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トランプが次期米大統領に決まったことを受けてソロス一派が秘密会談、露では新自由主義者逮捕
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2016.11.15 18:21:16 櫻井ジャーナル
ドナルド・トランプがアメリカの次期大統領に選ばれた後、アメリカ、EU、そしてロシアで興味深い動きが見られる。アメリカでは13日から3日間の予定でジョージ・ソロス、その息子のジョナサン・ソロス、あるいはトム・ステイアーを含む富豪たちが音頭を取り、トランプ対策を練る秘密会談をワシントンのマンダリン・オリエンタル・ホテルで開催、やはり13日にベルギーのブリュッセルではイギリスとフランスを除くEUの外務大臣がトランプに関して話し合っている。こうした会議以上に興味深いのはロシアで新自由主義者、つまりアメリカ巨大資本の傀儡グループ(いわゆる第5列)に属すと見られているアレクセイ・ウルカエフ経済開発相が汚職で逮捕された事実だ。
ウルカエフたちのグループには中央銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナや新旧財務大臣のアントン・シルアノフとアレクセイ・クドリンも含まれ、ボリス・エリツィン時代のように、社会的な強者が富を独占する仕組みを復活させようと目論んでいる。
そのグループにおける中心的な存在がエリツィンの娘であるタチアナ。ボリスが大統領だった時代、飲んだくれで心臓病を抱える父親に代わり、クレムリン内外の腐敗勢力と手を組んでロシアを食い物にしていた。1996年にボリスはタチアナを個人的な顧問に据えたが、2000年にウラジミル・プーチンから解雇されている。
タチアナはウラル・エネルギーのCEOだったアレクセイ・ドゥヤチェンコと結婚していたが離婚、2001年にエリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフと再婚した。
ユマシェフの娘であるポリナ・ユマシェバと結婚したオレグ・デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒで、ナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めている。
タチアナの利権仲間に属すひとり、アナトリー・チュバイスは1992年11月にエリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していた。ここはCIAとの関係が深いUSAIDから資金を得ていた。言うまでもなくUSAIDはCIAが資金を流す際に使う機関だ。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)
エリツィン時代のロシアで経済政策を作成していたのはジェフリー・サックスを含むシカゴ派の顧問団だが、ロスチャイルドとのつながりも目立つ。また、ソ連時代から現在のロシアに至るまで、この地域を支配しようとしてきたのがジョージ・ソロス。そうした西側支配層の配下のロシア人がウラジミル・プーチン体制になっても経済分野では主導権を握り、プーチン体制のアキレス腱とも言われている。
米英のロシア/ソ連制圧の計画は1904年にハルフォード・マッキンダーのハートランド理論として顕在化した。イギリスが日本の軍事力強化や対ロシア戦の戦費調達に協力した一因はそこにある。
当時、イギリスはライバルのフランス、ドイツ、ロシアに対抗するために約14万人の兵士が必要だと見ていたが、実際の兵力は7万人。その不足分を補うために目を付けられたのが日清戦争に勝利した日本だった。そして1902年、日英同盟協約が結ばれている。日露戦争でアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領が乗り出してきた理由も同じだろう。同じルーズベルトでもセオドアはフランクリンと違い、棍棒外交で有名な好戦派だ。
現在、米英支配層とロシアとの鍔迫り合いはシリアで行われている。ヒラリー・クリントンなどアメリカの好戦派はシリアをリビアと同じように破壊、戦闘員をカフカスなどロシア周辺へ移動させ、西側のウクライナではネオ・ナチを使ってロシアへ迫っていくつもりだったのだろう。NATOもロシアとの国境近くに部隊を配備、ロシアに対する軍事的な圧力を強めてきた。ちなみに、ウクライナのクーデターを現場で指揮していたネオコン、ビクトリア・ヌランド国務次官補はヒラリーと親しい仲だ。
ところが、シリアでは昨年9月末にロシア軍がシリア政府の要請に基づいて軍事介入、アル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュに対する攻撃を始めた。アメリカが主導する連合軍とは違い、本当に攻撃して侵略軍は大きなダメージを受けた。そこでアメリカの好戦派はリビアのように飛行禁止空域を設定するように要求する。ヒラリーもそうした首相をする仲間だ。
アメリカ上院の軍事委員会でジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長が語ったようにシリア上空をロシア軍やシリア軍の航空機が飛行することを禁止した場合、アメリカはロシアやシリアと戦争になる可能性が高く、世界大戦、つまり核戦争に発展する可能性が高い。アメリカなどがアル・カイダ系武装集団やダーイッシュなどを攻撃しているロシアやシリアの戦闘機や爆撃機を撃墜すれば、ロシアもアメリカなどの戦闘機や爆撃機を撃墜する。必然的に直接的な軍事衝突になるからだ。
好戦派と見なされているダンフォードでさえロシアとの戦争には消極的だが、軍の内部にもヒラリーの仲間はいる。例えば、陸軍のマーク・ミリー参謀総長はロシアに対し、かつて経験したことがないほど激しく叩きのめしてやる、つまりスターリングラードなど第2次世界大戦でソ連が受けた以上の打撃を加えてやると演説した。先制核攻撃すると言っているのに等しい。
それに対し、トランプはダーイッシュの打倒を最優先すべきだとしている。すでにトランプはプーチンと電話で話し合っているようだ。このまま進めばアメリカとロシアとの関係は修復される。ソロスたち「リベラル派」はそれを恐れている。
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