(回答先: シリアは３〜５個の小国家に分裂、同様にイラクも３つの小国家に分裂することだろう／佐藤優 投稿者 仁王像 日時 2016 年 12 月 13 日 20:00:55)

第一章　私と地政学の出会い
〔マッキンダーの地政学〜プーチンの考え方〕
　いまの世界情勢を見たとき、地政学的な思考を身につけるには最適な教師がいる。プーチン大統領だ。ウクライナ問題についての発言。

　〈朝日新聞、2015.4.28〉
　「ロシアのような国には自国の地政学的な利益があることを、他の国々は理解しなければならない」と述べた。「ロシアと他国は互いに尊重し、バランスを取り、互いに受け入れ可能な解決策を見つける必要がある」と強調。その上で「KGBに２０年間勤めた私は、共産党の一党独裁が崩れればすべてが根本的に変わると思っていた。しかし何も変わらなかった。なぜなら、地政学的な問題は、イデオロギーとは何の関係もないからだ」と指摘した。（引用終わり）

　黒海に臨むクリミアのセバストポリにはロシアの海軍基地がある。セバストポリを出港したロシア海軍の艦船が、黒海を横断し、ボスボラ海峡を経てマルマラ海へ、ダーダネルス海峡を通過して地中海へと至る。
　この地を失うことは、地中海を往来する航路を失うこと。地中海でNATO軍と制海権を争うことができなくなる。したがってクリミア併合はロシアにとって死活的に重要な地なのだ。
　プーチンの「地政学的な問題は、イデオロギーとは何の関係もない」は、マッキンダーの次の一文と一致する。
　「人類の歴史がはじまってから、これでほぼ千年になる。が、この間に、地球上の重要な地形はほとんど変化していない」

【出典】「使える地政学〜日本の大問題を読み解く」佐藤優／朝日新聞社 ‘16年
　

コメント
1. 2016年12月14日 08:35:09 : 5ZbWztx8yE : ZRHBSqGIMaU[1] ▲△▽▼ 冷戦の本質がイデオロギー対立などではなかったことを見事に説明する文章だ。 と言っても偉いのは佐藤ではなくマッキンダーだが。

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