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関税優遇 中国やタイ除外
経済発展、必要性薄く 財務省、19年度から実施
財務省は中国やメキシコなど5カ国を途上国への関税減免の対象から外す。経済が発展し、援助の必要性が薄れたと判断した。2019年度から実施する。トランプ次期米大統領は中国やメキシコからの輸入品に高関税をかけると訴えてきた。日本の制度変更は過度な優遇を縮小する狙いだが、実質的な関税引き上げとの誤解を招く恐れもある。
途上国への関税減免は「特恵関税」と呼ばれる。財務省は24日に開く関税・外国為替等審議会で、この制度を見直すと表明する。政府開発援助などと同じように途上国の経済を支援するために、対象国は化学品などの関税(平均3%強)をほぼ免除している。現在でも一定の経済発展を遂げた国を外す規定があるが、新たに「3年連続で所得が一定以上かつ世界輸出シェア1%以上」という規定を加える。
特恵関税は現在143カ国・地域が対象だ。新たな規定によって中国、メキシコ、ブラジル、タイ、マレーシアの5カ国が適用対象でなくなる。近く政省令を改定する。特恵関税で失われている関税収入は330億円。適用対象でなくなる5カ国で300億円を占めており、この分の関税収入が増える可能性が高い。日本には貴重な税収が増えることになる。
現在でも世界銀行の所得水準の分類で「高所得国」に3年連続で分類されると、特恵関税の対象から外れる規定はある。この規定によってチリやアルゼンチンなどが今後対象から外れる見通しだ。新たに追加する除外規定を適用してもインドやベトナム、インドネシアなどの国は対象として継続する。
途上国を支援する関税の優遇措置は近年、欧州連合(EU)とカナダが相次ぎ縮小しており、日本も一定の見直しが必要だと判断した。ただトランプ氏が中国やメキシコへの関税引き上げを訴えるなど国際社会では保護主義の風潮が懸念されている。財務省は今回の改定の意図を丁寧に説明する必要がある。
主な関税品目は例えば、中国ではペットボトルの材料になるポリエチレンテレフタレート(PET)や芳香剤の原料などがある。中国には多くの日本企業が拠点を構え、現行の関税を前提にしてグローバルな生産・流通体制を築いてきた。財務省は制度見直しの開始まで2年間の経過期間を置くが、中国から原料を輸入する日本企業の拠点配置や製品価格などに影響がでる可能性がある。
[日経新聞11月18日朝刊P.5]
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