事会はラガルド氏の職務継続を「全面的に信任する」と結論づけた。だが、アナリストらは同氏の有罪判決は暗い影を落とし、IMFの威信と、場合によっては政策にも悪影響を及ぼしうるとみる。

「これは相当なダメージになるだろう」と元IMFエコノミストのピーター・ドイル氏は言う。「今後はIMFが決定を下すたびに(判決との)関連を勘繰られそうだ」。ドイル氏は英国の欧州連合(EU)懐疑派がこの問題に付け込もうとする可能性を指摘し、こう付け加えた。「ラガルド氏が英国のEU離脱のプロセスに関して何か言おうとした時、どうなるかを想像してみるといい」

有罪とされたのは、ラガルド氏がIMF専務理事になる前に起きたことに対してで、同氏は一貫して不正行為を否認している。

ラガルド氏とIMFは、19日の判決直後に同氏が仏政府に加え米国などの国々からも続投への支持を受けたことを挙げ、政治色の強い判決だったことも浮かび上がらせようとしている。

裁判所は、実業家のベルナール・タピ氏に4億300万ユーロ(約493億円)の公的資金が渡るのをラガルド氏が防げなかったことを職務怠慢とする一方、刑罰は科さず、この有罪判決が同氏の犯罪歴として残らないとも言い渡した。

ラガルド氏は5年に及んだ法的係争に区切りをつけ、前に進みたいという意欲をはっきりと示した。「この判決については上訴せず、私のすべての注意と時間、力、精力、そして熱意をIMFのトップとしての使命に傾けたい」と語った。

ラガルド氏、米次期政権との関係に直面
ラガルド氏は特に今、IMFの最大の出資国である米国との関係をどう維持していくかという課題に直面している。米大統領選の期間中、ラガルド氏はトランプ氏を公然と批判することは努めて避けていた。だが、トランプ氏が掲げたような保護主義的な貿易政策には反対すると明言している。

トランプ氏はグローバル体制やIMFのような国際機関、さらにそれらの機関が70年以上推進してきた貿易促進や経済自由化の政策を非難し、選挙で勝利した。選挙以来、トランプ次期政権で要職への起用が取り沙汰されるボルトン元国連大使は、IMFと世界銀行の大改革を提案している。グローバル体制自体の刷新を求める意見も根強い。

「トランプ次期政権にとって、今回の判決は恐らくほんのささいな問題でしかないだろう」と元米財務次官補のエドウィン・トルーマン氏は言う。「それより大きな問題はトランプ政権がこの種の国際機関をどう考え、こうした機関が米国の国益をどう高めてくれるかだ」

一方、IMFがラガルド氏の続投を容認したことで、政治エリートは罰せられないのかというポピュリズム(大衆迎合主義)勢力の批判が強まるという見方もある。

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